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嘆きの聖女編
聖女、やらかす
しおりを挟む228-①
影光はナジミとオサナを連れてシルエッタを放り込んだ牢獄へと向かった。
影光の後ろ、横並びで歩くナジミとオサナだったが、二人の間には気まずい空気が流れていた。
「あ、あの……オサナ……さん?」
「えっ!? な、何!?」
「えーっと……その、私……オサナさんと昔どこかで会った事がある気がするんですけど」
ナジミの言葉にオサナはギクリとした。何だか胸が異様にドキドキする。姉だと言ってしまいたい……しかし、言っても良いのか、父が自分達を引き離した理由を知る前に……?
「それに会った事がある気がするだけじゃなくって……上手く言えないんですけど……他人の気がしないと言いますか……」
オサナは更にギクリとした。
「それに、さっき言ってた『お姉ちゃん』っていうのは──」
「だ……黙らんかナジミーーー!!」
「は、ハイッ!?」
今度はナジミが身を固くする番だった。
「巫女というものはあまりしゃべるものではない!! 両の眼で静かに結果だけを見ていれば良いのだーーー!!」
「えっ? ええっ? あの、それはどういう──」
「黙らんかナジミーーー!!」
「いや、でも──」
「黙らんかナジミーーー!!」
オサナがゴリッゴリの力技で、はぐらかし続ける事数分……
「おい、二人共、着いたぞ」
三人はシルエッタが放り込まれた牢獄に辿り着いた。
228-②
牢獄の中で、シルエッタは鎖に繋がれていた。壁から伸びた三本の鎖が、シルエッタの両手首と首にはめられた金属製の輪にそれぞれ繋がっている。
これではシルエッタが影転移を発動し、影に飛び込もうとしても鎖が邪魔をして逃げられない。
「よう、シルエッタぁ……良い子にしてたか、あぁん!?」
悪役歴の長い男である。凄む影光の表情を見て、オサナとナジミは全く感想を抱いた。
((うわぁ、悪そう……))
「オイ、テメェ!! 今すぐに暗黒樹を操作して取り込まれた奴らを解放しろ!! さもないと……」
凄む影光だったが、シルエッタはと言えば、影光の言葉などまるで聞こえていないように、虚な眼差しで俯き、何かをボソボソと呟いていた。
「お、おい……シルエッタさん? おーい?」
影光は嫌な予感がしまくりだった。影光はシルエッタの呟きを聞き取ろうと、恐る恐るシルエッタに耳を近づけた。
「そんな……そんなはずは……暗黒樹が制御出来ないなんて……そんなはずは……」
影光は思わず叫んだ。
「おまっ……やっぱりかーーーーーっ!? 何ベッタベタな展開をやらかしてくれてんだバカヤローーーーー!?」
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