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帝国誕生
【二王子side】熊王国滅亡で政略結婚する
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ナスナ熊王国が滅亡したのは開戦から僅か30日後の事だった。
ネイチェ王国侵攻で軍が出払ってるエトリア王国本領を奇襲したはずなのに、結果はエトリア王国軍のネイチェ王国領からの大返しによる早々の滅亡である。
エトリア王国軍のドラゴン製の武具装備の部隊が精強なのは確かだが、それ以上に問題なのが大返しだった。
これは明らかにナスナ熊王国の侵攻が織り込み済みのエトリア王国の行動だからだ。
それもそのはず。
開戦のきっかけはトルオンが女特使である第4王女ウエーデンに無礼を働いた事だが、あの時、トルオンがズッコケなければ、ウエーデンはエトリア王国側の暗部によって帰路に事故という名の謀殺に巻き込まれて、どうせナスナ熊王国はエトリア王国に侵攻していたのだから。
そもそも論で言えば、ナスナ熊王国の方も実は開戦派が2人の王子がボコられた証拠探しに極秘の謝罪と称して出向いてきていた。
更に言えば、トルオンが押し倒してナマ乳を披露した第4王女ウエーデンは本人ではなくその姿をした影武者だ。本人はエトリア王国に来ていない。もし同席してたらトルオンがそちらに突っ込んだはずだ。
つまり、影武者を用いたのは最悪、殺されてもOKだって事だった。
何でも良いからとにかく火種を作ってエトリア王国の軍がネイチェ王国に出払ってる隙に本領を攻める口実を作る。
それがあの極秘の謝罪会のナスナ熊王国側の狙いだったのだ。
エトリア王国とナスナ熊王国、双方がそんな思惑をめぐらせて、あの謝罪会は開かれていた。
国家間の外交なんて総てがこんな化かし合いばかりだ。
だからトルオンが気に病む必要はない。
もっともトルオンの方はそんな事知る由もなく平和に暮らしていたが。
さて。
ナスナ熊王国の熊王都ベスレはベスレ山にある地中都市だ。
天然の空洞を利用してるが、人の手も加えられている。
蓋のように5重の鉄門を閉じれば防御は完璧だったが、攻略法も当然あり、別の穴から攻め掘ってエトリア王国兵が地中都市べスレに侵入したところで勝敗は決し、熊王ウエルクが降伏を申し出て、民草の被害を最小限に抑えた。
ここでナスナ熊王国は滅亡したが、ナスナ熊王国の場合、勝利後の熊王ウエルクの処置が困るのだ。
善政を布いており人気があり、族長でもあるので、後顧の憂いを除く為、殺したいが、下手に殺すと熊人族が反発する。
そんな訳で、政略結婚でガチガチに固める事になった。
熊王一族は子沢山なので、エトリア王国側の配合可能な人間の名門騎士家と熊人族の王族が7組政略結婚する事で、ウエルクを将軍として迎え入れた。
とはいえ、ウエルクをそのまま旧ナスナ熊王国領に配置するのは怖いので、併合したばかりの旧ネイチェ領の一部を領地として与えたのだった。
この処置だけで40日。
戦争よりも時間が掛かったくらいだ。
よって、18歳の双子の王子、2人とも身長238センチ、黒髪黒耳で同じ顔の元第6王子ウエスと元第7王子ウエルも政略結婚で人間の女と結婚する事になった。
拒否権はない。
何せ、エトリア王国の政府経由でナスナ熊王国帰還後に父王にボコられて、今回のナスナ熊王国滅亡まで幽閉されていたのだから。
ようやく幽閉部屋から解放されたと思ったら人間と結婚なのだから。
「やってられないぜ」
「あのドラゴニュートが結婚相手じゃないだけマシだろ」
「言うな、馬鹿。思い出しちまったじゃねぇか」
ウエスとウエルは凶暴なセレーリュの事を思い出して震えたのだった。
何せ、治癒魔法で完治こそしてるが、2人とも完全に股間を蹴り潰されるというトラウマが残るくらいの酷い目に遭ってたのだから。
ネイチェ王国侵攻で軍が出払ってるエトリア王国本領を奇襲したはずなのに、結果はエトリア王国軍のネイチェ王国領からの大返しによる早々の滅亡である。
エトリア王国軍のドラゴン製の武具装備の部隊が精強なのは確かだが、それ以上に問題なのが大返しだった。
これは明らかにナスナ熊王国の侵攻が織り込み済みのエトリア王国の行動だからだ。
それもそのはず。
開戦のきっかけはトルオンが女特使である第4王女ウエーデンに無礼を働いた事だが、あの時、トルオンがズッコケなければ、ウエーデンはエトリア王国側の暗部によって帰路に事故という名の謀殺に巻き込まれて、どうせナスナ熊王国はエトリア王国に侵攻していたのだから。
そもそも論で言えば、ナスナ熊王国の方も実は開戦派が2人の王子がボコられた証拠探しに極秘の謝罪と称して出向いてきていた。
更に言えば、トルオンが押し倒してナマ乳を披露した第4王女ウエーデンは本人ではなくその姿をした影武者だ。本人はエトリア王国に来ていない。もし同席してたらトルオンがそちらに突っ込んだはずだ。
つまり、影武者を用いたのは最悪、殺されてもOKだって事だった。
何でも良いからとにかく火種を作ってエトリア王国の軍がネイチェ王国に出払ってる隙に本領を攻める口実を作る。
それがあの極秘の謝罪会のナスナ熊王国側の狙いだったのだ。
エトリア王国とナスナ熊王国、双方がそんな思惑をめぐらせて、あの謝罪会は開かれていた。
国家間の外交なんて総てがこんな化かし合いばかりだ。
だからトルオンが気に病む必要はない。
もっともトルオンの方はそんな事知る由もなく平和に暮らしていたが。
さて。
ナスナ熊王国の熊王都ベスレはベスレ山にある地中都市だ。
天然の空洞を利用してるが、人の手も加えられている。
蓋のように5重の鉄門を閉じれば防御は完璧だったが、攻略法も当然あり、別の穴から攻め掘ってエトリア王国兵が地中都市べスレに侵入したところで勝敗は決し、熊王ウエルクが降伏を申し出て、民草の被害を最小限に抑えた。
ここでナスナ熊王国は滅亡したが、ナスナ熊王国の場合、勝利後の熊王ウエルクの処置が困るのだ。
善政を布いており人気があり、族長でもあるので、後顧の憂いを除く為、殺したいが、下手に殺すと熊人族が反発する。
そんな訳で、政略結婚でガチガチに固める事になった。
熊王一族は子沢山なので、エトリア王国側の配合可能な人間の名門騎士家と熊人族の王族が7組政略結婚する事で、ウエルクを将軍として迎え入れた。
とはいえ、ウエルクをそのまま旧ナスナ熊王国領に配置するのは怖いので、併合したばかりの旧ネイチェ領の一部を領地として与えたのだった。
この処置だけで40日。
戦争よりも時間が掛かったくらいだ。
よって、18歳の双子の王子、2人とも身長238センチ、黒髪黒耳で同じ顔の元第6王子ウエスと元第7王子ウエルも政略結婚で人間の女と結婚する事になった。
拒否権はない。
何せ、エトリア王国の政府経由でナスナ熊王国帰還後に父王にボコられて、今回のナスナ熊王国滅亡まで幽閉されていたのだから。
ようやく幽閉部屋から解放されたと思ったら人間と結婚なのだから。
「やってられないぜ」
「あのドラゴニュートが結婚相手じゃないだけマシだろ」
「言うな、馬鹿。思い出しちまったじゃねぇか」
ウエスとウエルは凶暴なセレーリュの事を思い出して震えたのだった。
何せ、治癒魔法で完治こそしてるが、2人とも完全に股間を蹴り潰されるというトラウマが残るくらいの酷い目に遭ってたのだから。
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