143 / 180
殴り込み編
妖姫達、バトルロイヤる(後編)
しおりを挟む143-①
……妃の間は、むせ返るような血の匂いが充満していた。
妖姫達の『話し合い』によって、弱き者は強き者に蹂躙され、次々とその命を散らしてゆく。
そんな中、ヨミは俯せに倒れ伏している悪魔族の姫、シギャクの頭をぐりぐりと踏みつけていた。
シギャクはヨミとの戦いで全身に傷を負い、瀕死の重傷を負っている。
「アハハハハ……大口叩いてた割りには、悪魔族の姫も大した事ないねー?」
「くそっ……あ……悪魔を……なめるなぁぁぁ!」
シギャクは力を振り絞ってヨミの足を振り払って何とか立ち上がったものの、その瞬間に腹部をヨミの蠍の尾に貫かれた。
「悪魔をなめるなですって……? うっさいバーカ!! さっさと死ね!!」
「かは……っ!! はぁっ……はぁっ……い、良い事を教えてあげる……!!」
シギャクは口の端から血をダラダラと流しながらニヤリと笑った。
「悪魔ってのはね……」
「こ……コイツ!?」
シギャクはヨミの尻尾をガッチリと握った。
「……タダでは死なないのよ!!」
シギャクの体が炎に包まれた。
「ちょっ……熱っっっあああああ!? は、離しなさい!!」
「ウフフフフ……アンタも……道連れよ……共に焼け死ねぇぇぇぇぇ!!」
「くっ……このっ!! 離せえええええ!!」
ヨミは吸命剣・妖月を取り出すと、逆手に持って、シギャクの首筋に突き立てた。
命を吸う魔剣によって、シギャクは残り少ない生命を吸い尽くされ息絶えた。
しかし、息絶えてなお、シギャクはヨミの尻尾を掴んで離さない。盛大に焔を上げて燃え続けるシギャクの屍を、ヨミは妖月で滅多刺しにし、何度も何度も斬りつけたが、それでもその手を離さない。
「こうなったら……ぐっ……あああああああああああああああ!!」
とうとうヨミは自分で尻尾を斬り落とさざるを得なくなった……恐るべき悪魔の執念であった。
「ふぅ……残りは……? 鬼と……機人と……あの狐か!!」
143-②
「さてと……誰が残っておる……?」
邪猫族の姫にトドメを刺したケイセイは周囲を見回した。『話し合い』が始まっておよそ一時間、妃の間はそこら中に敗れた妖姫達の屍が転がり、辺り一面血の海だった。
「む……あれは……」
ケイセイの視線の先では、ヨミとヤシャが死闘を繰り広げていた。二人の足元には、バラバラにされた機人族の姫の手足が転がっている。
ヤシャの背後を取ったヨミが、自身の両腕をヤシャの両腋の下から回してヤシャの頭の後ろでガッチリと組む……いわゆる《フルネルソン》に捕らえ、更にヤシャの両脚に自らの両脚をフックさせてしがみついた。
ヤシャは背中にしがみつくヨミを振り払おうと、激しく腕を振り回し暴れたが、ヨミは暴れるヤシャの力をいなし、獲物に巻き付く蛇のようにピタリと密着して離れない。
「くっ……離れなさい……っ!!」
「はぁっ……はぁっ……やだー♪ 離してあげなーい♪」
「くっ……ああああああああっ!?」
「ふふふ、いくら強固な妖気の鎧を纏っていても、関節技は効くでしょう? ほらほらほらぁ!!」
「うあああああああああっ!?」
カブトムシや蟻は自重の何十倍もの物体を持ち上げる……そして魔蟲達の力をその身に宿したヨミもまた、ヤシャほどではないにしろ、ヤシャの四肢を関節技で破壊するには十分な剛力を持っていた。
