73 / 165
ドワーフ要塞
しおりを挟む
「ヤッター!アソボウ!」
「ゴチソウダー!」
ドワーフの要塞の中は、武装したミュータント共で溢れかえっていた。
明らかにサイズの合ってない、鎧や、鋼鉄で盾を鎧代わりに着た連中が、津波のように押し寄せる。
こいつら、飯はどうしてるんだろう?
いや、そんなことを考えても仕方がないか。
きっと皮膚が緑だから、草みたいに、光合成とかしてるのかもしれない。
だとすると、増えるのもキノコみたいにそこら辺から生えてるのか?
うへー。
「オレハー!最強ダーァ!!」
「そいつぁようござんしたね……!」<DOMDOMDOM!!>
「ふふ…いきり立っちゃって、どうなっちゃうのかしらぁ♡」<ドピュドピュン!>
ダドリーのファンネルから発射される光弾はともかく、ミリアのオートショットガンから吐き出される鉛玉。こいつはエグいな。
鉄をも切り裂く烈風。自称最強なスーパーなミュータントは、イタリアン料理に掛けられるソースみたいな赤と緑の混じる液体になる。
おおエグいエグい。
「ヒャッハー!逃げるやつは悪党ッス!逃げないやつはもっと悪党ッス!!」
俺の作った武器ではないが、ドワーフ達も負けてはいない。
どこんどこんと音をさせて、ミュータントをばたばた薙ぎ倒しているのは、ドワーフ製の連発大砲だ。
台車に乗っているのは軽量砲。だが1門ではない。合計36門の小さな砲が、放射状に並んでいる。それがぐるぐると回って、ブドウ弾という、ゴルフボールくらいの鉛玉を6つ吐き出すのだ。
いやあこれもしっかりエグい。
弾がでかい分、ミリアのショットガンよりも、こっちの方が血しぶきが派手で、何かの規制がかかりそうだ。
「スーッスッスッス!ざまーみろッス!」
あっロイさんは、そういう笑い方なんだ。
なんでこうも、ポトポトの連中は笑い方が独特なんだ。スッスッスて。
まあ区別しやすくて良いが。
しかし俺もそろそろ、銃を取り替えたいな。
性能が不足しているという気はしない。
しないのだが、流石にこう、ワンパターンで飽きる。
ああいう小口径の大砲を見ると、ドンドンッってぶっ放すタイプのも欲しいな。
ひとしきりスーパーなミュータントのお代わりがきれるまで、ひたすらに打ち続けたのだが、大理石と真鍮で飾られたドワーフの大広間が、なんかもう緑と赤色の死体で、えらいことになってしまった。
床が埋め尽くされるっていうか、それが積みあがるとはちょっと想像しなかった。
死体の山は、俺の身長を超えるぐらいになっている。
連中最後のほうは、こっちに、ほふく前進で這ってきたからな。
恐怖がマヒしてるにしても、さすがにおバカすぎるだろ!
こりゃー後片づけが大変だな。ポルシュの用意した荷台のひとつ、それを空にしてスコップ代わりにして死体を運び出す。
食うのも意外と時間がかかるので、それは後回しにする。
うーん、とても嫌な雪かきだ。
ぐっちょ!ずっちゃ!ぶっちょ!ぶっちょ!といった感じに掘り起こす。
こんだけ死を恐れないっていうか、おバカ中のおバカなら、さぞかしこの世界を作り出したであろう戦争では、大活躍したことだろう。
生き残ってるやつがいたら、なんか話が聞けるかもしれないが、ここまでおバカだとちょっと期待できないな。絶対死んでるわ。
ようやく道ができて、俺たちは進めるようになった。
これだけの連中を収納していたダンジョンなら、結構でかいだろうし、なんか面白いものが見つかるかもしれない。
期待に胸を膨らませて前に進む。胸ないけど。
ではこのまま、要塞の中にあるというダンジョンまで行って、中を漁ろう。
やばいのが居たら、適宜ブチ転がすっていう感じで。
「……ロイよ、当時のドワーフ王が開け放った、そのダンジョンまで案内せよ」
「ッス!」
そして、ロイに案内されたダンジョンの入り口。
開け放たれた先に並ぶ、大砲や機関銃の付いた車両。
そして床に転がっているブチ壊れた扉。
ミュータントに踏み荒らされて判読が困難だが、何か書かれている。
恐らく、俺以外は読めないであろう、扉の横のエンブレムと文字列。
地球に月桂樹のついた白いマーク、そしてUnited.Nationの白文字。
そして大変にアトミックなものを表す、黄色い看板。
どーみても、完全に国連の軍事基地です。ありがとうございました。
「ゴチソウダー!」
ドワーフの要塞の中は、武装したミュータント共で溢れかえっていた。
明らかにサイズの合ってない、鎧や、鋼鉄で盾を鎧代わりに着た連中が、津波のように押し寄せる。
こいつら、飯はどうしてるんだろう?
いや、そんなことを考えても仕方がないか。
きっと皮膚が緑だから、草みたいに、光合成とかしてるのかもしれない。
だとすると、増えるのもキノコみたいにそこら辺から生えてるのか?
うへー。
「オレハー!最強ダーァ!!」
「そいつぁようござんしたね……!」<DOMDOMDOM!!>
「ふふ…いきり立っちゃって、どうなっちゃうのかしらぁ♡」<ドピュドピュン!>
ダドリーのファンネルから発射される光弾はともかく、ミリアのオートショットガンから吐き出される鉛玉。こいつはエグいな。
鉄をも切り裂く烈風。自称最強なスーパーなミュータントは、イタリアン料理に掛けられるソースみたいな赤と緑の混じる液体になる。
おおエグいエグい。
「ヒャッハー!逃げるやつは悪党ッス!逃げないやつはもっと悪党ッス!!」
俺の作った武器ではないが、ドワーフ達も負けてはいない。
どこんどこんと音をさせて、ミュータントをばたばた薙ぎ倒しているのは、ドワーフ製の連発大砲だ。
台車に乗っているのは軽量砲。だが1門ではない。合計36門の小さな砲が、放射状に並んでいる。それがぐるぐると回って、ブドウ弾という、ゴルフボールくらいの鉛玉を6つ吐き出すのだ。
いやあこれもしっかりエグい。
弾がでかい分、ミリアのショットガンよりも、こっちの方が血しぶきが派手で、何かの規制がかかりそうだ。
「スーッスッスッス!ざまーみろッス!」
あっロイさんは、そういう笑い方なんだ。
なんでこうも、ポトポトの連中は笑い方が独特なんだ。スッスッスて。
まあ区別しやすくて良いが。
しかし俺もそろそろ、銃を取り替えたいな。
性能が不足しているという気はしない。
しないのだが、流石にこう、ワンパターンで飽きる。
ああいう小口径の大砲を見ると、ドンドンッってぶっ放すタイプのも欲しいな。
ひとしきりスーパーなミュータントのお代わりがきれるまで、ひたすらに打ち続けたのだが、大理石と真鍮で飾られたドワーフの大広間が、なんかもう緑と赤色の死体で、えらいことになってしまった。
床が埋め尽くされるっていうか、それが積みあがるとはちょっと想像しなかった。
死体の山は、俺の身長を超えるぐらいになっている。
連中最後のほうは、こっちに、ほふく前進で這ってきたからな。
恐怖がマヒしてるにしても、さすがにおバカすぎるだろ!
こりゃー後片づけが大変だな。ポルシュの用意した荷台のひとつ、それを空にしてスコップ代わりにして死体を運び出す。
食うのも意外と時間がかかるので、それは後回しにする。
うーん、とても嫌な雪かきだ。
ぐっちょ!ずっちゃ!ぶっちょ!ぶっちょ!といった感じに掘り起こす。
こんだけ死を恐れないっていうか、おバカ中のおバカなら、さぞかしこの世界を作り出したであろう戦争では、大活躍したことだろう。
生き残ってるやつがいたら、なんか話が聞けるかもしれないが、ここまでおバカだとちょっと期待できないな。絶対死んでるわ。
ようやく道ができて、俺たちは進めるようになった。
これだけの連中を収納していたダンジョンなら、結構でかいだろうし、なんか面白いものが見つかるかもしれない。
期待に胸を膨らませて前に進む。胸ないけど。
ではこのまま、要塞の中にあるというダンジョンまで行って、中を漁ろう。
やばいのが居たら、適宜ブチ転がすっていう感じで。
「……ロイよ、当時のドワーフ王が開け放った、そのダンジョンまで案内せよ」
「ッス!」
そして、ロイに案内されたダンジョンの入り口。
開け放たれた先に並ぶ、大砲や機関銃の付いた車両。
そして床に転がっているブチ壊れた扉。
ミュータントに踏み荒らされて判読が困難だが、何か書かれている。
恐らく、俺以外は読めないであろう、扉の横のエンブレムと文字列。
地球に月桂樹のついた白いマーク、そしてUnited.Nationの白文字。
そして大変にアトミックなものを表す、黄色い看板。
どーみても、完全に国連の軍事基地です。ありがとうございました。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる