俺、人型兵器転生。なぜかゴブリンとかエルフがいる未来の崩壊世界を近代兵器で無双する。

ねくろん@アルファ

文字の大きさ
72 / 165

白髭山脈

しおりを挟む
 神聖オーマ帝国の首都、ペルリンでの出来事の後、俺は次にドワーフ達の問題、これを解決することにした。

 オーマは大丈夫だろう。機人に対する態度は大分前向きになった。
 経済的な面では不安が残るが、時間が解決する。

 で、イギニスの方はというと、まだしばらくかかりそうなので、別の懸案事項を片付ける。

 チャールスのやつ、「ンッンー!機人様に失礼のないお出迎えの用意を!」とか言っていたが、どう考えてもただの時間稼ぎだ。

 ……本国が古代竜に滅ぼされたとかなったら、どうするつもりなんだろうな?
 まっ、それはイギニスの問題だからいいや。

 さて、俺の目の前にあるのは、ドワーフたちの故郷、白髭山脈だ。

 ライノ川を北上し、花ひとつ生えていない、殺風景な「悪党平原」を超えた先、「騎士殺しの谷」をまたぐ橋を渡って、ようやく到着した。
 
 ちなみに、ライノから先の地名は、ドワーフの付けたものらしい。
 彼らのネーミングセンスは独特だな。ファンタジーっぽくて嫌いじゃない。

「……ここがお前たち、ドワーフの故郷か?」

「ッス!久しぶりに帰ってきたッス!」

 俺はドワーフ達の故郷だという、白髭山脈を見上げる。
 そこにあったのは、万年雪を被った、雄大な山岳のパノラマ。
 なんか天然水のCMにでも出てきそうな、そんな光景だ。

「白いのがぶっかけられて、ふふ、まるでクリームパイみたい」
 言い方ァ!
 デドリーは安定のアレだな。

「っかし、山の他には、何もねえトコですね」

「……うむ、ムンゴルは何を思って、ここを攻めたのやら」

 今回、白髭山脈にアタックするメンバーは、案内役のドワーフのロイ、ミリアとデドリー、そして俺だ。資材などの後援はポルシュになる。

 目的は白髭山脈にあるという、ドワーフが住んでいた要塞の攻略が目的だ。

 ムンゴルが悪党平原でドワーフ達を打ち破った後、白髭要塞は陥落。
 そして、連中による略奪を受けることとなった。

 しかし、ここである出来事が起きる。

 当時のドワーフ王は宝物殿を固く閉ざし、要塞にあったダンジョンの扉を開いた。
 そして、要塞の中をモンスターで満たしたのだ。

 ドワーフ達は散り散りになり、ムンゴルも略奪をあきらめて去っていった。
 そして残されたのは、ダンジョン化したドワーフの要塞、というわけだ。

 すばらしい。すばらしいぞ!まさにファンタズィー!!!!
 おっさんはこういう、ちょっと歴史を感じる系の設定、大ちゅき!

 といってもこれはゲームの設定ではなく、ドワーフ達のガチの歴史であり、あまり茶化したりできるものではないが。

 ドワーフのロイの案内で、要塞の入り口まで行く。
 すると、開け放たれた入り口には、ポトポトの訓練場の地下ダンジョンでもみた、あの、スーパーなミュータントたちが見張りをしていた。

 おいおい、あの連中、ここにもいるのかよ!
 しかし様子がちょっと違うな。ポトポト地下の連中は、ほぼ全裸だった。

 しかしここにいる連中は、違った。
 ドワーフが作った武器防具だろうか、ほかにもガラクタなんかを体につけている。

 武装は斧や長刀に加えて、背中に何本もの投げ槍をもっていたり、クロスボウを構えている奴もいる。遠距離武器を使う知性があるのか。

 かなりの重武装だ。スーパーなミュータントTHEマスターってかんじだ。

「……ポトポトの奴らよりも、重武装だな」

「きっと、ドワーフの残していったものを利用しているのですね」

「ッス!うちらの作ったもんをあんな使い方、許せねえッス!」

「……まずは、入り口の安全を確保するとするか。」

 俺は仲間から離れると、バーニアを噴かせて、猛烈な速さで連中に接近する。
 そしてそのままハイスピード戦闘へと移行する。

 激しく動く中、おれの反応は機械なだけにクリアだ。
 検出された個体数は20。その全てをロックオンして、射撃を加える。

 アーマードでコアなロボットゲーだと、妖怪みたいなコントローラーの持ち方をしないとできなかった、変態機動での戦闘。

 しかし、自分が機械の体ともなると、かなり感覚的に行える。

 左右に飛び跳ねながら、高低差もつけてスタイリッシュに仕留めていく。
 連なる銃弾がマーカーの中心に吸い込まれると、ミュータントは赤い血しぶきと鉄片をまき散らし、ひし形をしたマーカーが、その数を減らしていく

 中世レベルの遠距離武器相手に、ここまでする必要はぶっちゃけないだろう。
 だが、これは俺の「慣らし」も兼ねている。

 瞬く間に、中世型装備のスーパーなミュータントたちは全滅した。

うーん、「心置きなく暴力をふるえる相手がいるのは、いいものゾイ」と、どこかのペンギンの形をした悪の親玉が言いそうなセリフが頭に浮かぶ。

 さて、内部はどうなってるかな?
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

処理中です...