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巨竜編(裏)
被害者達、語る
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88-①
クラフ・コーナン城塞攻略軍総司令、ショウダ=イソウ将軍は司令室で独り頭を悩ませていた。
つい先程、巨竜討伐隊が出陣した。討伐隊には、伝説の聖剣イットー・リョーダンに選ばれし戦士を筆頭に、近頃活躍目覚ましいリヴァル戦士団、そしてあの白銀の死神ロイ=デストが加わっているとは言え、たったの七人しかいないのだ。
……もし彼らが巨竜の討伐に失敗した場合、あの巨竜を止める術などあるのだろうか?
あの巨竜の恐怖は兵達に深く刻み込まれ、隅々まで蔓延してしまっている。
現に正規軍の中から巨竜討伐に志願したのは、将軍連中や兵達から常軌を逸した戦闘狂だと揶揄されているロイ=デスト只一人だったのだ。
もし仮に全戦力を持って防衛線を築き、迎撃命令を下したとしても、いざあの巨竜を前にすれば兵達は恐慌を起こして戦線が崩壊する可能性は充分に考えられる。そして、大軍になればなるほど、一度恐慌を起こしてしまえば、立て直しは困難になるのだ。
ショウダが頭を抱えていると、誰かが司令室の扉をノックした。ショウダが『誰か?』と聞くと、『イラム=トーアです』と返って来た。
「入れ」
「ハッ」
イラム=トーアはショウダの率いる軍の副司令で、歳は49、間延びした馬面は、お世辞にも勇猛そうには見えない。戦士というよりはむしろ学者と言われた方がしっくりくるような風貌だ。
だが、戦場では勇猛果敢な攻めを見せ、冷静な判断力と指揮能力も併せ持つ歴戦の将で、ショウダの右腕とも言える男である。
「どうした、イラム?」
「巨竜討伐に志願した唐観武光の仲間の巫女と監査武官が、志願兵集結を命じた第二広場に煉瓦を並べて、何やら怪しげな儀式を行おうとしているみたいなのですが……」
「構わん、やらせておけ。おそらく戦勝祈願か無事の帰還を祈る儀式であろう。そ奴らの仲間はあの巨竜に立ち向かおうというのだ、それくらいの事は許してやれ。そんな事よりも、今は被害の確認と部隊の再編成、それに彼らが失敗した時に備えて作戦を練らねばならん……軍議だ、諸将を集めよ」
「ハッ」
司令室を出て、軍議の間に向かう二人の前を一匹の蝶が横切った。
「おや? この時期に蝶か……?」
「ふむ、珍しい事もあるものです。これは吉兆かもしれませんな」
二人は小さく笑った。古来より軍人・武人の類はとかく験を担ぎたがるものなのだ。
だが……後に二人は思い知る、これが吉兆などではなく、阿鼻叫喚の宴の始まりだったという事を。
……この騒乱に巻き込まれた者達は後にこう語る。
88-②
王国軍第一戦団・ショウダ軍所属
Aさん(仮名・24歳女性・弓兵)
「あの時……私達は第二広場の近くで待機してました。そしたら同僚が第二広場で巫女様と仮面を着けた監査武官が何か怪しい儀式的な事してるって言うんで、二人でこっそり見に行ったんですよ。あ……持ち場を離れたってのは隊長には内緒でお願いしますね。
……で、広場をこっそり覗いたら、巫女様と仮面を着けた監査武官の女性が異国語(?)の歌を歌いながら、一心不乱に舞を舞ってるんですよ。うーん、私の地元の収穫祭で、神官様や巫女様が豊穣の神に捧げる舞に似てたかもですね。
何やってるんだろうって思ってたら……蝶が飛んできたんです。それも一匹や二匹じゃなくて何十匹……いや、何百といました。まるで彼女達の舞に引き寄せられるように色鮮やかな蝶達が次々に飛んで来ては、彼女達の周りをひらひらと舞っているんです。
それはとても神秘的で、幻想的で、思わず見とれてしまうような美しい光景でした…………最初の15ミニツ(=約10分)だけでしたけど。
しばらくしたら今度は蝶だけじゃなくて蜂やらトンボやら芋虫やらバッタやら百足やら……もうありとあらゆる虫達がワラワラと……うっ、ごめんなさい……思い出したらちょっと気分悪くなっちゃいました」
88-③
王国軍第一戦団・テバンニ軍所属
Bさん(仮名・35歳男性・兵士)
「いえね……今思い返しても何が何だか……あの時私は、大隊長からの命令を部下に伝える為に砦の東門へ向かおうとしてたんです。その時は我々の小隊の他に5~6隊が北門の警備を担当していましたから、ええ。
で、門の近くまで歩いてきたら、門を警備してる筈の部下が血相変えて走って来たんですよ。
私は部下に、『どうした!?』って聞きました。そしたら『虫が出た!!』って言うじゃないですか。それを聞いた時、私は『馬鹿者!! 誇り高き王国軍人が虫など恐れてどうする!!』って叱りつけたんですが……今度は門の方から『さ、酸だーーー!!』って言う部下の叫びが聞こえてきたんです。
それで急いで門に駆けつけたら、いたんですよ……虫が。それも只の虫じゃありません。人間大のアリやらクモが酸や糸を吐きながら暴れているのです。
可哀想に……巨大アリの吐き出す酸を左手に浴びた部下は今もまだ左手が上手く動きません。
巨大クモの吐く糸に絡め取られて危うく食べられそうになった部下の女性隊員は今でも『死ぬ……糸に巻かれて死ぬんだよ!!』と、悪夢にうなされています。
全く、どうしてこんな事になってしまったのか……」
88-④
王国軍第一戦団、ショウダ軍所属
Cさん(仮名・25歳男性・重装歩兵)
「いや、もうハッキリ言って地獄絵図でしたよ。突如として物凄い数の小さな昆虫やら大きな魔蟲が砦の中に雪崩れ込んで来たんです。
それはもう、阿鼻叫喚の大混乱ですよ。周りを見たら虫・虫・虫ですからね。女性兵士はただでさえ虫が嫌いな奴が多いから、あまりのおぞましい光景にバッタバッタと失神するし……え? 虫だけにって? いやいやいや笑い事じゃないですよー、マジで。
自分は小隊の仲間と一緒に味方を救助しつつ魔蟲共を倒して回ってたんですが……正直な所、『あっ……この砦陥ちたな、うん』って思いました。
いやホント、この砦よく保ったな……という感じです。あの砦で戦った全員に拍手を送りたいです。
あ、ちなみに……その時助けた女性兵士が……今の自分の彼女です。この戦いが終わったら結婚しようって……あ、その話はいいですか?
何かすみません、ノロケちゃって……へへへ」
88-⑤
魔王軍所属
Yさん(仮名・16歳女性・妖禽族第一王女)
「その時は……私は蠱毒の穴って場所にいましたね。もうね、魔蟲達と喰うか喰われるかの毎日ですよ、ええ。
……確かに、私の中の毒蛾の力が異様にざわついた日が一日だけあったんですよ。今考えたら、確かに先程、仰られてた日と一致しますね。
え? ああ、さっきの『喰うか喰われるか』ってのは比喩じゃなくて言葉通りの意味です。
慣れれば意外と美味しいんですよ? 毒蛾って。
えーっと、話が逸れちゃいましたね。そうそう、その時私は少し遅めの昼食を摂ってたんです、倒した巨大毒蛾を食べてました。
そしたら何だか急に気分が悪くなって……頭の中でずうっと同じ歌が鳴り続けるんです。何て言ったかなー……『モシュラ』だか『モスリャ』だかそんな感じの名前が頭の中でぐるぐるぐるぐると……何か自分でもよく分からないんですけど頭がボーッとして『呼ばれてる……行かなくちゃ……』と思って……いや、何処にって聞かれると困るんですけど。
とにかく声のする方へこう、無意識にフラフラっと……あの時はほんっっっとに危なかったです。
ふと我に返ったら周りを魔蟲達に囲まれてるし……本気で死を覚悟しましたよ?
……え? それってその儀式が原因なんですか? うわぁ……迷惑極まりないですね。どこの誰がやってたんですか? そんなハタ迷惑な儀式。
え? そ……それ本当ですか!? あ……アイツらぁぁぁぁぁ!!
いや、もう怒りましたよ私!! 被害者全員を代表して……それはもう全身ズタズタにして惨たらしくブチ殺してやりますよ、ええ!! ハイ……楽しみに待ってて下さい!!」
クラフ・コーナン城塞攻略軍総司令、ショウダ=イソウ将軍は司令室で独り頭を悩ませていた。
つい先程、巨竜討伐隊が出陣した。討伐隊には、伝説の聖剣イットー・リョーダンに選ばれし戦士を筆頭に、近頃活躍目覚ましいリヴァル戦士団、そしてあの白銀の死神ロイ=デストが加わっているとは言え、たったの七人しかいないのだ。
……もし彼らが巨竜の討伐に失敗した場合、あの巨竜を止める術などあるのだろうか?
あの巨竜の恐怖は兵達に深く刻み込まれ、隅々まで蔓延してしまっている。
現に正規軍の中から巨竜討伐に志願したのは、将軍連中や兵達から常軌を逸した戦闘狂だと揶揄されているロイ=デスト只一人だったのだ。
もし仮に全戦力を持って防衛線を築き、迎撃命令を下したとしても、いざあの巨竜を前にすれば兵達は恐慌を起こして戦線が崩壊する可能性は充分に考えられる。そして、大軍になればなるほど、一度恐慌を起こしてしまえば、立て直しは困難になるのだ。
ショウダが頭を抱えていると、誰かが司令室の扉をノックした。ショウダが『誰か?』と聞くと、『イラム=トーアです』と返って来た。
「入れ」
「ハッ」
イラム=トーアはショウダの率いる軍の副司令で、歳は49、間延びした馬面は、お世辞にも勇猛そうには見えない。戦士というよりはむしろ学者と言われた方がしっくりくるような風貌だ。
だが、戦場では勇猛果敢な攻めを見せ、冷静な判断力と指揮能力も併せ持つ歴戦の将で、ショウダの右腕とも言える男である。
「どうした、イラム?」
「巨竜討伐に志願した唐観武光の仲間の巫女と監査武官が、志願兵集結を命じた第二広場に煉瓦を並べて、何やら怪しげな儀式を行おうとしているみたいなのですが……」
「構わん、やらせておけ。おそらく戦勝祈願か無事の帰還を祈る儀式であろう。そ奴らの仲間はあの巨竜に立ち向かおうというのだ、それくらいの事は許してやれ。そんな事よりも、今は被害の確認と部隊の再編成、それに彼らが失敗した時に備えて作戦を練らねばならん……軍議だ、諸将を集めよ」
「ハッ」
司令室を出て、軍議の間に向かう二人の前を一匹の蝶が横切った。
「おや? この時期に蝶か……?」
「ふむ、珍しい事もあるものです。これは吉兆かもしれませんな」
二人は小さく笑った。古来より軍人・武人の類はとかく験を担ぎたがるものなのだ。
だが……後に二人は思い知る、これが吉兆などではなく、阿鼻叫喚の宴の始まりだったという事を。
……この騒乱に巻き込まれた者達は後にこう語る。
88-②
王国軍第一戦団・ショウダ軍所属
Aさん(仮名・24歳女性・弓兵)
「あの時……私達は第二広場の近くで待機してました。そしたら同僚が第二広場で巫女様と仮面を着けた監査武官が何か怪しい儀式的な事してるって言うんで、二人でこっそり見に行ったんですよ。あ……持ち場を離れたってのは隊長には内緒でお願いしますね。
……で、広場をこっそり覗いたら、巫女様と仮面を着けた監査武官の女性が異国語(?)の歌を歌いながら、一心不乱に舞を舞ってるんですよ。うーん、私の地元の収穫祭で、神官様や巫女様が豊穣の神に捧げる舞に似てたかもですね。
何やってるんだろうって思ってたら……蝶が飛んできたんです。それも一匹や二匹じゃなくて何十匹……いや、何百といました。まるで彼女達の舞に引き寄せられるように色鮮やかな蝶達が次々に飛んで来ては、彼女達の周りをひらひらと舞っているんです。
それはとても神秘的で、幻想的で、思わず見とれてしまうような美しい光景でした…………最初の15ミニツ(=約10分)だけでしたけど。
しばらくしたら今度は蝶だけじゃなくて蜂やらトンボやら芋虫やらバッタやら百足やら……もうありとあらゆる虫達がワラワラと……うっ、ごめんなさい……思い出したらちょっと気分悪くなっちゃいました」
88-③
王国軍第一戦団・テバンニ軍所属
Bさん(仮名・35歳男性・兵士)
「いえね……今思い返しても何が何だか……あの時私は、大隊長からの命令を部下に伝える為に砦の東門へ向かおうとしてたんです。その時は我々の小隊の他に5~6隊が北門の警備を担当していましたから、ええ。
で、門の近くまで歩いてきたら、門を警備してる筈の部下が血相変えて走って来たんですよ。
私は部下に、『どうした!?』って聞きました。そしたら『虫が出た!!』って言うじゃないですか。それを聞いた時、私は『馬鹿者!! 誇り高き王国軍人が虫など恐れてどうする!!』って叱りつけたんですが……今度は門の方から『さ、酸だーーー!!』って言う部下の叫びが聞こえてきたんです。
それで急いで門に駆けつけたら、いたんですよ……虫が。それも只の虫じゃありません。人間大のアリやらクモが酸や糸を吐きながら暴れているのです。
可哀想に……巨大アリの吐き出す酸を左手に浴びた部下は今もまだ左手が上手く動きません。
巨大クモの吐く糸に絡め取られて危うく食べられそうになった部下の女性隊員は今でも『死ぬ……糸に巻かれて死ぬんだよ!!』と、悪夢にうなされています。
全く、どうしてこんな事になってしまったのか……」
88-④
王国軍第一戦団、ショウダ軍所属
Cさん(仮名・25歳男性・重装歩兵)
「いや、もうハッキリ言って地獄絵図でしたよ。突如として物凄い数の小さな昆虫やら大きな魔蟲が砦の中に雪崩れ込んで来たんです。
それはもう、阿鼻叫喚の大混乱ですよ。周りを見たら虫・虫・虫ですからね。女性兵士はただでさえ虫が嫌いな奴が多いから、あまりのおぞましい光景にバッタバッタと失神するし……え? 虫だけにって? いやいやいや笑い事じゃないですよー、マジで。
自分は小隊の仲間と一緒に味方を救助しつつ魔蟲共を倒して回ってたんですが……正直な所、『あっ……この砦陥ちたな、うん』って思いました。
いやホント、この砦よく保ったな……という感じです。あの砦で戦った全員に拍手を送りたいです。
あ、ちなみに……その時助けた女性兵士が……今の自分の彼女です。この戦いが終わったら結婚しようって……あ、その話はいいですか?
何かすみません、ノロケちゃって……へへへ」
88-⑤
魔王軍所属
Yさん(仮名・16歳女性・妖禽族第一王女)
「その時は……私は蠱毒の穴って場所にいましたね。もうね、魔蟲達と喰うか喰われるかの毎日ですよ、ええ。
……確かに、私の中の毒蛾の力が異様にざわついた日が一日だけあったんですよ。今考えたら、確かに先程、仰られてた日と一致しますね。
え? ああ、さっきの『喰うか喰われるか』ってのは比喩じゃなくて言葉通りの意味です。
慣れれば意外と美味しいんですよ? 毒蛾って。
えーっと、話が逸れちゃいましたね。そうそう、その時私は少し遅めの昼食を摂ってたんです、倒した巨大毒蛾を食べてました。
そしたら何だか急に気分が悪くなって……頭の中でずうっと同じ歌が鳴り続けるんです。何て言ったかなー……『モシュラ』だか『モスリャ』だかそんな感じの名前が頭の中でぐるぐるぐるぐると……何か自分でもよく分からないんですけど頭がボーッとして『呼ばれてる……行かなくちゃ……』と思って……いや、何処にって聞かれると困るんですけど。
とにかく声のする方へこう、無意識にフラフラっと……あの時はほんっっっとに危なかったです。
ふと我に返ったら周りを魔蟲達に囲まれてるし……本気で死を覚悟しましたよ?
……え? それってその儀式が原因なんですか? うわぁ……迷惑極まりないですね。どこの誰がやってたんですか? そんなハタ迷惑な儀式。
え? そ……それ本当ですか!? あ……アイツらぁぁぁぁぁ!!
いや、もう怒りましたよ私!! 被害者全員を代表して……それはもう全身ズタズタにして惨たらしくブチ殺してやりますよ、ええ!! ハイ……楽しみに待ってて下さい!!」
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