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はいぱーむてき大作戦編
斬られ役、そっくり返される
しおりを挟む243-①
武光の窮地にリヴァルが駆けつけた。
「ヴァっさん!? 拠点で休んどいてくれって言うたやろ!?」
「武光殿が救った人々の中に医師の方がいて、応急手当てをして頂きました」
「いや、でも──」
「武光殿、少し会わない内に私の気性をお忘れですか? 私は……ぷろの勇者なのですよ?」
先程リヴァルに言った事をそっくり返されて、武光は思わず苦笑した。救いを求める者がいれば絶対に見捨てない……格好などつけてなくても格好良い天性の勇者。親友はそういう男だ。
「すまんヴァっさん、手伝ってくれ」
「もちろんです!!」
武光とリヴァルの視線の先ではエイグがよろめきながらも立ち上がり、剣を構えた。エイグの目は血走り、狂気を宿している。
「おのれ……貴様らぁぁぁっ!!」
「ヴァっさん、左右から──」
「はぁっっっ!!」
リヴァルは、武光が全く反応出来ない程の速度でエイグの懐に飛び込み、鳩尾の辺りに掌底を叩き込んだ。
金属製の胸当てを着けていたにもかかわらず、エイグはたったの一撃で意識を失いドサリと倒れ込んだ。
そして武光は倒れ伏したエイグに納刀しながら駆け寄ると、エイグの腰の辺りに馬乗りになって、負傷していない右腕だけでキャメルクラッチを極めた。
「食らえーーーーーっ!! 俺とヴァっさんの超絶ツープラトンをーーーっ!!」
〔……武光、何『一緒に倒した感』を出そうとしてるんだよ!? どう見ても最初のリヴァルの一撃で相手は気絶してただろ!?〕
「……やられた芝居かもしれんし」
〔斬られ役ばっかりやってる君が、やられる芝居を見抜けないはず無いだろう?〕
「てへぺろ♪」
〔可愛くない可愛くない!!〕
イットー・リョーダンにツッコまれた武光は技を解いた。
「ヴァっさん、そこら中に転がってる黒い繭の中に人が囚われとるねん、一刻も早く…………つっ!?」
「武光殿!?」
「だ、大丈夫。ちょっと傷口が痛むだけや。俺の事はええから──」
早く救助を……そう言おうとした武光の左腕をヒノアが掴んだ。
「……傷口を見せなさい」
「え?」
「良いから!!」
武光はヒノアに言われるまま傷口を見せた。
するとヒノアは傷口の少し上を自身のロングスカートの端を破いて作った即席の包帯で縛って止血し、持っていた飲み水で武光の傷口を洗い流すと、傷口に緑色のペースト状の物を塗りつけた。
「痛ぁぁぁぁ!? オイ、何塗っとるんやこれ!? めちゃめちゃ痛いんやけど!? うひーーーヒリヒリするーーー!!」
「うるさいわね、暗黒教団の信徒全員に支給されている特製の傷薬よ。しばらくしたら痛みがマシになるはずよ」
ヒノアの言う通り、塗られた直後こそ鋭い痛みが走ったものの、徐々に痛みが引いている気がする。
「お前、何で……」
傷口に布を当て、その上から再びスカートの端を裂いて作った即席の包帯を巻きながら、ヒノアは不貞腐れたように答えた。
「…………お○ぱいが大きいから」
「はい!?」
先程ヒノアに言った言葉をそっくり返され、呆気に取られる武光に対し、ヒノアは苛立たしげに言った。
「理由なんて何でも良いでしょう、ごちゃごちゃと面倒臭いわね!!」
「す、すんません……」
「よし……終わったわ」
「そうか、ほんならお前も救出を手伝え」
「はぁ!? 何で私が──」
「あぁん!? こっちにはあの最強勇者のリヴァル=シューエンさんがおるんやぞ!? つべこべ言うならマジでお○ぱい揉み倒すぞコラー!!」
「ひぃっ!?」
……武光の『虎の威を借りる狐』丸出しの脅しに屈したヒノアは、馬車馬の如く救出作業を手伝わされたのだった。
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