120 / 180
勇者編
勇者達、突入する
しおりを挟む120-①
リヴァル達は、地竜塞に向けて進軍する水竜塞の兵士達をやり過ごすと、水竜塞に向けて進軍した。門のすぐ近くまで接近したものの、高く分厚い鉄の門は固く閉ざされ侵入を阻んでいる。
リヴァル達に気付いた城壁の上の兵が、リヴァル達を射殺そうと矢をつがえた。それを見たリヴァルが叫ぶ。
「キサン!!」
「はいはーい!!」
キサンが右手に握った鉄扇をバサリと開いた。
「風術……《トルネードシールド》!!」
キサンが開いた鉄扇を右から左へ大きく振るうと、自分達のいる場所を中心に大きな竜巻が発生した。
トルネードシールド……正式名称、風術・《旋風障壁》……自分の周囲に旋風を起こして、飛来する敵の矢の軌道を逸らし、弾き飛ばすための術であるが、キサンの起こしたそれは、旋風どころかもはや竜巻であった。
ちなみに、術の名は、キサンが『なんかカッコイイから!!』という理由で、古の時代に異世界から移動してきた民族が使っていたとされる《いんぐりっしゅ》という言語を用いて名付けたものである。
竜巻の中心部ではリヴァルが城門を破壊する為に、精神を集中し、武光と共に編み出した新たな術を放つ準備をしていた。
呼吸を整えながら、以前に、武光とボゥ・インレで再会した時に交わしていた会話を思い出す。
~~~
「ヴァっさんって、光の力を操れんのやろ-? ええなぁぁぁぁぁ!! 俺もヴァっさんみたいに光術使えたら絶対にやりたい技があんねんけどなぁぁぁぁぁ!!」
「絶対にやりたい技……ですか?」
「うん、俺の国やったら男子の九割は出そうとした事あるんちゃうかなー?」
「それ程までに……さぞ凄い技なんでしょうね」
「ふふん、まぁな……そや!! ヴァっさん、一回試しにやってみぃひん?」
「分かりました、やってみましょう」
「ええか、まずは右手にマイナスエネルギー、左手にプラスエネルギーを蓄えんねん」
「ぷ……プラス? マイナス? よく分かりませんが、こんな感じですかね?」
リヴァルは左右の腕に力を込めた。
「そしたら、今度はやや猫背気味になりつつ、両手を胸の前で十字に組んで、プラスエネルギーとマイナスエネルギーを『ヘァッ!!』って感じで、スパークさせる!!」
「猫背気味に……両手を十字に組んで……こ、こうかな…………ヘァッ!!」
“カッッッ!!”
「「でっ……出たぁぁぁぁぁーーーーーっ!?」」
~~~
「はぁぁぁぁぁっ……光術っ……」
……それは、日本の男子ならば、一度は通る技。
……それは、誰もが知っている、怪獣退治の専門家の必殺技。
……そして、リヴァルが放つのは、その技を元に武光と二人でアレンジし編み出した、新たなる光術!!
「……キラレウム光線ッッッ!!」
十字に組まれた両手から放たれた光線は、竜巻をぶち抜き、鋼鉄製の分厚い城門に風穴を開け、極太の閂をへし折った。
「ヴァンプ!!」
「……応ッ!!」
キサンがトルネードシールドを解除すると同時にヴァンプは城門に突撃し、両手を “ドン” と門についた。
「……ぬぅおあああああああああっっっ!!」
城壁の上の竜人達は驚愕した。 人間の数倍の膂力を持つ竜人族が十人がかりで開閉している城門が、たった一人の人間の力によって “ゴゴゴ……” と轟音を響かせ開いてゆく。
奴を討ち取れ!! 誰かが叫ぶと同時に、城壁の上の竜人達が門をこじ開けようとするヴァンプを排除すべく、高さ6~7mはあろうかという城壁から次々と飛び降りる。
城壁から飛び降りた竜人達は空中でその姿を変貌させてゆく。身体中の筋肉が倍近くに膨れ上がり、全身が強固な鱗に覆われ、爪や牙は鋭さを増し、戦う為の姿へと変貌した……《竜身化》である。
「人間が……ぶっ殺す!!」
「させるか!!」
十人以上の竜人達が着地と同時にヴァンプに襲いかかろうとしたが、竜人達の前にリヴァルが立ち塞がった。竜人達は雄叫びを上げてリヴァルに襲いかかったが、一人残らずリヴァルの剣、《屍山血河の上の方の部分》改め、《獅子王鋼牙》によって斬り捨てられた。
「……よし、突入だ!!」
リヴァル戦士団は水竜塞内部に突入した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。
お持ち帰り召喚士磯貝〜なんでも持ち運び出来る【転移】スキルで異世界つまみ食い生活〜
双葉 鳴
ファンタジー
ひょんなことから男子高校生、磯貝章(いそがいあきら)は授業中、クラス毎異世界クラセリアへと飛ばされた。
勇者としての役割、与えられた力。
クラスメイトに協力的なお姫様。
しかし能力を開示する魔道具が発動しなかったことを皮切りに、お姫様も想像だにしない出来事が起こった。
突如鳴り出すメール音。SNSのメロディ。
そして学校前を包囲する警察官からの呼びかけにクラスが騒然とする。
なんと、いつの間にか元の世界に帰ってきてしまっていたのだ!
──王城ごと。
王様達は警察官に武力行為を示すべく魔法の詠唱を行うが、それらが発動することはなく、現行犯逮捕された!
そのあとクラスメイトも事情聴取を受け、翌日から普通の学校生活が再開する。
何故元の世界に帰ってきてしまったのか?
そして何故か使えない魔法。
どうも日本では魔法そのものが扱えない様で、異世界の貴族達は魔法を取り上げられた平民として最低限の暮らしを強いられた。
それを他所に内心あわてている生徒が一人。
それこそが磯貝章だった。
「やっべー、もしかしてこれ、俺のせい?」
目の前に浮かび上がったステータスボードには異世界の場所と、再転移するまでのクールタイムが浮かび上がっていた。
幸い、章はクラスの中ではあまり目立たない男子生徒という立ち位置。
もしあのまま帰って来なかったらどうなっていただろうというクラスメイトの話題には参加させず、この能力をどうするべきか悩んでいた。
そして一部のクラスメイトの独断によって明かされたスキル達。
当然章の能力も開示され、家族ごとマスコミからバッシングを受けていた。
日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。
「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」
──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。
序章まで一挙公開。
翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。
序章 異世界転移【9/2〜】
一章 異世界クラセリア【9/3〜】
二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】
三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】
四章 新生活は異世界で【9/10〜】
五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】
六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】
七章 探索! 並行世界【9/19〜】
95部で第一部完とさせて貰ってます。
※9/24日まで毎日投稿されます。
※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。
おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。
勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。
ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる