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なかまちなかまプロレスの女神たち
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最強ストーリーの第二章が開催されたのは、おてんば市の人口が二倍にふくれあがるお盆の真っただ中のことであった。場所は仲町商店街から歩いて十分ほど。おてんば駅西口公園(=Otenba West Gate Park、略してOWGP)の特設リングである。主催はおてんば市仲町商店街振興組合で、おてんばプロレスをプロデュースしている有限会社おてんば企画が共催に名を連ねていた。
部隊裏でイベントをコントロールしていたのは、もちろんジョニーさんであった。ジョニーさん自身、まだ遠慮がちで本領発揮には程遠かったが、歌子さんという片腕を得てからは、それなりに心強いと思ったのか、徐々に口出しをするようになっていた。特別に桟敷席を設けてはどうかとか、グッズ販売も解禁しようとか、イベントプロデューサーならではの工夫が随所に活かされた。
帰省客の集客も相まって、この日の観客は五百人余り。おてんばプロレスが本拠地としているニューおてんば温泉宴会場のキャパ(約三百人)を、はるかに上まわる観客が集まったことになる。お祭り気分で出店や屋台を認めたのは効果的であった。生ビールはもちろん、焼き鳥や焼きそばを食べながら、家族みんなでプロレスが楽しめる――。そんなふれ込みでポスターやSNS、コミュニティーFMのパブリシティーなどを活用することで、事前にPRしまくったのは、まさにてき面としかいいようがなかった。
この日のスペシャルマッチは、
〇おてんばプロレスヘビー級選手権
ストロングマヤ vs ジャッキー美央
〇なかまちなかまプロレスヘビー級選手権(新設)
X vs XX
の二試合が発表されている。
なかまちなかまプロレスヘビー級チャンピオンのベルトは、いわばジョニーさんのお墨つきのベルトであった。SNSの情報を見る限り、選手名までは明らかにされていなかったが、「おそらくはダンプヤスオだろう」とか「まさか翔君がプロレスデビュー」とか、さまざまな憶測がネット上に乱れ飛んだ。
えっ、でも待って。この小説の主人公は「あくまでもおてんばプロレスの選手だからね」なんて、著者も慌てふためく始末なのであった。
第一試合。今や闘う女店主として、世界中を揺るがせているストロングマヤに、スコールのような大歓声が注がれた。マヤ文明の赤を思わせるようなコスチューム。細身のくびれた腰には、さん然と輝くチャンピオンベルトが巻かれていた。
顔色ひとつ変えることなく、涼しげな表情を浮かべるマヤのセコンドには、歌子さんと翔君がついている。翔君いわく「マヤちゃん、僕たちがついているから大丈夫だよ」なんていっているが、興奮しているのは翔君ぐらいで、当のマヤはいたって落ち着いたものであった。
一方のジャッキー美央は、プロレスに対するピュアな想いを込めたものなのだろう、まっ白なコスチュームを身にまとっていた。ちょっとだけ透け感があり、とり巻きのオッさん連中からは「ヒュー、ヒュー」なんていう冷やかしの声があがっていた。
マットレスを重ねただけの四角いジャングルで対峙する両雄(いや、両雌)。タイトルマッチ宣言がなされると、いやが応でも会場は大盛りあがりとなった。
「カ~~~~ン」というゴングの音が鳴ると、例によって激しいにらみ合いが続いた。「マヤ」コールと「美央」コールがぶつかる中、いきなり美央が得意のヘッドバットをくり出した。頭突き爆弾の三連発に、マヤは一瞬だけ顔をゆがめたが、すぐさま涼しい表情をとり戻し、今度はマヤが不意討ちのトラースキックで美央をなぎ倒した。カモシカのように足の長いマヤのキック攻撃は威力が絶大であった。美央の立ちあがりを狙ったドロップキックに続いて、初挑戦のカンガルーキックをくり出すマヤ。
この日は、まさにチャンピオンの独擅場であった。切れ目のない試合運びで、垂直落下式のブレーンバスターからゴッチ式パイルドライバーへ。動きの止まった美央を高々と持ちあげると、最後は通天閣ジャーマンスープレックスホールドでフォールを奪った。つ、強い。あまりにも強すぎるというのが、観客らの印象であった。
「六分五十四秒、王者・ストロングマヤ選手の防衛です」というアナウンスが流れると、歌子さんが駆け寄ってきてマヤにハグをした。どさくさに紛れてなのか、翔君もマヤにハグをしようとしたら、マヤの張り手を食らってしまった。「マヤちゃん、誤解しないで。僕は単純に喜びをわかち合おうと思っただけなんだから」といい、半べそをかく翔君。
リング上で悔しさを露(あら)わにする敗者・美央の姿を見て、きっと触発されたのだろう。おてんばプロレスの次期エース候補である稲辺隆子がマイクをつかみ、「マヤさん、次は私に挑戦させてください。そのベルトは必ずとり戻します」といってのけたが、初防衛に成功したマヤは、まったくといっていいほど相手にせず、無言のまま引きあげていった。
第二試合は、新設されたなかまちなかまプロレスヘビー級選手権試合である。結論からいうと、Xはストロングマヤで、もうひとりのXXはデンジャラス歌子であった。
マヤはダブルヘッタ―。そして歌子にいたっては、女子プロレスラーを引退してから、じつに十年ぶりの復帰戦となった。女子プロレス界の超大物選手が再デビューするとあって、会場は騒然となった。現役時代の入場テーマ曲。コスチュームも当時と同じゴールドに彩られたガウンであった。
観客席からは「歌ちゃん、歌えー」という声がしきりに聞かれたが、これは歌子が人気絶頂だった頃、よく試合前に持ち歌の「恋のスープレックス」を歌っていたのをみんな覚えていたからなのであった。
「カ~~~~ン」というゴングの音に、会場全体が大熱狂に包まれた。炎天下の中にあっても、マヤのスタミナは相当なものだった。手四つの力比べから、ハイレベルなブリッジの応酬。キャメルクラッチやらアキレス腱固めやら、序盤戦は昭和のプロレスを彷彿とさせるようなグラウンドの攻防が続いた。
試合が動き出したのは、「五分経過」のアナウンスが流れてからであった。歌子が得意のヒップアタックを連発すると、「行くわよ」といい、へそで投げるバックドロップをぶちかまし、そのままフォールの体勢に入った。
カウントは「ワン、ツー、ス‥‥」。惜しくも二・五ではね返されたが、そこからの技の連係は、さすが元・プロレスラーであった。意表を突いた延髄斬りから、まるで芸術品のようなダブルアームスープレックスへ。最後は「これで決まりだ」とばかりに、卍固めを決めた歌子。
「ギブアップ? ギブアップ?」といいながら、マヤの顔をのぞき込むレフェリー-この日もニューおてんば温泉の社長が務めてくれていた-だったが、マヤは首を横に振るだけであった。やがてロープブレイク(注:本物のロープはないものの、マットレスの外側に出た時点でロープブレイクとみなされる)が宣告されると、歌子が再びマットレスの中央へマヤを引きずり込み、卍固めをかけ直そうとしたそのときのことであった。突然のようにマヤが息を吹き返し、カウンターでのドロップキックをぶちかますと、掟破りの逆卍固めに打って出た。別名オクトパスホールドとはよくいったもので、長身のボディーを活かしながら、まるでタコのように歌子の上半身に吸いつき、ぐいぐいと締めあげるマヤ。闘う女の汗が飛び散る中、「ウギャーッ」という歌子の悲鳴が響き渡った。もはや脱出不可能の返し技に、元・プロレスラーの歌子もギブアップを告げる以外になかった。
カンカンカンカン、カンカンカンカン。九分四十四秒、ストロングマヤの逆転勝利であった。
この瞬間、マヤの二冠が確定した。おてんばプロレスヘビー級チャンピオンと、なかまちなかまプロレスヘビー級チャンピオン。しかも二本目のベルトは、元・プロレスラーを撃破しての載冠となったのである。
「やったよ、やった」といい、翔君がリングにあがり、汗まみれのマヤにハグをしてきた。今度ばかりはマヤも拒むことなく、翔君の体をギュンと抱きしめた。
「おめでとう」と口にしながら、おてんばプロレスのエース・ジャッキー美央もリングインしてきた。とにもかくにも最後はノーサイド。闘いを終えた歌子さんが「ジョニーさん、ジョニーさん。リングにあがってきてくださいよ」とマイクで呼びかけたが、残念ながら影の首領(ドン)でもあるジョニー大友が姿を見せることはなかった。
「それじゃ、まぁいいか。おてんばプロレスと、なかまちなかまプロレス。このふたつの団体の繁栄を願って、いつものあれをやらせていただきますね」といいながら、歌子さんが会場のみんなに呼びかけた。
