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夕陽と王子様と
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ナナルの研究所も順調に動き出した、建物が完成するのはあっという間の事だった、数ヶ月はかかると思っていたものが、数時間で完成してしまった、どのような研究所にするのか、案をだして話し合っている時間の方が長くかかった、魔法って凄いよね?なんだかそれを使えるモノとの差を感じると、羨ましくなる
研究所の建築が完成した頃、アレックスが綺麗なものを見に行こうと、私を誘ってくれた
「連日の忙しさで、疲れたろう?少し気分転換をしようじゃないか、おいで」
そう言って手を差し出したアレックスの手に私の手を重ねると、力強く握りしめて体を引き寄せ抱きしめられた
「さあ、行くよ?」
「どこへ?」
そう尋ねた時に少しの浮遊感があり ふと周りを見回すと、そこは自然豊かな山の中の渓谷を見下ろす場所だった
見下ろす渓谷の先には見渡す限りの赤茶色の土や岩肌がつづいている
そろそろ日も傾きはじめ空は薄らと桃色を含み始めている
「アレックスの魔法ね!凄いわ!
それに何て綺麗な所なの、随分と高い所ね?何処なのかしら?」
視界に広がる広大な自然の景色に圧倒されてしまう
「ここはアスラ国の王都から北にだいぶ離れた所にある山の上だよ、王族の所有地でね、子供の頃からこの位の時間に合わせて来ていたんだ」
「夕方に?」
「ああ、この場所の夕陽もとても綺麗で私の一番お気に入りの景色なんだよ、君には特別に教えてあげる」
そう言ってアレックスはウインクをする
「ええ、さぞかし綺麗なんでしょうね 」
「ああ、とても綺麗なんだ 」
太陽が傾き始めていて 空は少し桃色を帯びている
「見ていてごらん、夕陽の当たる岩肌を」
そう言われ周りをみると 切り立った岩肌は地層が幾重にも重なり茶色い横縞が続いている そこに夕陽があたりだすと桃色や紫や赤に色づいた岩肌になって行く
初めて見る景色に圧倒されて眺めていると
アレックスが夕陽に向かい、手を胸の前であわせ祈りの形をとり ゆっくりとそしてしなやかに踊る それは豊穣祭でみた舞のような、もっとゆっくりとした踊りだった
自然との調和 夕陽に照らされたアレックスも色とりどりに姿を変えた岩肌もとてもきらきらして、美しかった
ミランダは感動して瞳を潤ませていると、
アレックスに手をとられて、向かい合いながら揺れるようにステップを踏む
アレックスが鼻歌を歌いながらミランダをリードするものだから、笑いながら2人で踊り 夕陽に照らされたそこは、とても幻想的で愛に溢れた世界だった
それから2人は正式に婚約をした、アスラ王国の王族と繋がりの出来たトワレ家は、メメント王国の貴族達から注目される様になる
今日はアレックスと共に叔父様に会いに来ている
「今まで、声などかけてこなかった家門の貴族夫人がミランダに茶会の誘いをこぞって送ってくる、今更ご機嫌を取る立場でもないから、全て丁重に断ったがな・・」
トワレ子爵の現当主は叔父様だ 今まで馬鹿にしていた者たちが、掌を返して媚びてくる姿に辟易としたとため息を吐いた
「ただ、私も馬鹿じゃない これまでに学んだ事もあるからね、そんな人達にも邪険な態度は取っていないから安心しなさい。
私は邪険にされていたがね?」
「叔父様・・・」
「それで、王家から舞踏会の招待がきている、これは出席した方がいいのか・・ 」
「舞踏会ですか?」
「アレクシス殿下と共に招待されているが、
まあ、どうしても嫌なら殿下の方から断って頂ければ 」
この歳になって初めての社交界が王城の舞踏会なんて、ミランダは不安で仕方がない
貴族籍にもどり、アレックスと結婚となれば貴族同士の付き合いは、当たり前の世界になるのだろう
「・・・・」
「ならば、アスラ王国宛に招待状が届いているでしょうからそちら経由で話しが来たらどうするか決めましょう 」
「私・・舞踏会初めてなのよ?どうしましょう・・」
「うん、これから機会も増えるだろうし私と練習しようか?」
「ええ、ありがとうアレックス」
「ああ、喜んで」
叔父様の家を後にして馬車に乗り、私の家に向かいながら 少し疑問に思っていた事を聞いてみる
「こないだの様に瞬間移動はやっぱり大変な事なの?」
「ん?魔法を使う上でって事?」
「ええ、私は使えないからよく分からないけど、 例えば疲れるとか?」
「んー、よっぽど多くの魔力を使う時はそんな状態になるけど、魔力を消費する量は瞬間移動とこの馬車を自動で動かしている場合は、馬車の方が距離次第では魔力を使うかな?私にしたら大した事ではないけどね」
「そうは言っても、移動の度では大変じゃないのかな?って思ったのよ、御者を雇って馬車を所持してもいいのよ?」
「要らないよ、2人きりの時間を楽しんでいるのに、他人に邪魔をされたくないし 急ぎならパッと移動しちゃうし・・疲労感なら君と過ごす恋人の時間のほうが、心地良い疲労感があるよ?あれは寧ろ歓迎だよ」
ニヤリとした笑顔で、私を揶揄う
「⁉︎ ・・・もう 知らない!」
後日、アスラ国王より舞踏会の連絡が来た
「もう、断ったらしいよ」
「あら」
「外交担当のローリー兄上が結婚してからの参加にした方が何かといいからと言っていたよ
まあ、アスラ国内の王族を練習相手にすれば良いよ、茶会やパーティーに一緒に出てみよう、まずは友好的に出来る人達から知り合いになっていけばいい 友人達に紹介するよ」
「ええ、楽しみだわ」
そう呑気に過ごしていたら、アスラ王国からのお断りがメメントの宰相様は気に入らなかったらしく、トワレ子爵を王城に呼び出し 次の日になっても叔父様は帰って来なかった。
研究所の建築が完成した頃、アレックスが綺麗なものを見に行こうと、私を誘ってくれた
「連日の忙しさで、疲れたろう?少し気分転換をしようじゃないか、おいで」
そう言って手を差し出したアレックスの手に私の手を重ねると、力強く握りしめて体を引き寄せ抱きしめられた
「さあ、行くよ?」
「どこへ?」
そう尋ねた時に少しの浮遊感があり ふと周りを見回すと、そこは自然豊かな山の中の渓谷を見下ろす場所だった
見下ろす渓谷の先には見渡す限りの赤茶色の土や岩肌がつづいている
そろそろ日も傾きはじめ空は薄らと桃色を含み始めている
「アレックスの魔法ね!凄いわ!
それに何て綺麗な所なの、随分と高い所ね?何処なのかしら?」
視界に広がる広大な自然の景色に圧倒されてしまう
「ここはアスラ国の王都から北にだいぶ離れた所にある山の上だよ、王族の所有地でね、子供の頃からこの位の時間に合わせて来ていたんだ」
「夕方に?」
「ああ、この場所の夕陽もとても綺麗で私の一番お気に入りの景色なんだよ、君には特別に教えてあげる」
そう言ってアレックスはウインクをする
「ええ、さぞかし綺麗なんでしょうね 」
「ああ、とても綺麗なんだ 」
太陽が傾き始めていて 空は少し桃色を帯びている
「見ていてごらん、夕陽の当たる岩肌を」
そう言われ周りをみると 切り立った岩肌は地層が幾重にも重なり茶色い横縞が続いている そこに夕陽があたりだすと桃色や紫や赤に色づいた岩肌になって行く
初めて見る景色に圧倒されて眺めていると
アレックスが夕陽に向かい、手を胸の前であわせ祈りの形をとり ゆっくりとそしてしなやかに踊る それは豊穣祭でみた舞のような、もっとゆっくりとした踊りだった
自然との調和 夕陽に照らされたアレックスも色とりどりに姿を変えた岩肌もとてもきらきらして、美しかった
ミランダは感動して瞳を潤ませていると、
アレックスに手をとられて、向かい合いながら揺れるようにステップを踏む
アレックスが鼻歌を歌いながらミランダをリードするものだから、笑いながら2人で踊り 夕陽に照らされたそこは、とても幻想的で愛に溢れた世界だった
それから2人は正式に婚約をした、アスラ王国の王族と繋がりの出来たトワレ家は、メメント王国の貴族達から注目される様になる
今日はアレックスと共に叔父様に会いに来ている
「今まで、声などかけてこなかった家門の貴族夫人がミランダに茶会の誘いをこぞって送ってくる、今更ご機嫌を取る立場でもないから、全て丁重に断ったがな・・」
トワレ子爵の現当主は叔父様だ 今まで馬鹿にしていた者たちが、掌を返して媚びてくる姿に辟易としたとため息を吐いた
「ただ、私も馬鹿じゃない これまでに学んだ事もあるからね、そんな人達にも邪険な態度は取っていないから安心しなさい。
私は邪険にされていたがね?」
「叔父様・・・」
「それで、王家から舞踏会の招待がきている、これは出席した方がいいのか・・ 」
「舞踏会ですか?」
「アレクシス殿下と共に招待されているが、
まあ、どうしても嫌なら殿下の方から断って頂ければ 」
この歳になって初めての社交界が王城の舞踏会なんて、ミランダは不安で仕方がない
貴族籍にもどり、アレックスと結婚となれば貴族同士の付き合いは、当たり前の世界になるのだろう
「・・・・」
「ならば、アスラ王国宛に招待状が届いているでしょうからそちら経由で話しが来たらどうするか決めましょう 」
「私・・舞踏会初めてなのよ?どうしましょう・・」
「うん、これから機会も増えるだろうし私と練習しようか?」
「ええ、ありがとうアレックス」
「ああ、喜んで」
叔父様の家を後にして馬車に乗り、私の家に向かいながら 少し疑問に思っていた事を聞いてみる
「こないだの様に瞬間移動はやっぱり大変な事なの?」
「ん?魔法を使う上でって事?」
「ええ、私は使えないからよく分からないけど、 例えば疲れるとか?」
「んー、よっぽど多くの魔力を使う時はそんな状態になるけど、魔力を消費する量は瞬間移動とこの馬車を自動で動かしている場合は、馬車の方が距離次第では魔力を使うかな?私にしたら大した事ではないけどね」
「そうは言っても、移動の度では大変じゃないのかな?って思ったのよ、御者を雇って馬車を所持してもいいのよ?」
「要らないよ、2人きりの時間を楽しんでいるのに、他人に邪魔をされたくないし 急ぎならパッと移動しちゃうし・・疲労感なら君と過ごす恋人の時間のほうが、心地良い疲労感があるよ?あれは寧ろ歓迎だよ」
ニヤリとした笑顔で、私を揶揄う
「⁉︎ ・・・もう 知らない!」
後日、アスラ国王より舞踏会の連絡が来た
「もう、断ったらしいよ」
「あら」
「外交担当のローリー兄上が結婚してからの参加にした方が何かといいからと言っていたよ
まあ、アスラ国内の王族を練習相手にすれば良いよ、茶会やパーティーに一緒に出てみよう、まずは友好的に出来る人達から知り合いになっていけばいい 友人達に紹介するよ」
「ええ、楽しみだわ」
そう呑気に過ごしていたら、アスラ王国からのお断りがメメントの宰相様は気に入らなかったらしく、トワレ子爵を王城に呼び出し 次の日になっても叔父様は帰って来なかった。
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