続編  夕焼けの展望台に罪はない

仏白目

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そんな事になっていたんですね

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「君はさっきアレックスと一緒にいた・・」

「・・・」

 この人はさっきアレックスが女癖が悪いと言っていた人・・

 紹介されていない方なので、なんと返事をしていいのか・・・

「ああ、突然失礼 私はアレックスの友人のジェイク.サイラスだ ・・まって 君とはどこかで会った事がある・・?」

 サイラス?
サイラス子爵家は両親が生きていた頃親しくしていたけど、子供の頃の事で叔父様としか面識は無かったはず・・・

「えっと、私は薬師のミランダです」

「ミランダ・・・君 トワレ子爵家の?
ミランダ.トワレじゃないか?」

「いいえ、ただのミランダです」

「ああ、そうじゃなくて、トワレ家の出身だよね?」

「まぁ・・それがなにか?」
 なんだと言うのだろう?

「君は・・トワレ子爵には会っていないのかい?」

「ええ 貴族の方とは縁は有りませんので」

「そうか、じゃあ君がいなくなった後の事は全く知らないんだね」

「?」

「僕は君の婚約者になるはずだったんだよ?君の父上に私の父から話しを持っていった矢先に、君の両親がお亡くなりになって、実現はしなかったけどね」

「初めて聞きました、そんな事があったんですか」

「この話しは現在のトワレ子爵、君の叔父さんは知っていることだけど 
 何を考えたかミランダではなく自身の娘との縁談を持ってきたんだよ、現トワレ子爵の妻は平民で、その間に出来た子供達も平民なんだよ 君の叔父さんは分かって無かったんだな 自身が子爵になれたのは引き継ぎでしかないという事に、貴族の女性と一緒になっていれば話しは違っていたのだろうが、
 その妻と子供達も父が爵位を継げば自分達も貴族になれたつもりでいたらしくてね、
 そこに、本来の血筋の君が家を追い出されたときけば貴族の中で上手くやっていけるわけがない 君の父上の手腕で栄えていたトワレ家も今じゃ見る影も無いよ」
 

「そんな事が・・・」


「それと、教えてあげる アレックスは高位貴族だ、平民の君とじゃ釣り合いは取れないよ 私なら力になってあげれるよ?」

「言っている意味が分からないわ?なんの力になるのかしら?」

「アレックスには深入りするなって、ことさ 私ならまだ子爵家の次男だ、継ぐ爵位もないから身軽なもんさ いくらでもお相手するよ?」

「まあ、子爵令息様 こんな平民の女を相手にしてはいけませんわ 
 色々と教えて頂きありがとうございます、これで失礼しますわ」
 
 お辞儀をして,足早に人混みの中へ姿を紛れ込ませるようにしてその場を離れる

「ミランダまって!」とサイラス子爵令息の声が聞こえたが、ふりかえらなかった


 ミランダは薬師の仕事を誇りに思っているし、貴族の暮らしに未練はないが、トワレ家の現在を聞いて少なからず ショックを受けていた


 アレックスに素敵な踊りで感激したと、伝えたかったが、もうあの場にもどる気は起きなかった

 そして、彼が高位貴族と聞いたら、そうそう気軽には会える人では無いのだろうと思った

 チクリと胸を刺すものがあるが、気のせいねと流した

 お祭りの日のスペシャルな出来事だったと思い出にしよう





 次の日からは、目まぐるしく働く日々に突入した ラボにほぼ缶詰の状態で、宿泊先も引き払い3人ともラボの裏に立つ寮に滞在している

 技術ありきの大量生産を手伝う日々、新薬の開発に必要な薬を日々作り続けている



 あっという間に ひと月が過ぎた
 そろそろメンタル的に病んでしまいそうだと思う頃 助っ人の仕事もひと段落した

「はあ~キツかった、ソロソロ離脱しようかと思ってたんだー」

 セリーナがもらした弱音にミランダも頷く

「私もよ 少し薬作りからはなれたいわ」

「そうですね、予定の二月分の手当はでるそうですし、その空いた日数は休暇にしていいそうですよ、僕はとりあえず王都に戻りますが 2人はどうします?」

「「もちろん、帰るわ!」」



ヘロヘロになった3人は次の日、王都へと向かう馬車に乗り込んだ
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