「いいですかー、皆さん。行くわよ。えい、えい、おてんば~っ!えい、えい、なかまち~っ!!」。
そんなおてんば市民の大合唱を耳にしながら、会場の片隅に設けられていた事務局のテントで、ジョニーさんはニヤリと笑うのであった。
部隊裏でイベントをコントロールしていたのは、もちろんジョニーさんであった。ジョニーさん自身、まだ遠慮がちで本領発揮には程遠かったが、歌子さんという片腕を得てからは、それなりに心強いと思ったのか、徐々に口出しをするようになっていた。特別に桟敷席を設けてはどうかとか、グッズ販売も解禁しようとか、イベントプロデューサーならではの工夫が随所に活かされた。
帰省客の集客も相まって、この日の観客は五百人余り。おてんばプロレスが本拠地としているニューおてんば温泉宴会場のキャパ(約三百人)を、はるかに上まわる観客が集まったことになる。お祭り気分で出店や屋台を認めたのは効果的であった。生ビールはもちろん、焼き鳥や焼きそばを食べながら、家族みんなでプロレスが楽しめる――。そんなふれ込みでポスターやSNS、コミュニティーFMのパブリシティーなどを活用することで、事前にPRしまくったのは、まさにてき面としかいいようがなかった。
この日のスペシャルマッチは、
〇おてんばプロレスヘビー級選手権
ストロングマヤ vs ジャッキー美央
〇なかまちなかまプロレスヘビー級選手権(新設)
X vs XX
の二試合が発表されている。
なかまちなかまプロレスヘビー級チャンピオンのベルトは、いわばジョニーさんのお墨つきのベルトであった。SNSの情報を見る限り、選手名までは明らかにされていなかったが、「おそらくはダンプヤスオだろう」とか「まさか翔君がプロレスデビュー」とか、さまざまな憶測がネット上に乱れ飛んだ。
えっ、でも待って。この小説の主人公は「あくまでもおてんばプロレスの選手だからね」なんて、著者も慌てふためく始末なのであった。
第一試合。今や闘う女店主として、世界中を揺るがせているストロングマヤに、スコールのような大歓声が注がれた。マヤ文明の赤を思わせるようなコスチューム。細身のくびれた腰には、さん然と輝くチャンピオンベルトが巻かれていた。
顔色ひとつ変えることなく、涼しげな表情を浮かべるマヤのセコンドには、歌子さんと翔君がついている。翔君いわく「マヤちゃん、僕たちがついているから大丈夫だよ」なんていっているが、興奮しているのは翔君ぐらいで、当のマヤはいたって落ち着いたものであった。
一方のジャッキー美央は、プロレスに対するピュアな想いを込めたものなのだろう、まっ白なコスチュームを身にまとっていた。ちょっとだけ透け感があり、とり巻きのオッさん連中からは「ヒュー、ヒュー」なんていう冷やかしの声があがっていた。
マットレスを重ねただけの四角いジャングルで対峙する両雄(いや、両雌)。タイトルマッチ宣言がなされると、いやが応でも会場は大盛りあがりとなった。
「カ~~~~ン」というゴングの音が鳴ると、例によって激しいにらみ合いが続いた。「マヤ」コールと「美央」コールがぶつかる中、いきなり美央が得意のヘッドバットをくり出した。頭突き爆弾の三連発に、マヤは一瞬だけ顔をゆがめたが、すぐさま涼しい表情をとり戻し、今度はマヤが不意討ちのトラースキックで美央をなぎ倒した。カモシカのように足の長いマヤのキック攻撃は威力が絶大であった。美央の立ちあがりを狙ったドロップキックに続いて、初挑戦のカンガルーキックをくり出すマヤ。
この日は、まさにチャンピオンの独擅場であった。切れ目のない試合運びで、垂直落下式のブレーンバスターからゴッチ式パイルドライバーへ。動きの止まった美央を高々と持ちあげると、最後は通天閣ジャーマンスープレックスホールドでフォールを奪った。つ、強い。あまりにも強すぎるというのが、観客らの印象であった。
「六分五十四秒、王者・ストロングマヤ選手の防衛です」というアナウンスが流れると、歌子さんが駆け寄ってきてマヤにハグをした。どさくさに紛れてなのか、翔君もマヤにハグをしようとしたら、マヤの張り手を食らってしまった。「マヤちゃん、誤解しないで。僕は単純に喜びをわかち合おうと思っただけなんだから」といい、半べそをかく翔君。
リング上で悔しさを露(あら)わにする敗者・美央の姿を見て、きっと触発されたのだろう。おてんばプロレスの次期エース候補である稲辺隆子がマイクをつかみ、「マヤさん、次は私に挑戦させてください。そのベルトは必ずとり戻します」といってのけたが、初防衛に成功したマヤは、まったくといっていいほど相手にせず、無言のまま引きあげていった。
第二試合は、新設されたなかまちなかまプロレスヘビー級選手権試合である。結論からいうと、Xはストロングマヤで、もうひとりのXXはデンジャラス歌子であった。
マヤはダブルヘッタ―。そして歌子にいたっては、女子プロレスラーを引退してから、じつに十年ぶりの復帰戦となった。女子プロレス界の超大物選手が再デビューするとあって、会場は騒然となった。現役時代の入場テーマ曲。コスチュームも当時と同じゴールドに彩られたガウンであった。
観客席からは「歌ちゃん、歌えー」という声がしきりに聞かれたが、これは歌子が人気絶頂だった頃、よく試合前に持ち歌の「恋のスープレックス」を歌っていたのをみんな覚えていたからなのであった。
「カ~~~~ン」というゴングの音に、会場全体が大熱狂に包まれた。炎天下の中にあっても、マヤのスタミナは相当なものだった。手四つの力比べから、ハイレベルなブリッジの応酬。キャメルクラッチやらアキレス腱固めやら、序盤戦は昭和のプロレスを彷彿とさせるようなグラウンドの攻防が続いた。
試合が動き出したのは、「五分経過」のアナウンスが流れてからであった。歌子が得意のヒップアタックを連発すると、「行くわよ」といい、へそで投げるバックドロップをぶちかまし、そのままフォールの体勢に入った。
カウントは「ワン、ツー、ス‥‥」。惜しくも二・五ではね返されたが、そこからの技の連係は、さすが元・プロレスラーであった。意表を突いた延髄斬りから、まるで芸術品のようなダブルアームスープレックスへ。最後は「これで決まりだ」とばかりに、卍固めを決めた歌子。
「ギブアップ? ギブアップ?」といいながら、マヤの顔をのぞき込むレフェリー-この日もニューおてんば温泉の社長が務めてくれていた-だったが、マヤは首を横に振るだけであった。やがてロープブレイク(注:本物のロープはないものの、マットレスの外側に出た時点でロープブレイクとみなされる)が宣告されると、歌子が再びマットレスの中央へマヤを引きずり込み、卍固めをかけ直そうとしたそのときのことであった。突然のようにマヤが息を吹き返し、カウンターでのドロップキックをぶちかますと、掟破りの逆卍固めに打って出た。別名オクトパスホールドとはよくいったもので、長身のボディーを活かしながら、まるでタコのように歌子の上半身に吸いつき、ぐいぐいと締めあげるマヤ。闘う女の汗が飛び散る中、「ウギャーッ」という歌子の悲鳴が響き渡った。もはや脱出不可能の返し技に、元・プロレスラーの歌子もギブアップを告げる以外になかった。
カンカンカンカン、カンカンカンカン。九分四十四秒、ストロングマヤの逆転勝利であった。
この瞬間、マヤの二冠が確定した。おてんばプロレスヘビー級チャンピオンと、なかまちなかまプロレスヘビー級チャンピオン。しかも二本目のベルトは、元・プロレスラーを撃破しての載冠となったのである。
「やったよ、やった」といい、翔君がリングにあがり、汗まみれのマヤにハグをしてきた。今度ばかりはマヤも拒むことなく、翔君の体をギュンと抱きしめた。
「おめでとう」と口にしながら、おてんばプロレスのエース・ジャッキー美央もリングインしてきた。とにもかくにも最後はノーサイド。闘いを終えた歌子さんが「ジョニーさん、ジョニーさん。リングにあがってきてくださいよ」とマイクで呼びかけたが、残念ながら影の首領(ドン)でもあるジョニー大友が姿を見せることはなかった。
「それじゃ、まぁいいか。おてんばプロレスと、なかまちなかまプロレス。このふたつの団体の繁栄を願って、いつものあれをやらせていただきますね」といいながら、歌子さんが会場のみんなに呼びかけた。
「いいですかー、皆さん。行くわよ。えい、えい、おてんば~っ!えい、えい、なかまち~っ!!」。
そんなおてんば市民の大合唱を耳にしながら、会場の片隅に設けられていた事務局のテントで、ジョニーさんはニヤリと笑うのであった。
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