俺、人型兵器転生。なぜかゴブリンとかエルフがいる未来の崩壊世界を近代兵器で無双する。

ねくろん@アルファ

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よんばいつよい

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お正月は更新するつもり無かったけど、手すき時間できたんで更新しちゃいます
すまんな、ありゃあ嘘だった


『キキキ!ところでその、機人様のお隣にいらっしゃるのはどなたで?』

 ミリアに言われて気が付いた。
 そういえばナビさんの事は誰にも説明してなかったな。

「……この者はナビ、簡単に説明すると妖精のようなものだ。魂なき機人に乗り移ったり、私の手伝いをしてくれている」

『へへぇぇぇぇ!!!そいつぁごっつい!ナビさん!今後トモヨロシクゥ!』
 だからミリアさん、マジで何語だ。

 ポトポト王とその愉快な仲間の妖怪たちは、その説明で納得したのか、ナビさんを狙いから遠く外して、主砲をぶっ放した。

 キングチハは第二次大戦レベルの技術に、ちょっと未来技術が混ざっているだけなのだが、その120mm砲の威力は大したものだ。やはりデカさは正義だな。

『ススス!ファーザーもたいしたコトないっスね!』

 ドン!ッとキングチハからぶっ放された、どんぐり型の榴弾は、その純粋な炸薬量の多さに由来する、とんでもない爆発エネルギーでもって、何世代も離れた上位存在であるのはずのザコ機人を吹き飛ばす。

『――ポトポトの機人め、その思考モデルを悪用して、有機生命体を奴隷化し、汚いトリックで私を欺いたな。やはり有機生命体は害悪だ』

 どの口でいうてんねん。ツボ売りがいうことか!!!!

「……もはや、ツッコむ無気力すらおきんな」
『Cis.』

 ファーザーはそう俺たちに吐き捨てるように言うと、追加のザコたちを送り込んで来る。しかしそのペースは明らかに落ちている。

 ひょっとして、すぐさま送り付けられるザコ機人を使い切ったか?

 ザコの殲滅せんめつにキングチハも加わったことで、1体倒すごとに2体追加だったのが、そのうち2体倒すごとに1体の追加になって来ていた。

 ザコ機人とガ〇キャノンは明らかにその数を減らしている。

『機人様、工場の中を飛び回っているファーザーが、上部構造物に移動しています』

「……どういう意味だ?まさかファーザーのやつ、工場の屋上からヘリや飛行機に乗って、どこか遠くへ逃げるとでも?」

『Cis. その可能性も否定できません。既にエレベーターをハッキングしてあります。上層階に向かいましょう』

「……さすがはナビさんだ、話が速くて助かるね」

「……皆のもの、ここは任せる!!私たちは逃げるファーザーを追う!!」

『ようがす!!!!』『あんっ♡こうして機人様にまた放置プレイをあはんっ♡』
『狭いんだから!クネクネ動いたり、ローキックしようとしないでください!』

 ……任せて大丈夫なんだよな?
 ともかくナビさんの案内でファーザーを追うとしよう。

 ナビさんが指揮官機の3本の手指で「アレです」と指さしたのは、金属製のレールと、クソデカUSBみたいな接続端子のある、まさに何だコレというものだった。

 駅で車イスなんかを運ぶ、レールで動くリフトあるじゃん、あれが一番イメージにちかいかもしんない。

「……どう使うのだ?これ」

『よくわからなかったら、手すりをギュッとつかむだけでいいです』

「……こう?」

 なんか左右のトーションバーみたいなのを握りポーズをとる俺。

 ――ああ、何か既視感あると思ったらあれだわ。
 便器の左右に手すりの付いたこういう感じのトイレあるよね。

 オッサン、年を取ったらこういう感じで介護されるんだろうなあ。
 ……もう老化とは一切関係ない体になってたか。
 ああでも、ヒザとかそのうちスリ減ったりするよな。機械だし。イヤだなあ。

『――? まあ、沈黙は同意とみて送り出しますよ。射出。』

 <ピー、ガコンッ!>

 物思いにふけっていたら、足もとを機械の爪でがっちりロックされた。
 ……なんかすごい嫌な予感がする。

 <ガシュ、ガドゥンッ!!!!!!!>

 一瞬だけ浮遊したかのように無重力感を感じた。
 その次の瞬間だった、世界が一瞬で下へ流れていく。
 いや、正確には俺が上に行っているのだが。

「……ッ!!!!」

 <ゴオオオオオオオォォォォォォ!!!!>

 音がうるせえええええ!!!!

 リフトがバチバチいって青く光ってるんだけど、何コレ!!!!!!
 しかもコレ、よくみるとレールとリフト、どこもくっついてねえじゃん!!
 電磁リニアだ!!!!凄い!!!!凄いけど、超コワイ!!!!

 説明のひとつも無かったナビさんに文句のひとつも言いたいところだったが、これはこれでエ〇ァンゲリオンごっこと思えば楽しいのでヨシ!!!ヨシじゃないが!!

 <ィィィイイイ!!!!!ガコン!!!!>

 屋上に送り込まれた俺は、あまりの速度にピヨりながらリフトを降りる。
 普通に人間が乗ったら、これ内臓飛び出てるだろ……。
 機械の体でよかったわ。

 <ィィィイイイ!!!!!ガコン!!!!>

 俺が降りてから少しして、ナビさんも屋上に上がってくる。

『バラバラにならなくてよかったですね。正常に動作しているようです』

「……ナビさん、まさかと思うが、俺で動作を試したんじゃ?!」

『いえそんなことはありませんよ、じつにかんぺきにどうさするとおもいました』

「……棒読みィ!!」

『――まさか君たちがここまで追って来るとはね』

 どこからともなく、ファーザーの声が聞こえてくる。

 あっ忘れるところだった。

 ここまで来たのは、エ〇ァンゲリオンごっこをする為じゃなくて、ファーザー、こいつをしばくためだった。

「……どうやらファーザー、お前が尻尾を撒いて逃げて、ラメリカあたりにいくんじゃないかと思ってな?」

 俺はオートキャノンを振り回して天井を探る。奴は何処だ?
 見た所、ヘリや飛行機のようなものは見当たらないが……。

 いや、なにかの格納庫がある、あれか?

『ハハハ!!!!逃げる?私が有機生命体モデルのお前から逃げるだと?!』

「……私の目にはそうとしか見えんが?」

『視座の違いだな。ここまで来てくれて手間が省けたよ、この機体は記憶容量が少なくて、使いたくは無かったが、君を素早く始末すればいいだけの事だからね』

 格納庫の扉が吹き飛ばされて、中から何かが現れる。
 こいつは……!

 そいつは二足歩行の機体に、しこたまミサイルやロケットポッドで重武装した4対の短翼を持っていた。そしてその背中にあるのは、何かのエンジンか?

 一つ一つのデザインはザ・四角でしかなく、無骨で無機質そのものだ。

 だがそれらが寄せ集まると、まるで幾何学的な生物のようになる。
 この数式が生物になったみたいな感じ、嫌いじゃないわ、カッコいい!!!!

『この「ヴァルチャー」でお前を始末してやる――特にナビ、お前は念入りに辱めてやるとしよう』

『おや、もう嗜虐的劣情ヘンタイ性を隠さなくなりましたか。見下げ果てたものです』

 ふとおもったんだが、AIの辱《はずかし》めってどうするんだろうな。
 クッソつまらんギャグを、それがどう面白いのか説明させるとか?

 ナビさんの頭脳をそんなことに使わせるのは世界の損失だな。

「……終わらせてやるさ」

『ほざけミジンコォ!!』

 サーカスみたいに飛び回る大量のロケットとミサイルが俺に迫ってきた。

 いきなり全弾発射って……コトォ?!
 ムリムリムリ!!!!それはムリ!!!!

 ミニガンで弾幕を張るが、間に合わない――ッ!

『ファーザー、あなたアホですね?無誘導弾だけなら勝てましたのに』

 ミサイルに電子的破壊が起きて、その場で自爆した。

 納豆みたいに縦横無尽に糸を引いていたミサイルは、屋上でいくつもの爆炎を作ってその中にロケット弾を巻き込んで、時間差で更に炎と破片をまき散らす。

 破片と爆炎が屋上にあった施設を巻き込んだせいで、そこにあった空調なんかの類は黒コゲだ。すっかり荒れ果ててしまった。

『ウググ――!記憶容量の不足のせいカッ』

『違います。単純にあなたのミスです。己の無能を認めなさい』

『――もう殺ス!壊スコワコワ壊ス!』

 ヴァルチャーの体に引っ張られて、ファーザーの語彙力がおかしくなってる。
 AIの機能が溶けて言ってるのか?まるでボケが始まったみたいだ。

 ファーザーは背中の機械から半円状の何かを突き出させる。

 そのパーツはブンッ!っと音を立てると、4つの緑色の光刃を伸ばす。
 そして周りだし……光の円盤を作り出し、ファーザーのその体が浮いた。

 これは……ビームローター?!なにそのロマンしかないモノ?!

『シネェ!!』

 グッっと体を傾けると、ビームローターで天井の床を切り裂きながらファーザーはこちらに飛んできた。

 俺はすんでのところでかわすが、ローターが通った後は、階下が見えるレベルですっぱりと切り裂かれている。

 クッソあっぶねぇ!!!!なんだあれ?!

 オートキャノンとミニガンで撃ち落とそうと弾幕を張るが、ビームローターは弾丸を食らっても火花を出すだけで、なにかダメージが入っている様子はない。

 あれで守られるとどうしようもなくねえか?!

「厄介だな。光の刃では壊しようが無い。銃弾も焼き切られてしまう」

『Cis. 攻防一体とは、なかなかに厄介な代物です』

 かといって本体を狙っても、そちらの装甲もたいしたもので、攻撃しても貫通出来ない。表面でスパークするだけだ。クソ!

『ところで機人様、もしかしてというか、かなりお忘れを確信している事項があるんですが、ええ、機人様がよもやお忘れでないとよろしいんですが……』

「……なんだナビさん、まわりくどいぞ?」

『ここ、ですよ?』
「……あっ」
 ナビさんのクソデカため息が屋上に広がった。
 ・
 ・
 ・
 ククク……やっぱりサルだっ!

 じべたのサルに、このヴァルチャーはどうもできない!!

 オレのカチだ!!!!

 あいつはおくじょーでブレードをだして、こっちをまちかまえている!
 あいつは「いっぽん」でおれは「よんほん」だから……よんばいつよい!

 よんばいつよいからぜったいかてる!!!!

 そういえば……なんでたたかってるんだっけ?

 まあいいや!ぶっこわしてやる!!

 まっすぐブーンでバリバリしてやる!!!!

<ガキィン!!!!>

 ……あれ?なんでサルが、よこになってるんだ?
 ちがう、おれがよこで、あいつがたてなんだ。

 おれのカラダにナニかがはえている。
 クロくて、よんほんのとがったヤツ。

 でもまだよんほんだから、おあいこだ。だいじょーぶ

 うえをみあげると、よんほんがイッパイだ。

 はっぽんのつぎは、なんぼんだっけ?

 ぼーっとそうかんがえていたら、ドンドンよんほんがささってきた。

<ズガァ!!!ガキィ!!ドズンッ!!!!>

 はっぽんからさきは、もうかぞえられなかった。
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