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思わぬ来客
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俺はクラフトメニューを使って、金属加工の基礎の基礎、溶鉱炉らしきものを作っている。
鉱石はまだ見つかっていないが、いろんなクラフトゲーにあった炉の形を思い出しながら、原始的なかまどをプリミティブを組みあわせて作っているのだ。
クラフトのおかげで、現代的なちゃんとした鉄を作る必要はないというのはかなり助かる。
砂鉄や鉱石から、鉄っぽいものが作れれば、恐らくそれを使って弾が作れるはずだ。
燃料は生物の死体から高純度のものが作れる。耐熱性のある炉も作れる。あとはふいごみたいな空気を送る物が必要だなあ。
うちわ程度じゃだめだ。穴の開いた棒で空気を送り込むのがいいだろう。だがそういう気の利いたものは、逆に俺には作れない。クラフトで作るものは、何もかもが高度過ぎるのだ。
……やっぱり、ふいごはミリアたちに頼んだ方がいいな。
ふと、俺は壁の外で何か騒ぎが起きていることに気が付いた。
エルフ達がいつのまにか壁の内側に足場を作って、そこに立って外を警戒しているのだが、そこにいるエルフと、壁の外の何者かがもめているようだった。
撃ち合いでも始まると面倒だ、ちょっと様子を見に行くとしよう。
俺はのっしのっしと神様らしく堂々と歩いて、もめごとの起きている壁まで近寄る。
「……何があった、我の導きが必要か?」
「あ、いえ! 機人様の御意思を賜う程の事ではありませぬ!」
「……待て、何ごとか、まずは申してみよ」
「は!では恐れながら、申し上げます!」
「ダークエルフの流民が、城壁の中に入りたいと、そう厚かましくものたまっており……」
「……ほう」
俺は機械の顔で全く表情がわからないだろうが、いま猛烈に喜んでいる。
ダークエルフ!いいじゃんいいじゃん!仲間に入れようよ!
ファンタジー作品だとダークエルフって青い肌とか褐色で、トゲトゲな武器を持ったバトルジャンキーっていうイメージだし、きっとこっちの世界でもそんな感じでしょたぶん。
ミリアたちと問題を起こす危険が無いわけではないだろうけど、俺が見張っていればいいわけだし、人口が増える、それは内政力と軍事力が増える事を意味する。
むしろこっちから頭を下げなきゃいけないくらいなのに、向こうからやってきてくれるなら最高じゃんよ!
「ダークエルフか、構わん、入れてやれ」
「は!機人様が仰せになるのでしたら……」
「今から入れてやる!妙な真似はするでないぞ!」
ズズズと俺の腕で動かされたコンクリートの城壁からぞろぞろと入ってきたダークエルフ達。
大体50人くらいだろうか?内訳は女9:男1くらいだ、男が少ないけど、おもったより結構いるね。
黒い肌のダークエルフを想像していたが、意外とその見た目はエルフとほぼ変わらない。
しかしその恰好はどことなく……オカルトマニアっぽい?
黒で統一された色に、占い師を彷彿とさせる背中や胸元だけがでたちょっとセクシーなドレス。
顔と姿かたちはボンキュッボンしてて非常に良いのに、ぼさっとした長髪で、目の下にはクマがある。
「我ら、古の導きにより参りました。機人様に拝謁賜り恐悦至極。グフフ……ヒヒッ」
流民の先頭に立っていた黒髪のエルフが、両ひざをついて俺の前で両手を広げてそう言った言葉を紡ぐ。
すげえおっぱいでっかいな。いや、そうじゃない、とにかく目立つのはそのファッションよ。
白い胸元を強調する艶っぽいドレスは、細い腕を強調するように膨らんだパフスリーブに、大きくスリットの入った裾といったデザインだ。裾からは白い太腿と、職人が100年くらいかけて作ったんですか?っていう感じの豪華な黒いガーターベルトが覗いている。
生身の肉体で出会ったらやばいねこれは。お辞儀のまま動けなくなるわ。
しかしこのセクシーな格好に不釣り合いな。お洒落なアクセサリーを彼女は首につけている。
ぱっつんと途中で断ち切られた首吊り縄。
縄をまるでお洒落なマフラーみたいにしたエルフ、まさかとは思ったが、やはりそうだ。
――ダークエルフってそっちかよ!!!!
「ダーク」は「ダーク」でも、ヤンデレとかそっちの意味じゃねーか!