まるで乾いた木がへし折れるような “ぼきり!!” という嫌な音を立てて、四肢をへし折られたヤシャが俯せに床に倒れ込む。
「よっ……と」
ヨミは四肢をへし折られて動けないヤシャを足で仰向けに転がして馬乗りになると、胸に吸命剣・妖月を突き立てようとしたが、四肢をへし折られてなおも妖気の鎧を纏い続けているヤシャの肉体はそれを弾き返した。
「おーおー、足掻くねぇー」
「お前なんかに……殺されてたまるか……!!」
「あー、はいはい無駄な抵抗、無駄な抵抗」
ヨミは自分の手の甲から魔犬族の双子姫を屠った猛毒を吸い出し、口に含むと、ヤシャの口を無理やり開いた。
「あ……ぐ……」
ヤシャの目が恐怖と絶望に染まる。何とか逃れようと、いやいやと首を左右に振るヤシャを見て、ヨミは毒を口に含んだままニヤリと笑った。
ヨミは、ヤシャと鼻先が触れ合いそうになる距離まで顔を近づけると、ゆっくりと口を開けた。
つぅ……と、糸を引きながら、ヤシャの口内に猛毒を含んだ唾液が流し込まれた。
「むぐっ……!?」
今度は無理矢理口を閉じられ、猛毒を飲み込まされたヤシャの身体がビクンビクンと痙攣を始める……毒が身体に回っているのだ。
ヨミは再び妖月を振り上げた。意識が飛びかけ、妖気鎧を維持出来なくなっていたヤシャの胸に、今度は妖月が深々と突き刺さった。
ヤシャが死に、あれほどいた妖姫達の中で立っているのは、ヨミとケイセイの二人だけとなっていた。
「へぇー、アンタが最後かぁ……」
「フン、そなたで最後か……」
「「ブッ殺す!!」」
143-③
死闘に次ぐ死闘で、二人共ボロボロだった。両者共に全身傷だらけの血塗れで、衣服もボロボロ、ヨミなどは、両手首の蟷螂の鎌はへし折られ、蜂の毒針は撃ち尽くし、蠍の尻尾は自ら斬り落していた。
二人共、立っているのが不思議なくらいの重傷である。
両者は覚束ない足取りで歩み寄ると、至近距離で睨みあった。
「はぁっ……はあっ……私をブッ殺す? そんなボロボロの体で? 笑わせないで……うっ!?」
「はぁっ……はぁっ……ボロボロだと……その言葉……そっくり返してくれる……くっ!?」
両者は一歩前に踏み出した瞬間に崩れ落ち、四つん這いの体勢となった。
「く……くたばれ……《九尾飛槍陣》!!」
先端に妖気を纏い、鋭い槍と化したケイセイの九つの尻尾がヨミを刺し貫こうと迫る。
「さ……させるか!!」
それに対してヨミも背中に蜘蛛の脚を生やし、迎撃する。
まるで獰猛な野獣同士の戦いだった……二人共、四つん這いのまま、互いが互いを刺し貫こうと、両者の頭上で狐の尻尾と蜘蛛の脚が激しく打ち合う。
一本……また一本と、尻尾が千切れ、蜘蛛の脚が吹き飛ぶ。両者の力は全くの互角だったが、ケイセイの尻尾が『九』本なのに対し、ヨミの蜘蛛の脚は『八』本だった。
死闘の果てに、ヨミの背中の蜘蛛の脚は全て千切れ飛んだが、ケイセイの尻尾はまだ一本残っていた。
ケイセイはゆらりと立ち上がると、四つん這いのまま動けないヨミを見下ろした。
「く……うぅ……」
「わ……私の勝ちだ……このケイセイこそが最も強く……美しく……魔王の妻に相応し──」
“ドスッ!!”
「ぐ……ふっ!?」
ケイセイは仰向けに倒れた。ヨミが四つん這いの体勢から物凄い勢いで突っ込んできたのだ。ケイセイが視線を落とすと、胸には深々とヨミの妖月が突き立っている。
「ば、馬鹿な……」
ケイセイはゆらりと立ち上がったヨミの両足に視線を移した。ヨミの足先が……いつの間にか飛蝗のものへと変化している。
「はぁ……はぁ……切り札は最後までとっておくものってね……」
「お……おのれ……おのれ……おのれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ…………ぐ……はっ!!」
ケイセイは いきたえた。
屍と化したケイセイを見つめながら、ヨミはニヤリと笑った。
「はぁ……はぁ……か、勝った……!!」
「さぁ……それはどうかな?」
ヨミは何者かに背中を蹴飛ばされてよろめいた。
「ぐうっ!? あ、アンタは……死霊魔術師の……!!」
「そうでーす!! ミリョウちゃんでーす!!」
ヨミの背中を蹴飛ばしたのは、『話し合い』への参加を早々に辞退し、部屋の隅で小さくなっていた死霊魔術師の姫、ミリョウだった。
「ヨミちゃんお疲れ!! いやー、なかなか楽しい見世物だったよぉ? ヨミちゃんのおかげで私の僕がこーんなに増えたしね?」
ミリョウの後ろで、先程死んだはずのケイセイが立ち上がった……いや、ケイセイだけではない。ヤシャが、ドッカが、フブキが……死んでいった妖姫達の屍が次々と立ち上がる。
「どう? 驚いた?」
「く、くっそ……う……うあああああっ!!」
ミリョウの死霊魔術によって屍傀儡となり果てた妖姫達に完全包囲されたヨミは、突然がくりと崩れ落ち、凄まじい叫びを上げた。
四つん這いで蹲って叫び続けるヨミを見て、ミリョウは高らかに笑う。
「アハハハハ!! そんなに叫んじゃって……悔しい? 悔しいよね? さぁ私の可愛い人形達……アイツを殺っちゃえ!!」
ミリョウの命令で傀儡達が一斉に飛びかかった。ミリョウは確信していた。ヨミの死を、自分の勝利を…………だが!!
“どさっ” “どさっ” “どさっ” “どさっ” “どさっ” “どさっ” “どさっ” “どさっ” “どさっ”
ヨミに襲いかかった傀儡達が一斉に崩れ落ちた。崩れ落ちた傀儡たちの胴体には、もれなく大きな風穴が開いている。
「な……何が起きて……!? あ……あれはっ!?」
ヨミの尻から尻尾が生えていた。蠍の尻尾ではない、艶やかで美しい純白の毛に覆われた尻尾が……九本である。
「そんな馬鹿な……どうして妖禽族のアンタに妖狐族の尻尾が!?」
俯いていたヨミがゆっくりと顔を上げた。その眼には妖しい光が宿っている。
「私の吸命剣・妖月は斬った相手の生命の力を吸って……持ち主に力を与えてくれる……!! 死ぬほど苦痛を伴うけどね」
そう、ヨミが先程上げていた叫びは屈辱によるものではない。妖月が、吸い取った生命の力を使い手に流し込む際の激痛によるものだったのだ。
「くっ……かかれ!!」
カーマとセーヌの二体の傀儡が再びヨミに襲いかかる。
……ヨミの額に、磨き抜かれた真珠のような美しい二本の角が生えた。
ヨミは飛びかかってきた二体の傀儡の顔面を鷲掴みにして捕まえると、そのまま高々と持ち上げて、熟れたトマトでも握り潰すかのように、易々と二体の頭部を粉々に握り潰した。
「懲りないわねぇ……弱体種族は引っ込んでなさいって言ったでしょうが!!」
「あ、あれはオーガの角……!? くっ……行けっ、行けーっ!!」
ミリョウは狂ったように傀儡達に突撃命令を出したが、オーガの剛力を宿したヨミの前に、傀儡達は次々と粉砕され肉塊と化してゆく。そして、あっという間に傀儡達は全滅し、残るはミリョウただ一人となった。
「今度こそ本当に終わりね」
「こ……来ないで!!」
「そう言えば、あの悪魔族のコが言ってたっけ……」
ヨミの背中から蝙蝠のような悪魔の翼が生えた。
ヨミがゆっくりとミリョウに右の掌を向ける。
「ひ……ひぃっ!? た、助け──」
「やだ♪」
放たれた火炎弾が、ミリョウを焔に包み込み、ミリョウの身体を焼き尽くした。
「……『悪魔はタダでは死なない』って本当ね。こんなに素敵な力を私に与えて死んでいったんだもの♪ アハハハハハ!!」
ひとしきり笑った後、ヨミは “ふぅ” と息を吐いた。
「さてと……それじゃ、愛しの魔王様の為に、武刃団とやらをとっ捕まえに行くとしますか!!」
全ての敵を蹴散らしたヨミは、意気揚々と妃の間を出た。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。
自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。
いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して!
この世界は無い物ばかり。
現代知識を使い生産チートを目指します。
※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス
於田縫紀
ファンタジー
雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。
場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる