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モヤっとジャパン
しおりを挟むイヌかな?
私は絶句した。
先日、高校に通うバスの中、作った弁当を置き忘れてしまったのだ。
そのことに気付き、バス会社に連絡すると「届いていますよ」という事だった。
放課後にバスの営業所に行くと弁当箱も巾着袋も一緒に届けられていた。
違うところがあるとすれば、重みが全く無い。
つまりは中身が無いのだ。
バス会社の人が気を利かせてくれたのだろうか?
恐る恐る弁当箱を開けると
きれいさっぱり中身が消え失せていた。
代わりに小洒落た手紙が一通巾着袋に入っていたのである。
え、なにこれ。
私はその手紙、”異物”をつまむと恐々開いてみる。
全然知らない男性の名前が書かれた手紙には次のような事が書かれていた。
「(前略)お腹が空いていたので勝手に食べてしまった。お礼をしたいので連絡をください。080-XXXX-XXXX」
ドン引きだ。
拾って届けてくれた、ならお礼のひとつだってしたくなる。
1000歩譲って、中身を勝手に捨てたなら腐って異臭がしたのかな、とも思わなくない。
だけど拾って、お腹が空いていたという理由で勝手に食べたのである。
イヌかな?
いいや、人間だ。
しかも子どもじゃなくて大人の男だ。
うわ、きっも!
少なくとも落ちているものを勝手に食べる人間は見たことが無い。
これは、占有離脱物横領(遺失物横領)とかいう犯罪なのでは?!
とりあえず弁当箱はキレイに、丹念に、やりすぎるくらいに洗いまくった。
ハイターがなみなみと満たされた桶に弁当箱を沈めると改めて手紙を見る。
絶対ヤバいヤツだ。
そうに違いない。
でも逆に興味が沸く。
どんなイカれたヤツだろう。
怪しみながらも興味本位で電話を掛けてみた。
週末、駅近くの喫茶店に現れた拾い食い男は、スーツをビシッと着こなすサラリーマンだった。
なぜ日曜日にスーツなのか。
勝手に拾い食いするような男だ。
HENJINなのだろう。
彼は勝手に食べたことを詫び、そして入っていた卵焼きが亡くなった自身の母の味と同じだと言っていた。
ああ、そういう手か。
私は意気投合したように見せかけて彼の事を聞き出す。
無邪気に自分の境遇を語る男がイヌだったらどんなに良かっただろうと思う。
人間の男では無く、捨てイヌだったらもれなくお持ち帰りして飼っていたかもしれない。
だが、相手は残念ながらいい歳のおっさんである。
しかも連絡先を交換したいという。
うん、ヤバいですね。
私は引きつった笑顔を浮かべながらテーブルの下でスマホを操作する。
少し間をおいて、それらがやって来た。
「もしもし警察です。通報があったのですがお話をお伺いできますか?」
サラリーマンの男は二人の警官にサンドウィッチにされるようにして連れていかれた。
そうだ、明日はサンドウィッチを作って持って行こう。
たまにはお弁当がパンでもいいかもしれない。
ネタ元 https://twitter.com/gogo5648/status/1486134956372131840?s=21
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