「ダークエルフを率いる占星術師のデドリーと申します。今後ともどうかよろしく、機人様。」
非常に下半身に悪い、淫靡な笑みで、デドリーは俺に微笑みかけるのだった。
鉱石はまだ見つかっていないが、いろんなクラフトゲーにあった炉の形を思い出しながら、原始的なかまどをプリミティブを組みあわせて作っているのだ。
クラフトのおかげで、現代的なちゃんとした鉄を作る必要はないというのはかなり助かる。
砂鉄や鉱石から、鉄っぽいものが作れれば、恐らくそれを使って弾が作れるはずだ。
燃料は生物の死体から高純度のものが作れる。耐熱性のある炉も作れる。あとはふいごみたいな空気を送る物が必要だなあ。
うちわ程度じゃだめだ。穴の開いた棒で空気を送り込むのがいいだろう。だがそういう気の利いたものは、逆に俺には作れない。クラフトで作るものは、何もかもが高度過ぎるのだ。
……やっぱり、ふいごはミリアたちに頼んだ方がいいな。
ふと、俺は壁の外で何か騒ぎが起きていることに気が付いた。
エルフ達がいつのまにか壁の内側に足場を作って、そこに立って外を警戒しているのだが、そこにいるエルフと、壁の外の何者かがもめているようだった。
撃ち合いでも始まると面倒だ、ちょっと様子を見に行くとしよう。
俺はのっしのっしと神様らしく堂々と歩いて、もめごとの起きている壁まで近寄る。
「……何があった、我の導きが必要か?」
「あ、いえ! 機人様の御意思を賜う程の事ではありませぬ!」
「……待て、何ごとか、まずは申してみよ」
「は!では恐れながら、申し上げます!」
「ダークエルフの流民が、城壁の中に入りたいと、そう厚かましくものたまっており……」
「……ほう」
俺は機械の顔で全く表情がわからないだろうが、いま猛烈に喜んでいる。
ダークエルフ!いいじゃんいいじゃん!仲間に入れようよ!
ファンタジー作品だとダークエルフって青い肌とか褐色で、トゲトゲな武器を持ったバトルジャンキーっていうイメージだし、きっとこっちの世界でもそんな感じでしょたぶん。
ミリアたちと問題を起こす危険が無いわけではないだろうけど、俺が見張っていればいいわけだし、人口が増える、それは内政力と軍事力が増える事を意味する。
むしろこっちから頭を下げなきゃいけないくらいなのに、向こうからやってきてくれるなら最高じゃんよ!
「ダークエルフか、構わん、入れてやれ」
「は!機人様が仰せになるのでしたら……」
「今から入れてやる!妙な真似はするでないぞ!」
ズズズと俺の腕で動かされたコンクリートの城壁からぞろぞろと入ってきたダークエルフ達。
大体50人くらいだろうか?内訳は女9:男1くらいだ、男が少ないけど、おもったより結構いるね。
黒い肌のダークエルフを想像していたが、意外とその見た目はエルフとほぼ変わらない。
しかしその恰好はどことなく……オカルトマニアっぽい?
黒で統一された色に、占い師を彷彿とさせる背中や胸元だけがでたちょっとセクシーなドレス。
顔と姿かたちはボンキュッボンしてて非常に良いのに、ぼさっとした長髪で、目の下にはクマがある。
「我ら、古の導きにより参りました。機人様に拝謁賜り恐悦至極。グフフ……ヒヒッ」
流民の先頭に立っていた黒髪のエルフが、両ひざをついて俺の前で両手を広げてそう言った言葉を紡ぐ。
すげえおっぱいでっかいな。いや、そうじゃない、とにかく目立つのはそのファッションよ。
白い胸元を強調する艶っぽいドレスは、細い腕を強調するように膨らんだパフスリーブに、大きくスリットの入った裾といったデザインだ。裾からは白い太腿と、職人が100年くらいかけて作ったんですか?っていう感じの豪華な黒いガーターベルトが覗いている。
生身の肉体で出会ったらやばいねこれは。お辞儀のまま動けなくなるわ。
しかしこのセクシーな格好に不釣り合いな。お洒落なアクセサリーを彼女は首につけている。
ぱっつんと途中で断ち切られた首吊り縄。
縄をまるでお洒落なマフラーみたいにしたエルフ、まさかとは思ったが、やはりそうだ。
――ダークエルフってそっちかよ!!!!
「ダーク」は「ダーク」でも、ヤンデレとかそっちの意味じゃねーか!
「ダークエルフを率いる占星術師のデドリーと申します。今後ともどうかよろしく、機人様。」
非常に下半身に悪い、淫靡な笑みで、デドリーは俺に微笑みかけるのだった。
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