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ユーキと管理人の出会い
餌
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店の扉にかけている呼び鈴が勢いよくなった。
タイミングを見計らったように、天使のおっちゃんこと、自称カエサルがハルを連れて入ってきた。
なんだか荷物が多い。
側からみると家出少女と荷物を持ってあげてるおじさん…のようで危険な香りが。
「…なんだか、失礼な感想を持たれた気がするが…」
少し引きつった表情を見せた誠一郎に、変顔で誤魔化す。
そしてややあとカエサルは管理人が立ち上がれないように肩を抑えつけた。
「珍しい客がいるなぁ、イストワール?」
今度は珍しく、管理人の方が引きつった表情になった。会いたくない相手だったのだろうか。
「いやぁ…御機嫌よう…カエサル?…カマエルの間違いじゃあないかな?まあ僕も今はイストワールの名前は使っていなくてね…君も同じ理由かなぁ?」
「「カマエル!!!??」」
今度は誠一郎とハルが同時に驚く事になった。
カマエル、といえば有名な天使の名前である。7大天使の一人…。
「天使のおっちゃん、えらい人だったんすねー…普通のおっちゃん感ハンパないっすけど」
ハルまで「天使のおっちゃん」呼びである。
ああ、めんどくさい事になった。と、言うように片手で頭を掻き毟ると天使はすこし思案して…開き直った。
「俺の事はどうでもよくてだなぁ、お前こそレアキャラじゃあないか?なぁイストワール?逃げるな」
話の方向がカマエルに向かったところでスッと逃げる算段をしていたようだ。
管理人が再び肩を抑えられ着席させられた。
「あらら、惜しい」
「イストワールと今は名乗ってないだあ?じゃあ今はなんだって言うんだ?お前さんの情報はいつも役に立っているんだ。また協力してくれないとなぁ」
「その時は…また訪ねてくれるといいさ☆」
「お前さんはいつもわけわからんところにいるだろう!どうやって探せばいいんだよ」
「ちょっとー、なあに俺抜きで面白そうなことになってんのー?」
いつもの調子のユーキが扉の端にもたれかかってふくれっ面をしているのだった。
・・・・。
集まるべくして集まった(?)みんなに、誠一郎は焼きたてのアップルパイを振る舞う。
「んー!美味しい!!!毎日食べたくなるなあ…!ほっぺが落っこちそうだよ」
「…本当に美味しいっす!誠一郎さん…その、おかわりとか…」
「構いませんよ。ハルさん、飲み物のおかわりはいかがですか?」
「い…いただきます…っす。」
「僕にもおかわりちょーだい!誠一郎!」
「ちょっとー、なあにくつろいじゃってんのーほーんーーだーいーはー?」
「誠一郎、俺にもコーヒー」
「おい、おっちゃん」
すっかりアップルパイとコーヒーの虜になってしまった客人たちは、なかなか本題に入らない。贄を切らしたユーキはさらにふくれっ面になって肘をついてしまった。
うん、話が進まない…。
しょうがない…と、誠一郎は自然に話を切り出した。
「で、昨日のお話ですが…「餌になってもらう」とはいったいどういう事なんですか?」
お、そうだそうだ…と、カマエルはようやく本題を思い出したようで、水をゴクリと一口飲んだ。
「そうだよおっちゃん。俺が餌になるってどういう事な訳?」
「文字通りさ。待っていたってどうせ変わらない。ならさっさとお引き出してしまおうってわけだ」
「…具体的には?」
…いつになく鋭い目つきになった管理人が、ユーキとカマエルの間の席にグラスを持って入ってきた。
その珍しく真面目な様子にユーキも一瞬目を丸くしたが、とりあえず話を続けるように促す。
「ユーキ、お前さんには探偵ごっこをしてもらう」
「「はあ?」」
管理人とユーキが素っ頓狂な声をあげる。
カマエルがいう、「作戦」
このお店で裏稼業(?)として、人の「悩み」相談を受け付ける。
もちろん、ユーキが聞き役だ。
場合によってはユーキの能力でその人の悩みを解決しても構わない。
ただし、能力の使用の際はカマエルと、彼の補佐役であるラファエル女史のどちらかが立ち会う事。
狙いは、その悩みごとの中に「奴ら」が仕組んだ者や事象を見極めること。
「最近ここいらでは原因不明の事件が多発している。どうも人間達だけで起きたものとは思えない。ユーキ、奴らはお前さんの事ももちろん探しているだろうが…それだけじゃない。自分達に有力な者がいたら、それらを片っ端から手に入れようとするだろう」
「私も狙われていたところをおっちゃんの補佐役、ラファエルさんに助けてもらったのがきっかけっす。私の能力は魔を払うもので、きっとユーキさんのお力になれると思いますっす」
「ユーキの能力が、ユーキ自身にも影響がある事。君は知ってるのかい?…ユーキに負担があるようなら…」
「イスト…?俺は特に何も…」
「おや、無自覚?」
ふむ…と少し驚いたように、カマエルは管理人とユーキを見て答えた。
「…だからこそ、能力使用に際は俺かラファエルが見てる時だけ…という制限を今後かけさせてもらおう。ユーキ、私用の時もだぞ?」
「え!なんで!?」
「負担が大きいんだよ君の能力は。そろそろ何かしらの策を講じないと…って思って探してきたんだ…僕は」
「かのイストワールが味方にいるのは心強い。まあそういう事だ。今後はユーキを天使協会の完全監視下に置かせてもらう。もちろん護衛は今までどうり、誠一郎と新たにハルをつけて、随時俺かラファエルが待機、という状態だ」
「…まぁ、ハルちゃんを除けばある意味今までどうりな気もするが」
「まあ、そういえば、そうだな!というわけで、今後ハルをこちらに住まわしたいんだが…どうかな?誠一郎」
「いや、部屋の問題は無いのですが…彼女はまだ、ユーキさんと同じくらいの年では?親御さんは…?」
「両親は亡くなっていて、姉が学生寮にいるので私は現状一人暮らしっす」
「むしろ、三人一緒の方が安全だとは思わないか?お姉さんの方には了承を得ている」
管理人はコクリとグラスのアイスココアを飲み干して、頬杖をつく。
ユーキは腕組みをしてそんな管理人を眺め…、一同はしばし沈黙した。
沈黙を破ったのは、扉の開く音だった。
「こ、こんにちはー。あのますたー?」
小学生だろうか、女の子がおそるおそる声をかけてきた。
「おや、あいりちゃん、いらっしゃっい。…ごめんなさいね、今日はお休みなんだけど」
「あ、そうなんだ、ごめんなさいますたー。いい匂いがしてたから…おかあさんからアップルパイ買ってきてって言われてきたの…」
「そうだったんだねー、よしお詫びにご馳走してあげよう。新しいものがもうすぐ焼きあがるからそれまでちょっと待っててもらえるかい?」
「うん、わかったー!アップルパイ丸いの一個欲しいんだー」
「かしこまりました、待ってる間…ココアでも飲む?」
「わーい!ありがとうますたー!」
「か、かわいいお客さんっすね…」
ハルが癒されたような表情であいりを眺めている。
おお、そうだ。と突然カマエルがあいりに声をかけた。
「こんにちはー、おつかいかな?偉いね~」
「おっちゃん、犯罪者くさい」
「酷くないか、それ」
「あ、ユーキお兄ちゃんこんにちはー!今日はお友達いっぱいなの?」
「そうだねー、おっちゃん以外はお友達かなー見た目的にー」
「さっきから俺への当たりがひどい気がするなあ」
「こんにちはー、ところであいりちゃんは最近困った事とかない?」
「イスト!?」
おお、わかってるじゃないか、とカマエルはコーヒーを啜る。
少し慌てたユーキに管理人は耳打ちした。
ものは試しだ…、天使の策に乗ってやろう、と。
「こまったこと?」
「そうそう、なにかあれば、ユーキお兄ちゃんが解決してくれるんだってー☆」
「結局丸投げかよ!!」
「うーん、そうだなぁ…あのね、さいきん。へんなおまじないがはやってるんだけどね」
あいりが言うには。
あいりのクラスでおまじないが流行っている。
なんでもなりたい自分になれるそうだ。
しかし、そのかわり…おまじないをやった人間は願いを叶えた途端に元気がなくなっていったという。酷い場合、ずっと体調不良で寝込んでいるという。
なりたい自分…というのも、
かけっこで一番になる。
成績をあげたい。
とか、そういうものから…いろいろあるらしい。
「せんせいにそうだんしようかまよっていたんだ…ともだちがおやすみばっかりになっちゃってて…さみしいし…しんぱいだし…」
・・・。
「あやしいな、今の話」
「一発目から当たり引いちゃった感じ?」
「…で、どう解決すんの?これ…」
「天使側でも探りを入れてみよう。奴らはよく子どもの隙に入り込むからな…あいりちゃんのおやすみしているお友達に会って…ユーキ、お前さんの能力を使ってみよう」
「いいけど…」
「誠一郎、こんどあいりちゃんとまたコンタクトをとってもらえるかい?」
「まあ、あいりちゃんのご家族は常連さんですし、なんとかできるかとは思いますが…」
小学生の間で流行っている、なんともあやしいおまじないの真相。
それが「奴ら」につながるか…。
喫茶「月猫」を後にしたカマエルは管理人に誘われて、夜の公園にやってきた。
「…正直、心配してるけど…、天使の加護があるなら…ってところかなぁ」
「ユーキを気にかけているようだが…先代とも顔見知りだったのですか」
「…付き合いは、ユーキの先先代からさ、その頃は知ってる?」
「いや、天使側はユーキの代で初めて知ったもので。ここ数百年で人間達の能力者は何故か増えている、奴らに悪用される例が増えてきた。天使協会は先手を打って能力者の保護、対策を講じているところです」
ふーん、と管理人はブランコに座り足を組む。
「…まあ、能力者自体はもともとそれなりにいるんだけど、最近は奴らが執拗に探してまわっているのが原因かなぁ。人間達は他と違うとわかると徹底的に隠したりしてたからね…そういう風習が薄れてきたのもあるかな…良くも悪くも。」
ユーキ達がいる時より丁寧な対応で…天使カマエルは管理人に問う。
「…ご協力、いただけるかな?イストワール殿」
「管理人…って呼んで欲しいな…もう、なんならイストでもいいや。」
「では、」
「僕に武力的な協力はできないよ?戦う能力はそんなに持ち合わせていないんだ。…知恵なら存分に。
…僕も聴きたいことがあるんだけど」
「なんなりと」
「最近ユーキに近づいているっていう奴ら…って中に、悪魔レヴィアタンはいるかい?」
続く→
タイミングを見計らったように、天使のおっちゃんこと、自称カエサルがハルを連れて入ってきた。
なんだか荷物が多い。
側からみると家出少女と荷物を持ってあげてるおじさん…のようで危険な香りが。
「…なんだか、失礼な感想を持たれた気がするが…」
少し引きつった表情を見せた誠一郎に、変顔で誤魔化す。
そしてややあとカエサルは管理人が立ち上がれないように肩を抑えつけた。
「珍しい客がいるなぁ、イストワール?」
今度は珍しく、管理人の方が引きつった表情になった。会いたくない相手だったのだろうか。
「いやぁ…御機嫌よう…カエサル?…カマエルの間違いじゃあないかな?まあ僕も今はイストワールの名前は使っていなくてね…君も同じ理由かなぁ?」
「「カマエル!!!??」」
今度は誠一郎とハルが同時に驚く事になった。
カマエル、といえば有名な天使の名前である。7大天使の一人…。
「天使のおっちゃん、えらい人だったんすねー…普通のおっちゃん感ハンパないっすけど」
ハルまで「天使のおっちゃん」呼びである。
ああ、めんどくさい事になった。と、言うように片手で頭を掻き毟ると天使はすこし思案して…開き直った。
「俺の事はどうでもよくてだなぁ、お前こそレアキャラじゃあないか?なぁイストワール?逃げるな」
話の方向がカマエルに向かったところでスッと逃げる算段をしていたようだ。
管理人が再び肩を抑えられ着席させられた。
「あらら、惜しい」
「イストワールと今は名乗ってないだあ?じゃあ今はなんだって言うんだ?お前さんの情報はいつも役に立っているんだ。また協力してくれないとなぁ」
「その時は…また訪ねてくれるといいさ☆」
「お前さんはいつもわけわからんところにいるだろう!どうやって探せばいいんだよ」
「ちょっとー、なあに俺抜きで面白そうなことになってんのー?」
いつもの調子のユーキが扉の端にもたれかかってふくれっ面をしているのだった。
・・・・。
集まるべくして集まった(?)みんなに、誠一郎は焼きたてのアップルパイを振る舞う。
「んー!美味しい!!!毎日食べたくなるなあ…!ほっぺが落っこちそうだよ」
「…本当に美味しいっす!誠一郎さん…その、おかわりとか…」
「構いませんよ。ハルさん、飲み物のおかわりはいかがですか?」
「い…いただきます…っす。」
「僕にもおかわりちょーだい!誠一郎!」
「ちょっとー、なあにくつろいじゃってんのーほーんーーだーいーはー?」
「誠一郎、俺にもコーヒー」
「おい、おっちゃん」
すっかりアップルパイとコーヒーの虜になってしまった客人たちは、なかなか本題に入らない。贄を切らしたユーキはさらにふくれっ面になって肘をついてしまった。
うん、話が進まない…。
しょうがない…と、誠一郎は自然に話を切り出した。
「で、昨日のお話ですが…「餌になってもらう」とはいったいどういう事なんですか?」
お、そうだそうだ…と、カマエルはようやく本題を思い出したようで、水をゴクリと一口飲んだ。
「そうだよおっちゃん。俺が餌になるってどういう事な訳?」
「文字通りさ。待っていたってどうせ変わらない。ならさっさとお引き出してしまおうってわけだ」
「…具体的には?」
…いつになく鋭い目つきになった管理人が、ユーキとカマエルの間の席にグラスを持って入ってきた。
その珍しく真面目な様子にユーキも一瞬目を丸くしたが、とりあえず話を続けるように促す。
「ユーキ、お前さんには探偵ごっこをしてもらう」
「「はあ?」」
管理人とユーキが素っ頓狂な声をあげる。
カマエルがいう、「作戦」
このお店で裏稼業(?)として、人の「悩み」相談を受け付ける。
もちろん、ユーキが聞き役だ。
場合によってはユーキの能力でその人の悩みを解決しても構わない。
ただし、能力の使用の際はカマエルと、彼の補佐役であるラファエル女史のどちらかが立ち会う事。
狙いは、その悩みごとの中に「奴ら」が仕組んだ者や事象を見極めること。
「最近ここいらでは原因不明の事件が多発している。どうも人間達だけで起きたものとは思えない。ユーキ、奴らはお前さんの事ももちろん探しているだろうが…それだけじゃない。自分達に有力な者がいたら、それらを片っ端から手に入れようとするだろう」
「私も狙われていたところをおっちゃんの補佐役、ラファエルさんに助けてもらったのがきっかけっす。私の能力は魔を払うもので、きっとユーキさんのお力になれると思いますっす」
「ユーキの能力が、ユーキ自身にも影響がある事。君は知ってるのかい?…ユーキに負担があるようなら…」
「イスト…?俺は特に何も…」
「おや、無自覚?」
ふむ…と少し驚いたように、カマエルは管理人とユーキを見て答えた。
「…だからこそ、能力使用に際は俺かラファエルが見てる時だけ…という制限を今後かけさせてもらおう。ユーキ、私用の時もだぞ?」
「え!なんで!?」
「負担が大きいんだよ君の能力は。そろそろ何かしらの策を講じないと…って思って探してきたんだ…僕は」
「かのイストワールが味方にいるのは心強い。まあそういう事だ。今後はユーキを天使協会の完全監視下に置かせてもらう。もちろん護衛は今までどうり、誠一郎と新たにハルをつけて、随時俺かラファエルが待機、という状態だ」
「…まぁ、ハルちゃんを除けばある意味今までどうりな気もするが」
「まあ、そういえば、そうだな!というわけで、今後ハルをこちらに住まわしたいんだが…どうかな?誠一郎」
「いや、部屋の問題は無いのですが…彼女はまだ、ユーキさんと同じくらいの年では?親御さんは…?」
「両親は亡くなっていて、姉が学生寮にいるので私は現状一人暮らしっす」
「むしろ、三人一緒の方が安全だとは思わないか?お姉さんの方には了承を得ている」
管理人はコクリとグラスのアイスココアを飲み干して、頬杖をつく。
ユーキは腕組みをしてそんな管理人を眺め…、一同はしばし沈黙した。
沈黙を破ったのは、扉の開く音だった。
「こ、こんにちはー。あのますたー?」
小学生だろうか、女の子がおそるおそる声をかけてきた。
「おや、あいりちゃん、いらっしゃっい。…ごめんなさいね、今日はお休みなんだけど」
「あ、そうなんだ、ごめんなさいますたー。いい匂いがしてたから…おかあさんからアップルパイ買ってきてって言われてきたの…」
「そうだったんだねー、よしお詫びにご馳走してあげよう。新しいものがもうすぐ焼きあがるからそれまでちょっと待っててもらえるかい?」
「うん、わかったー!アップルパイ丸いの一個欲しいんだー」
「かしこまりました、待ってる間…ココアでも飲む?」
「わーい!ありがとうますたー!」
「か、かわいいお客さんっすね…」
ハルが癒されたような表情であいりを眺めている。
おお、そうだ。と突然カマエルがあいりに声をかけた。
「こんにちはー、おつかいかな?偉いね~」
「おっちゃん、犯罪者くさい」
「酷くないか、それ」
「あ、ユーキお兄ちゃんこんにちはー!今日はお友達いっぱいなの?」
「そうだねー、おっちゃん以外はお友達かなー見た目的にー」
「さっきから俺への当たりがひどい気がするなあ」
「こんにちはー、ところであいりちゃんは最近困った事とかない?」
「イスト!?」
おお、わかってるじゃないか、とカマエルはコーヒーを啜る。
少し慌てたユーキに管理人は耳打ちした。
ものは試しだ…、天使の策に乗ってやろう、と。
「こまったこと?」
「そうそう、なにかあれば、ユーキお兄ちゃんが解決してくれるんだってー☆」
「結局丸投げかよ!!」
「うーん、そうだなぁ…あのね、さいきん。へんなおまじないがはやってるんだけどね」
あいりが言うには。
あいりのクラスでおまじないが流行っている。
なんでもなりたい自分になれるそうだ。
しかし、そのかわり…おまじないをやった人間は願いを叶えた途端に元気がなくなっていったという。酷い場合、ずっと体調不良で寝込んでいるという。
なりたい自分…というのも、
かけっこで一番になる。
成績をあげたい。
とか、そういうものから…いろいろあるらしい。
「せんせいにそうだんしようかまよっていたんだ…ともだちがおやすみばっかりになっちゃってて…さみしいし…しんぱいだし…」
・・・。
「あやしいな、今の話」
「一発目から当たり引いちゃった感じ?」
「…で、どう解決すんの?これ…」
「天使側でも探りを入れてみよう。奴らはよく子どもの隙に入り込むからな…あいりちゃんのおやすみしているお友達に会って…ユーキ、お前さんの能力を使ってみよう」
「いいけど…」
「誠一郎、こんどあいりちゃんとまたコンタクトをとってもらえるかい?」
「まあ、あいりちゃんのご家族は常連さんですし、なんとかできるかとは思いますが…」
小学生の間で流行っている、なんともあやしいおまじないの真相。
それが「奴ら」につながるか…。
喫茶「月猫」を後にしたカマエルは管理人に誘われて、夜の公園にやってきた。
「…正直、心配してるけど…、天使の加護があるなら…ってところかなぁ」
「ユーキを気にかけているようだが…先代とも顔見知りだったのですか」
「…付き合いは、ユーキの先先代からさ、その頃は知ってる?」
「いや、天使側はユーキの代で初めて知ったもので。ここ数百年で人間達の能力者は何故か増えている、奴らに悪用される例が増えてきた。天使協会は先手を打って能力者の保護、対策を講じているところです」
ふーん、と管理人はブランコに座り足を組む。
「…まあ、能力者自体はもともとそれなりにいるんだけど、最近は奴らが執拗に探してまわっているのが原因かなぁ。人間達は他と違うとわかると徹底的に隠したりしてたからね…そういう風習が薄れてきたのもあるかな…良くも悪くも。」
ユーキ達がいる時より丁寧な対応で…天使カマエルは管理人に問う。
「…ご協力、いただけるかな?イストワール殿」
「管理人…って呼んで欲しいな…もう、なんならイストでもいいや。」
「では、」
「僕に武力的な協力はできないよ?戦う能力はそんなに持ち合わせていないんだ。…知恵なら存分に。
…僕も聴きたいことがあるんだけど」
「なんなりと」
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