30 / 30
終章
終章
しおりを挟む
一年後。
十数名の新人職員を前にリリーは大声を張り上げていた。
どうにも触媒として配属される職員は生意気で良くないと自分のことは棚に上げて眉を顰める。
「ちょっと! 聞いてるの? 真面目に研修を受けないと命にかかわるんだからね!」
ホワイトボードを指示棒で叩きながら、ざわめく教室内を治めようとリリーは必死だ。
「いい? 被疑者が激昂して攻撃に転じたり、逃げだしたりしても慌てないこと。パートナーとの連携は特に重要よ! ひとりでは絶対に行動せず、捜査は必ず二人一組!」
それを教室の後ろの扉から覗きながら、椚は笑いをこらえる。
それを見上げて隣りにいたルウが椚の横っ腹を肘でつついた。
「ごほっ。すまん」
「リリー、真面目」
「知ってる。だからこそ安心して任せている」
実際、リリーはいい先輩だった。
面倒見もよく、視野が広い。
それに必要があらば周囲を納得させる勢いがあった。
烏合の衆である特殊班での取りまとめ役としては必要な気質だ。
「はーい。リリー先輩。イッコ聞いていいですかあ?」
語尾を伸ばして、やる気はなさそうだが、プライドは高そうな大学でたての新人職員が頬杖をつきながら質問をする。
「なによ」
リリーは不機嫌を隠さず、腕を組んでいやいや答えた。
「ほらあ、伝説のお、あの事件で活躍したひといたでしょ。俺、あのひとと会うの楽しみにしてたんすけど……」
「あ。あたしも生の話聞きたい! たったふたりで乗りこんで事件を解決したんでしょ。しかもワ・ケ・ア・リ!」
それまで研修内容に興味も示さず退屈そうだった面々が一気に興味を寄せ、口々に話し始める。
教室内はまるで統率の取れない猿山のようだ。
リリーのなにかがブツリと切れた。
「うるさーい!!」
叫ぶと同時にそのツインテールに巻きついていた茨が教室内を縦横無尽に駆け巡る。
教室内は破壊の嵐に見舞われた。
床は割れ、窓ガラスは散り、壁に罅が入る。
生意気そうだった新人職員たちだったが、それが幻覚だとわかっていても、あるものは椅子から転げ落ち、あるものは机の下に隠れ、あるものは怯えるあまり念仏を唱えだした。
静かになった教室でリリーが咳払いをする。
「いいですか。このように被疑者は追い詰められるとなにをするかわかりません。くれぐれも油断して、相手の力量を見誤らないこと! わかりましたね!」
は、はーいと従順な返事がする。
教室の外で椚が深く頷いた。
「なるほど……。ルウが見学はここからするべきだと言った理由がわかったよ」
「ね」
大きな飴玉で左頬を膨らませながらルウが得意満面だ。
最近、ルウの細かな表情の変化が椚にもわかるようになってきていた。
「先輩、ひとつ質問してもいいですか」
挙手をしながら恐る恐る質問を投げかけるのは、眼鏡をかけた真面目そうな青年だ。
怯えたようすが哀れに思えてリリーはため息混じりに仕方なくそれを了承する。
「どうぞ」
「えっと、先程のお話では必ずふたり一組で捜査は行わなければいけないんですよね。だけど、その……大守先輩だけはパートナーがいないって聞いたんですけど……」
「それは……」
ため息をつきながらリリーは答えた。
「十和はひとりであってひとりではないからよ」
一年前に鹿妻の起こしたあの事件は、先般の大規模な『夢幻』の取締に対する反社会組織の報復だと公式発表されていた。
それにより、特殊班であった鹿妻悠一朗、間宵慧が犠牲となって帰らぬ人となり、その場にいた反社会組織のメンバーと反社会組織に連れ去られた六反田茜は暴発を起こし、ミセリコルディアを全世界に撒き散らしたのち命を落とした、というのが警察庁や厚生労働省の描いた筋書きだ。
カメラで一部始終を映していたものの、茜のアイテールである蝿の大群がすぐに画面上に殺到したため、ことの成り行きをそこから知ることができるものがいなかったことも高官の筋書きに沿う結果となっていた。
だが、それは偽りだとまことしやかに囁かれている。
世界に広まった十和のアイテールが嘘を許さなかったためだ。
それに加え、十和自身罰せられることを望んでいるふしもあった。
だが結局、陰謀論など的はずれな説も囁かれるなか、真実は有耶無耶になり、半年の謹慎処分は下されたものの、それ以上のお咎めはないまま今日に至っている。
淡い霧は消えず、世界をいまも覆っていた。
それによりこの世界で嘘は通用しなくなっていた。
相手の本音も自分自身の本音もが透けて見えてしまうのだ。
そのことに絶望し外出を控える人間も少なくなかった。
素っ裸で公衆の面前を歩いているようだと表現するものさえいた。
「でも、リリーはこの世界好きよ」
自販機の設置された休憩室に椚とリリーとルウはいた。
むかし鹿妻がいた居室はいまは別の鑑定官数人の部屋となっており、整理整頓され以前のように気安く入り浸ることもなくなっていた。
「どんなところが?」
湯気の立つコーヒーの表面を見つめて、椚が聞く。
紙コップから伝わる熱さに相変わらず猫舌の彼は飲むのを躊躇っていた。
その隣でミネラルウォーターを喉を鳴らして飲んでいたリリーが答える。
「だって、厚化粧の香水臭いおばさんが、いかにも善良な市民ですって顔で上品な言葉の裏に嘲りを隠すより、あんたのことが嫌いで足を引っ張ってやりたいって本音ではっきり言ってもらえたほうが戦いやすいじゃない」
椚はその答えに苦笑する。
非常にリリーらしい。
「それにね、そのほうがリリーは人間っぽくって好きなの。いろいろ問題はあるんでしょうけど、似非常識人が溢れてておかしくなってたこの国の本音を吐きださせるには、ちょうどよかったんじゃないかしら」
「一理あるかもな」
「実際、そういうクレーマー的な人間は自分の本音が周りにも透けちゃうものだから、正当性をアピールできなくって、だれも非難できなくなっちゃったみたいだし」
世界は混乱した。
暴動が起き、トップが総入れ替えとなった国もあったらしい。
日本はそこまでではなかったが、甘い汁を啜っていた政治家は辞職を余儀なくされ、詐欺まがいのことをしていた会社は廃業した。
好き合っているように見えた恋人同士も友人関係も一瞬で壊れ、憎しみ合うものもいた。
だが、悪いことばかりが起こっているわけではない。
犯罪は未然に防げることが多くなり、言葉が不自由なひとたちとのコミュニケーションが可能になった。
嘘や悪事が伝わるかわりに、優しさや愛情もダイレクトに伝わるため、駄目になる関係ももちろんあるが、相手の本意がわかり誤解が解け、より一層の信頼関係を築くこともできた。
そして、世界は自然とそれに適応をし始めていた。
特に年端のいかない子どもたちは、疑問も持たずに心と心だけで会話をするらしく、新世代と呼ばれ始めていた。
「ひとの脳は常態化するとは説明されていたが、ここまでとは思わなかったよ」
椚が呟くと、リリーは意味ありげな視線を送ってよこした。
「最近は局長も奥さまと随分仲がよろしいようで」
動揺した椚は持っていた紙コップを思わず握りしめそうになる。
うふふとリリーはいやらしく微笑む。
「局長がむっつりだったなんて知らなかったわ。そんなに奥様を愛されていたなんて」
羞恥で首筋まで赤くしながら、椚は耐える。
この世界で言い訳は通用しないのだ。
と、助け舟のように呼び出しがかかった。
リリーとルウの時計型の通信機が光る。
ルウは慌てて紙コップのホットココアを飲み干す。
「あら、呼び出しね。そういえば今日、十和は」
「ああ。別の現場だよ」
屋上に十和はいた。
横には金色の鋏を手にする慧と、まだ子犬のシベリアンハスキーがいる。
世界は霧で霞んでいた。
ときどきそのなかで瑠璃色の蝶を目撃するものがいるらしい。
ピリピリと光って腕時計型の通信機から突入命令がくだされる。
「さて、一稼ぎしてこようか」
十和がジャンプすると、その後を彼のアイテールがつづいた。
十数名の新人職員を前にリリーは大声を張り上げていた。
どうにも触媒として配属される職員は生意気で良くないと自分のことは棚に上げて眉を顰める。
「ちょっと! 聞いてるの? 真面目に研修を受けないと命にかかわるんだからね!」
ホワイトボードを指示棒で叩きながら、ざわめく教室内を治めようとリリーは必死だ。
「いい? 被疑者が激昂して攻撃に転じたり、逃げだしたりしても慌てないこと。パートナーとの連携は特に重要よ! ひとりでは絶対に行動せず、捜査は必ず二人一組!」
それを教室の後ろの扉から覗きながら、椚は笑いをこらえる。
それを見上げて隣りにいたルウが椚の横っ腹を肘でつついた。
「ごほっ。すまん」
「リリー、真面目」
「知ってる。だからこそ安心して任せている」
実際、リリーはいい先輩だった。
面倒見もよく、視野が広い。
それに必要があらば周囲を納得させる勢いがあった。
烏合の衆である特殊班での取りまとめ役としては必要な気質だ。
「はーい。リリー先輩。イッコ聞いていいですかあ?」
語尾を伸ばして、やる気はなさそうだが、プライドは高そうな大学でたての新人職員が頬杖をつきながら質問をする。
「なによ」
リリーは不機嫌を隠さず、腕を組んでいやいや答えた。
「ほらあ、伝説のお、あの事件で活躍したひといたでしょ。俺、あのひとと会うの楽しみにしてたんすけど……」
「あ。あたしも生の話聞きたい! たったふたりで乗りこんで事件を解決したんでしょ。しかもワ・ケ・ア・リ!」
それまで研修内容に興味も示さず退屈そうだった面々が一気に興味を寄せ、口々に話し始める。
教室内はまるで統率の取れない猿山のようだ。
リリーのなにかがブツリと切れた。
「うるさーい!!」
叫ぶと同時にそのツインテールに巻きついていた茨が教室内を縦横無尽に駆け巡る。
教室内は破壊の嵐に見舞われた。
床は割れ、窓ガラスは散り、壁に罅が入る。
生意気そうだった新人職員たちだったが、それが幻覚だとわかっていても、あるものは椅子から転げ落ち、あるものは机の下に隠れ、あるものは怯えるあまり念仏を唱えだした。
静かになった教室でリリーが咳払いをする。
「いいですか。このように被疑者は追い詰められるとなにをするかわかりません。くれぐれも油断して、相手の力量を見誤らないこと! わかりましたね!」
は、はーいと従順な返事がする。
教室の外で椚が深く頷いた。
「なるほど……。ルウが見学はここからするべきだと言った理由がわかったよ」
「ね」
大きな飴玉で左頬を膨らませながらルウが得意満面だ。
最近、ルウの細かな表情の変化が椚にもわかるようになってきていた。
「先輩、ひとつ質問してもいいですか」
挙手をしながら恐る恐る質問を投げかけるのは、眼鏡をかけた真面目そうな青年だ。
怯えたようすが哀れに思えてリリーはため息混じりに仕方なくそれを了承する。
「どうぞ」
「えっと、先程のお話では必ずふたり一組で捜査は行わなければいけないんですよね。だけど、その……大守先輩だけはパートナーがいないって聞いたんですけど……」
「それは……」
ため息をつきながらリリーは答えた。
「十和はひとりであってひとりではないからよ」
一年前に鹿妻の起こしたあの事件は、先般の大規模な『夢幻』の取締に対する反社会組織の報復だと公式発表されていた。
それにより、特殊班であった鹿妻悠一朗、間宵慧が犠牲となって帰らぬ人となり、その場にいた反社会組織のメンバーと反社会組織に連れ去られた六反田茜は暴発を起こし、ミセリコルディアを全世界に撒き散らしたのち命を落とした、というのが警察庁や厚生労働省の描いた筋書きだ。
カメラで一部始終を映していたものの、茜のアイテールである蝿の大群がすぐに画面上に殺到したため、ことの成り行きをそこから知ることができるものがいなかったことも高官の筋書きに沿う結果となっていた。
だが、それは偽りだとまことしやかに囁かれている。
世界に広まった十和のアイテールが嘘を許さなかったためだ。
それに加え、十和自身罰せられることを望んでいるふしもあった。
だが結局、陰謀論など的はずれな説も囁かれるなか、真実は有耶無耶になり、半年の謹慎処分は下されたものの、それ以上のお咎めはないまま今日に至っている。
淡い霧は消えず、世界をいまも覆っていた。
それによりこの世界で嘘は通用しなくなっていた。
相手の本音も自分自身の本音もが透けて見えてしまうのだ。
そのことに絶望し外出を控える人間も少なくなかった。
素っ裸で公衆の面前を歩いているようだと表現するものさえいた。
「でも、リリーはこの世界好きよ」
自販機の設置された休憩室に椚とリリーとルウはいた。
むかし鹿妻がいた居室はいまは別の鑑定官数人の部屋となっており、整理整頓され以前のように気安く入り浸ることもなくなっていた。
「どんなところが?」
湯気の立つコーヒーの表面を見つめて、椚が聞く。
紙コップから伝わる熱さに相変わらず猫舌の彼は飲むのを躊躇っていた。
その隣でミネラルウォーターを喉を鳴らして飲んでいたリリーが答える。
「だって、厚化粧の香水臭いおばさんが、いかにも善良な市民ですって顔で上品な言葉の裏に嘲りを隠すより、あんたのことが嫌いで足を引っ張ってやりたいって本音ではっきり言ってもらえたほうが戦いやすいじゃない」
椚はその答えに苦笑する。
非常にリリーらしい。
「それにね、そのほうがリリーは人間っぽくって好きなの。いろいろ問題はあるんでしょうけど、似非常識人が溢れてておかしくなってたこの国の本音を吐きださせるには、ちょうどよかったんじゃないかしら」
「一理あるかもな」
「実際、そういうクレーマー的な人間は自分の本音が周りにも透けちゃうものだから、正当性をアピールできなくって、だれも非難できなくなっちゃったみたいだし」
世界は混乱した。
暴動が起き、トップが総入れ替えとなった国もあったらしい。
日本はそこまでではなかったが、甘い汁を啜っていた政治家は辞職を余儀なくされ、詐欺まがいのことをしていた会社は廃業した。
好き合っているように見えた恋人同士も友人関係も一瞬で壊れ、憎しみ合うものもいた。
だが、悪いことばかりが起こっているわけではない。
犯罪は未然に防げることが多くなり、言葉が不自由なひとたちとのコミュニケーションが可能になった。
嘘や悪事が伝わるかわりに、優しさや愛情もダイレクトに伝わるため、駄目になる関係ももちろんあるが、相手の本意がわかり誤解が解け、より一層の信頼関係を築くこともできた。
そして、世界は自然とそれに適応をし始めていた。
特に年端のいかない子どもたちは、疑問も持たずに心と心だけで会話をするらしく、新世代と呼ばれ始めていた。
「ひとの脳は常態化するとは説明されていたが、ここまでとは思わなかったよ」
椚が呟くと、リリーは意味ありげな視線を送ってよこした。
「最近は局長も奥さまと随分仲がよろしいようで」
動揺した椚は持っていた紙コップを思わず握りしめそうになる。
うふふとリリーはいやらしく微笑む。
「局長がむっつりだったなんて知らなかったわ。そんなに奥様を愛されていたなんて」
羞恥で首筋まで赤くしながら、椚は耐える。
この世界で言い訳は通用しないのだ。
と、助け舟のように呼び出しがかかった。
リリーとルウの時計型の通信機が光る。
ルウは慌てて紙コップのホットココアを飲み干す。
「あら、呼び出しね。そういえば今日、十和は」
「ああ。別の現場だよ」
屋上に十和はいた。
横には金色の鋏を手にする慧と、まだ子犬のシベリアンハスキーがいる。
世界は霧で霞んでいた。
ときどきそのなかで瑠璃色の蝶を目撃するものがいるらしい。
ピリピリと光って腕時計型の通信機から突入命令がくだされる。
「さて、一稼ぎしてこようか」
十和がジャンプすると、その後を彼のアイテールがつづいた。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる