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序章・朝
朱里(シュリ)クニナガ
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────・・・・・・爽やかな朝日、真っ白なシーツ、なんて目覚めのいい朝!!
だったならば俺はこんな全力疾走をしていない
起きたのは朝の10時でシーツはグシャグシャになって足元に落下。目覚めは遅刻を自覚した瞬間に最悪のものとなった。
「ありえねぇ、ありえねぇよ!よりにもよってこの日に遅刻とか…っ…!!!」
〝人間〟の世界で例えるならヨーロッパ系の町並みを駆け抜けて行く
「クニナガおはよ…いや、こんにちわだね!」
「また遅刻かい?」
「ハハハッ、大変だな」
「ヨサばぁちゃんこんにちわ!ジロじぃちゃんまたって言うな!今年に入ってまだ6回目だ!キリおじさんは笑うな!!つーわけで皆行ってきます!!」
「「行ってらっしゃい!クニナガ!」」
近所のいつもの人たちと言葉を交わしてから再び走り出す。無視をした方がいいんだろうが何せ返事を返さないと俺の気が済まない。
「お前はお人好しなんだよ」
突然視界に映った桜色の短髪に強気そうに釣り上げられた金の三白眼にこんな状況だが笑みがこぼれる
「お前も人の事言えねぇだろ?〝カサネ〟」
「うるせぇ、ってか揃いも揃って今日遅刻とかついてねぇな」
「そうだな、何だって今日は──」
「「卒業試験最終日」」
試験開始は9時。改めて口に出してどれだけ自分…自分達がやばい状態か思い知らされる
「クニナガ」
「…なんだよ?」
「飛べ」
「……お前って、いざと言う時の決断力半端ねぇよな…」
「グダグタ言ってねぇで早く」
青い空に似つかわしくない重いため息を吐き出し、俺はゆっくりと姿を変える
五本の指は3本に、足は消えて代わりに長い胴体が現れ頬には髭が生える
『行くか』
最後にぴしりと地面を軽く尻尾で打ち、〝白龍〟の姿になった俺はカサネに声をかけた
「にゃあ」
軽やかにカサネが俺の背に乗ったの確認して浮き上がる
目指すは都市の中心にそびえ立つ久遠学園…
かっこよく言ったところで遅刻してんだけどな!!
だったならば俺はこんな全力疾走をしていない
起きたのは朝の10時でシーツはグシャグシャになって足元に落下。目覚めは遅刻を自覚した瞬間に最悪のものとなった。
「ありえねぇ、ありえねぇよ!よりにもよってこの日に遅刻とか…っ…!!!」
〝人間〟の世界で例えるならヨーロッパ系の町並みを駆け抜けて行く
「クニナガおはよ…いや、こんにちわだね!」
「また遅刻かい?」
「ハハハッ、大変だな」
「ヨサばぁちゃんこんにちわ!ジロじぃちゃんまたって言うな!今年に入ってまだ6回目だ!キリおじさんは笑うな!!つーわけで皆行ってきます!!」
「「行ってらっしゃい!クニナガ!」」
近所のいつもの人たちと言葉を交わしてから再び走り出す。無視をした方がいいんだろうが何せ返事を返さないと俺の気が済まない。
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突然視界に映った桜色の短髪に強気そうに釣り上げられた金の三白眼にこんな状況だが笑みがこぼれる
「お前も人の事言えねぇだろ?〝カサネ〟」
「うるせぇ、ってか揃いも揃って今日遅刻とかついてねぇな」
「そうだな、何だって今日は──」
「「卒業試験最終日」」
試験開始は9時。改めて口に出してどれだけ自分…自分達がやばい状態か思い知らされる
「クニナガ」
「…なんだよ?」
「飛べ」
「……お前って、いざと言う時の決断力半端ねぇよな…」
「グダグタ言ってねぇで早く」
青い空に似つかわしくない重いため息を吐き出し、俺はゆっくりと姿を変える
五本の指は3本に、足は消えて代わりに長い胴体が現れ頬には髭が生える
『行くか』
最後にぴしりと地面を軽く尻尾で打ち、〝白龍〟の姿になった俺はカサネに声をかけた
「にゃあ」
軽やかにカサネが俺の背に乗ったの確認して浮き上がる
目指すは都市の中心にそびえ立つ久遠学園…
かっこよく言ったところで遅刻してんだけどな!!
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