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機人裁判 Bパート
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※ロクでもない法廷バトルが続きますがご容赦ください。
「検事の立証は以上ぉ~とする!次は被告人の立証を~適当にと、おもうよぉ!」
クソッ!裁判長の野郎!
秋山森○進みたいな喋り方しやがって!!
(えーっと、ナビさん、立証って、具体的になにをするの?)
(要は検察の出した「やった証拠」に対してこちらは「やってない証拠」を突き付けます。検察の出した証拠がここまでムチャクチャとは思いませんでしたが)
(……あの異次元から生まれた捏造証拠をどうやって否定すりゃいいの?って思ってたけど、相手の証拠の否定はしなくていいんだ)
(そんなことしたら、ただの口ケンカに終始してしますからね。裁判とはケンカではないのです)
(じゃあ、あれか?報告書の内容のおさらいと言うか、建築をどうやっていたか、ヤマリーが何をしていたか、事実だけを淡々と述べるか)
(Cis. 具体的には、議員会館をどうやって作ったのか?あとはヤマリー・カキントンがあの場で何をしてたのか、そして死亡した原因は何かですね)
(ふむ、下手にワイン圧搾機の作り話しないで、全部説明したらどうだろう?)
(連中に理解できますかね?)
(連中に理解させないのが目的だ。俺の方が正しいかも?という雰囲気で押し通す。俺はこの裁判をゲームとして見て、そちらの方が攻略法として正しいと感じてる)
(Cis. であるならば、ナビは機人様の直感を信じて支援しましょう)
(ありがとうナビ)
「被告人として立証を行う。まず議員会館は設計に基づき建築されている最中であった。ここはよいか?」
「うむ、建設途中であったと聞いている。受け取った報告書にもそう書いてあるな」
ザワザワ・・・あの分厚い報告書を呼んだのか?
見出し以外も読むとは、さすがネコマだ・・・ガヤガヤ
外野が何かおかしなこと言ってるぞオイ?!
なんで中身を読むだけですげえ奴扱いなんだよ?!
普通は見出しを読んだら、本文も読むんだよ!見出しで満足すんな!!
「提出した報告書にも書いているが、繰り返そう。「建物は完成していない」つまり検察の立証はそもそも成り立たない」
「検察の主張はつまり、営業の始まる前、建物すらできていない、コックもウェイターもいないレストランで客が食中毒を起こしたと主張しているに等しい内容だ」
ザワザワ・・・バカな・・・!ガヤガヤ・・・!ネコマのアホ・・・!
ククク……まずは事実を元に、根拠を崩してやったぜ。
クソ外交に慣れた外道プレイヤーの詭弁スキルの高さをなめるなよ?
重要なのは小難しいことを言った後、シンプルな言葉や例えに言い換えることだ。
簡単な説明を受けると、相手はその気になって、多少不適切な例えでも、正しいという雰囲気を見出す。
より簡単な表現で言い換える理由は他にもある。
それは、「まだわかんないよ?」と突っ込みできなくなるという心理だ。
簡単な説明を受けた後に聞きなおすと、「他人からバカと思われるかもしれない」という、心理的ブレーキが聞き手にかかる。これは聴衆が多いほど効果的だ。
これによって俺はペースを大きく握ることができる。
そして重要なのは、ここから考える時間を与えない事だ。
時間をかけると、「この例え、あんま関係なくねぇ?」とあっさりとバレる。
詭弁とは機動戦なのだ。つまりこれは敵の抵抗を弱めるための陽動だ。
本命に用意している一撃を、大打撃にするための準備なのだ。
「そしてヤマリー・カキントンの死因だが、これは事故である。彼女は《許可なく》建築現場に立ち入り、《意味不明》だがワインを要求し、工程に巻き込まれて死亡した」
許可なく、意味不明というネガティブな言葉にアクセントをつけて強調する。
これもカキントンの証言をおとしめる印象操作だ。
ざわ・・・ざわ・・・
「証拠は報告書にある通りだが、実演しようと思う」
「実演、だと?」
ネコマは何をバカな?という顔でこちらを見ている。
まあそうなるよね。俺もお前さんの立場ならそう思うわ。
「まず、ワインに限らず食品というものは化合物だ。つまり根っことなる材料は同じものだ……弁護人ミリア、バーガーと飲み物を」
「あっはい!」
俺はランチボックスからとりだされた、ジュースとバーガーを証言台に置く。
「つまりこういう事だ。我々機人と血縁にある眷属には、ある機能が備わっている。つまり物質を再構成し、組み替える能力だ」
俺はバーガーとジュースをお腹に入れた後、お腹から「ワイン」を取り出す。
傍聴人からはマジックだ!トリックだ!魔法だ!などと様々な言葉が飛び出す。
「建築に当たっては、このように石材から壁を再構成している」
俺はクラフトメニューから何時もやっているように、光を飛ばして裁判所の中にでんっとT-wallを出現させる。こいつも久しぶりに見た気がするな。
「そして報告書にある通り、ヤマリー・カキントンはワインを求めた際に、眷属にこう指示した。『なんでも使って良いと』そして眷属はその通りにした」
「では殺人ではないか!」
「検察は許可なく発言しないと、思う……よぉ!」
俺は「くっ」と悔しがるネコマをよそに立証を続ける。
「繰り返すがこれは事故だ。本来立ち入りに許可が必要な建築現場に、許可なく立ち入るという違反を先に行ったのはヤマリー・カキントンである」
「さらに報告書に記載されている通り、現場に看板を設置する等の義務は果たしている。ヤマリー・カキントンはそれを無視して関係者以外立ち入り禁止のエリアに侵入している」
ガヤガヤ・・・悪いのはヤマリーじゃん・・・
「そもそも事件現場は建築現場であり、食品の生産を企図していない。安全管理者は存在しない。そこで意味不明な行動をおこし、その事故により死亡した」
「異議あり!!裁判長!発言を許してください!!」
「発言を、ゆるすよぉ~!」
「彼らポトポトは新世界秩序を作ろうとしている、『悪魔的エリート集団』を率いており、高度に暗号化された文章でその真意を伝達しています」
「証拠は巧妙に隠されています。国家の中に潜む国家、深淵なる国家、ディープステイトと言ってもいいでしょう」
「証拠はありません、しかし皆さん!!騙されないでください!ここまで証拠がないことが存在するでしょうか?!
「そう、ここまで証拠が残らないことはあり得ません!これこそがディープステイトが存在する証拠なのです!」
「私たち検察は傍聴人の正義を愛する心を信じます!ラメリカ万歳!!!」
――そうだ!!ラメリカ万歳!!RSA!!RSA!!
クソッ!どっちが印象操作だよ?!!
なんちゅう滅茶苦茶な論理だ。無いから在ります?アホか?!
しかしネコマの発言で、傍聴人のアホどもの雰囲気は一気に変わった。
……これは不味いかもしれない。まるで常識が通用しないぞ?
頭痛がしてくるな、頭ないけど。
しかしどんだけ雰囲気に流されやすいんだよ、ラメリカの連中は。
「あの、弁護人からもよいでしょうか!」
ミリアさんがすっと手を上げた。ポトポトの妖怪だったミリアさん。
しかし今日だけは何故か俺には女神のように見えた。
マグロのDHAが見せた、束の間の幻影にすぎなくても、俺はこの幻影を信じようと思った。なぜかそうさせる雰囲気があった。
「機人様は人間に迫害されていた私たち、少数派に過ぎなかった私たちをあえて助け、そのあともずっと面倒を見てくださっています」
「一度は人の国、オーマを滅亡寸前に追い詰めるまで戦いました。しかしその後は、人とエルフ間の争いも止めさせました」
「我々エルフの間に、迫害した人への憎しみが完全に消え去ったからではありません。むしろ強いままです。ではなぜ戦う事を止めたか?」
「それは、最後のひと刺しを止める心がまだあったからです。彼らが居なくなった後の事を考えたからです。人を殺した手は次に何処へ向かうかを考えたからです」
「あなた達の言うディープステイトが何かはよくわかりません。国家の中に潜む国家とは、つまり家族、その中のあなた達一人一人の事を指すのではないでしょうか?」
「我々の求める真なる国家は何処にも存在しません、それはあなた達の心、平和を求める心のうちに存在するからです。」
(ナビさん、流石にミリアさんに吹き込み過ぎじゃない?なんかスゲーこと言いだしてるけど?)
(いえ、私とくになにもしてませんよ。これたぶん彼女の本心かと)
(……マジかぁ、DHAってすげえんだな)
(Cis. 機人様も食べてみます?基盤がショートして死ぬと思いますけど)
ガヤガヤ・・・ザワザワ・・・天使だ・・・
「せいしゅくに!これより判決を~言い渡すとぉ~……思うよぉ?」
・
・
・
「検事の立証は以上ぉ~とする!次は被告人の立証を~適当にと、おもうよぉ!」
クソッ!裁判長の野郎!
秋山森○進みたいな喋り方しやがって!!
(えーっと、ナビさん、立証って、具体的になにをするの?)
(要は検察の出した「やった証拠」に対してこちらは「やってない証拠」を突き付けます。検察の出した証拠がここまでムチャクチャとは思いませんでしたが)
(……あの異次元から生まれた捏造証拠をどうやって否定すりゃいいの?って思ってたけど、相手の証拠の否定はしなくていいんだ)
(そんなことしたら、ただの口ケンカに終始してしますからね。裁判とはケンカではないのです)
(じゃあ、あれか?報告書の内容のおさらいと言うか、建築をどうやっていたか、ヤマリーが何をしていたか、事実だけを淡々と述べるか)
(Cis. 具体的には、議員会館をどうやって作ったのか?あとはヤマリー・カキントンがあの場で何をしてたのか、そして死亡した原因は何かですね)
(ふむ、下手にワイン圧搾機の作り話しないで、全部説明したらどうだろう?)
(連中に理解できますかね?)
(連中に理解させないのが目的だ。俺の方が正しいかも?という雰囲気で押し通す。俺はこの裁判をゲームとして見て、そちらの方が攻略法として正しいと感じてる)
(Cis. であるならば、ナビは機人様の直感を信じて支援しましょう)
(ありがとうナビ)
「被告人として立証を行う。まず議員会館は設計に基づき建築されている最中であった。ここはよいか?」
「うむ、建設途中であったと聞いている。受け取った報告書にもそう書いてあるな」
ザワザワ・・・あの分厚い報告書を呼んだのか?
見出し以外も読むとは、さすがネコマだ・・・ガヤガヤ
外野が何かおかしなこと言ってるぞオイ?!
なんで中身を読むだけですげえ奴扱いなんだよ?!
普通は見出しを読んだら、本文も読むんだよ!見出しで満足すんな!!
「提出した報告書にも書いているが、繰り返そう。「建物は完成していない」つまり検察の立証はそもそも成り立たない」
「検察の主張はつまり、営業の始まる前、建物すらできていない、コックもウェイターもいないレストランで客が食中毒を起こしたと主張しているに等しい内容だ」
ザワザワ・・・バカな・・・!ガヤガヤ・・・!ネコマのアホ・・・!
ククク……まずは事実を元に、根拠を崩してやったぜ。
クソ外交に慣れた外道プレイヤーの詭弁スキルの高さをなめるなよ?
重要なのは小難しいことを言った後、シンプルな言葉や例えに言い換えることだ。
簡単な説明を受けると、相手はその気になって、多少不適切な例えでも、正しいという雰囲気を見出す。
より簡単な表現で言い換える理由は他にもある。
それは、「まだわかんないよ?」と突っ込みできなくなるという心理だ。
簡単な説明を受けた後に聞きなおすと、「他人からバカと思われるかもしれない」という、心理的ブレーキが聞き手にかかる。これは聴衆が多いほど効果的だ。
これによって俺はペースを大きく握ることができる。
そして重要なのは、ここから考える時間を与えない事だ。
時間をかけると、「この例え、あんま関係なくねぇ?」とあっさりとバレる。
詭弁とは機動戦なのだ。つまりこれは敵の抵抗を弱めるための陽動だ。
本命に用意している一撃を、大打撃にするための準備なのだ。
「そしてヤマリー・カキントンの死因だが、これは事故である。彼女は《許可なく》建築現場に立ち入り、《意味不明》だがワインを要求し、工程に巻き込まれて死亡した」
許可なく、意味不明というネガティブな言葉にアクセントをつけて強調する。
これもカキントンの証言をおとしめる印象操作だ。
ざわ・・・ざわ・・・
「証拠は報告書にある通りだが、実演しようと思う」
「実演、だと?」
ネコマは何をバカな?という顔でこちらを見ている。
まあそうなるよね。俺もお前さんの立場ならそう思うわ。
「まず、ワインに限らず食品というものは化合物だ。つまり根っことなる材料は同じものだ……弁護人ミリア、バーガーと飲み物を」
「あっはい!」
俺はランチボックスからとりだされた、ジュースとバーガーを証言台に置く。
「つまりこういう事だ。我々機人と血縁にある眷属には、ある機能が備わっている。つまり物質を再構成し、組み替える能力だ」
俺はバーガーとジュースをお腹に入れた後、お腹から「ワイン」を取り出す。
傍聴人からはマジックだ!トリックだ!魔法だ!などと様々な言葉が飛び出す。
「建築に当たっては、このように石材から壁を再構成している」
俺はクラフトメニューから何時もやっているように、光を飛ばして裁判所の中にでんっとT-wallを出現させる。こいつも久しぶりに見た気がするな。
「そして報告書にある通り、ヤマリー・カキントンはワインを求めた際に、眷属にこう指示した。『なんでも使って良いと』そして眷属はその通りにした」
「では殺人ではないか!」
「検察は許可なく発言しないと、思う……よぉ!」
俺は「くっ」と悔しがるネコマをよそに立証を続ける。
「繰り返すがこれは事故だ。本来立ち入りに許可が必要な建築現場に、許可なく立ち入るという違反を先に行ったのはヤマリー・カキントンである」
「さらに報告書に記載されている通り、現場に看板を設置する等の義務は果たしている。ヤマリー・カキントンはそれを無視して関係者以外立ち入り禁止のエリアに侵入している」
ガヤガヤ・・・悪いのはヤマリーじゃん・・・
「そもそも事件現場は建築現場であり、食品の生産を企図していない。安全管理者は存在しない。そこで意味不明な行動をおこし、その事故により死亡した」
「異議あり!!裁判長!発言を許してください!!」
「発言を、ゆるすよぉ~!」
「彼らポトポトは新世界秩序を作ろうとしている、『悪魔的エリート集団』を率いており、高度に暗号化された文章でその真意を伝達しています」
「証拠は巧妙に隠されています。国家の中に潜む国家、深淵なる国家、ディープステイトと言ってもいいでしょう」
「証拠はありません、しかし皆さん!!騙されないでください!ここまで証拠がないことが存在するでしょうか?!
「そう、ここまで証拠が残らないことはあり得ません!これこそがディープステイトが存在する証拠なのです!」
「私たち検察は傍聴人の正義を愛する心を信じます!ラメリカ万歳!!!」
――そうだ!!ラメリカ万歳!!RSA!!RSA!!
クソッ!どっちが印象操作だよ?!!
なんちゅう滅茶苦茶な論理だ。無いから在ります?アホか?!
しかしネコマの発言で、傍聴人のアホどもの雰囲気は一気に変わった。
……これは不味いかもしれない。まるで常識が通用しないぞ?
頭痛がしてくるな、頭ないけど。
しかしどんだけ雰囲気に流されやすいんだよ、ラメリカの連中は。
「あの、弁護人からもよいでしょうか!」
ミリアさんがすっと手を上げた。ポトポトの妖怪だったミリアさん。
しかし今日だけは何故か俺には女神のように見えた。
マグロのDHAが見せた、束の間の幻影にすぎなくても、俺はこの幻影を信じようと思った。なぜかそうさせる雰囲気があった。
「機人様は人間に迫害されていた私たち、少数派に過ぎなかった私たちをあえて助け、そのあともずっと面倒を見てくださっています」
「一度は人の国、オーマを滅亡寸前に追い詰めるまで戦いました。しかしその後は、人とエルフ間の争いも止めさせました」
「我々エルフの間に、迫害した人への憎しみが完全に消え去ったからではありません。むしろ強いままです。ではなぜ戦う事を止めたか?」
「それは、最後のひと刺しを止める心がまだあったからです。彼らが居なくなった後の事を考えたからです。人を殺した手は次に何処へ向かうかを考えたからです」
「あなた達の言うディープステイトが何かはよくわかりません。国家の中に潜む国家とは、つまり家族、その中のあなた達一人一人の事を指すのではないでしょうか?」
「我々の求める真なる国家は何処にも存在しません、それはあなた達の心、平和を求める心のうちに存在するからです。」
(ナビさん、流石にミリアさんに吹き込み過ぎじゃない?なんかスゲーこと言いだしてるけど?)
(いえ、私とくになにもしてませんよ。これたぶん彼女の本心かと)
(……マジかぁ、DHAってすげえんだな)
(Cis. 機人様も食べてみます?基盤がショートして死ぬと思いますけど)
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