ヒノ

ひげん

文字の大きさ
26 / 27
第三章

発つ一行跡を濁す

しおりを挟む

騎士専科の上級生と思われる数人の学生がロットを見下した態度でバカにしていた。

「なんなのじゃ、あなたたち?」

グッターが不機嫌な口調で言い返した。

「俺は騎士専科3年のドバザックだ。聞いたことくらいあるだろ?しかし、なんで魔法学園のあんたがそこの落ちこぼれとつるんでいるんだ?」

数人の中のドバザックという少年が偉そうな態度でグッターに言った。

この学園は専科毎に指定の制服があるのだ。グッターが身に着けている魔法学園の制服は体形に程よく合った白のローブで、文官専科の俺とトニーの制服は濃いブラウンのジャケットにグレイのズボン、そして女の子のロットはズボンの代わりにスカートをはいている。騎士専科生は肩や手首に刺繍が縫われた綺麗な青を基調とした上着とぴちっとした白のズボンを身に着けている。ドバザックを含め、周りにいる上級生も騎士専科の制服を着ていた。

「ロットはあたしの友達なのじゃ。彼女を悪く言うのは許さないのじゃ」

グッターはムッとしながら言った。

「あんた知らなかったのか?そいつは昔から俺たちの間では最弱のロットって呼ばれててさ、騎士を目指してたのに、騎士専科の試験では歴代最低点を取った超落ちこぼれなんだよ。あんたのために言うけど、友達になっても何の得もないから、早い内に友達やめな」

ドバザックはロットを見下しながら言った。

ロットは言い返すことなく、彼から目を反らすようにグッターの袖を引っ張りながら「グッター早く行こう」と俺たちにだけ聞こえる小さな声で呟いた。だが、グッターはその場から一歩も動かず、

「ロットは大事な友達なんじゃ。今言ったことを取り消して彼女に謝るのじゃ」

「おいおい、魔法学園のエリートがわざわざそんな何も出来ない弱っちいやつを庇うことないだろ?後ろの如何にも平民っぽい二人とつるんでいる方が彼女にはお似合いなのさ」

「ぅぅぅ、彼女が弱かったら友達になっちゃいけないのか?あなたみたいな脳筋に言われる筋合いはないのじゃ。みんな大切な友達なのじゃ。バカにする人は誰でも許さないのじゃ…騎士専科だからってなんなのじゃ!それに後ろのヒノとトニーの方があなたなんかより百万倍強いのじゃ!」

グッターは怒りに満ちた表情で前に出ながら、ドバザックに向かってまくし立てた。

「なんだと?人が親切で言ってあげたのに。魔法学園だからって調子に乗るなよ…待て!今、後ろのへなちょこ二人が俺よりも強いって言ったか?」

「ああ、そう言ったのじゃ。あなたなんかヒノとトニーの足元にも及ばないのじゃ」

「そいつは聞き捨てならないな。みんな、俺がそこの文官専科のボンクラよりも弱いってさ」

ドバザックは周りの友達に方を見て笑いながら言った。そしてグッターと俺たちに向かって、

「なら証明してみろよ。そこに騎士専科の訓練所があるからさ、見てやるよ。もしかして、本当に戦うことになるなんて考えてなかったか?ケガする前に速く謝りな…だが、もう遅いけどな。俺をバカにしてただで済むと思うなよ」

「早くその訓練所とやらに案内するのじゃ。そして、後悔するがいいのじゃ」

…あれ?…なんか勝手に二人がヒートアップしていって、俺とトニーを巻き込んだ不穏な展開になっちゃったな…

ロットをバカにされて頭に来てはいたが、グッターとドバザックの口喧嘩の展開が早すぎて、俺たちは完全に取り残されてしまっていた。そして、「よし、行くのじゃ」と有無を言わさず勝手に騎士専科の訓練所へと先導するグッターの圧と迫力に、俺たちは成すすべなくついて行くのだった。

そして、俺はあれよあれよという間に、学園の北西に位置する騎士専科の建物横の校庭のような場所でドバザックと相対していた。グッターとドバザックの言い争いを聞いていた他の生徒も野次馬として取り囲んでいた。

すると、ドバザックの仲間の一人がどこかから木剣を二つ持ってきて、一つをドバザックに手渡し、残りの一つを俺に向かって乱暴に放った。投げられた木剣を思わず受け取ってしまったが、すっかり憤怒しているグッターを他所に俺の感情は現状について来ておらず、木剣を構えて睨んできているドバザックの前にただ突っ立っていた。完全に戦う流れになってしまったことに、俺は慌てて場を収拾しようとドバザックに話しかけた。

「あの…暴力で解決するのやめま「ロットとヒノたちをバカにしたことを後悔するのじゃ。ヒノ、そいつをケチョンケチョンにギッダギダにやつけるのじゃ」…せんか…」

怒り心頭のグッターは俺を遮って、場を穏やかに収める最後の機会を潰した。

「文官専科のくせに調子に乗るなよ!うおおお!」

と言って、頭に血が上ったドバザックは、俺が木剣を手に取った瞬間に襲い掛かってきた。怒りに任せた乱暴で激しい打ち下ろしを俺に浴びせてきた。

…なんだろうか…弱い奴ほどよく吠えるってこのことを言うのだろうか…太刀筋は御座なりで速さもなければ威力もなさそうだ…

大きな声を発しながら打ち下してきた木剣を、俺は片手で持った木剣で簡単に受け流した。ドバザックは掛かってきた勢いのまま後ろの方にすっ飛んでいき、大きく態勢を崩した。

「あれ?ヒノ。こいつ、実はすごい弱いんじゃないのか?」

口から素直に漏れ出たトニーの言葉が焚きつけた。

ドバザックは無様な姿を周りに見られたことが相当頭に来たのか、顔を真っ赤にして俺を睨んできた。

「偉そうな態度の割に大したことないのじゃ」

グッターは意地悪な口調でドバザックに聞こえるように言って、焚きつけられた火に油を注いだ。

ドバザックは鬼の形相で俺に連打を浴びせてきた。俺はそれらを全て木剣で受けて止めた。ロットをバカにされたことやいきなり掛かってこられたことへの怒りが冷めてしまうくらい動きが遅く、そして太刀筋に工夫もなかった。その弱さで良く騎士専科に入ることが出来たものだと冷静に思いながら、必死な表情で打ち込んでくる彼の攻撃を全て受け止めていた。そして、実力差に気づいて戦いをやめてくれないものかと願いながら、相手の様子を伺った。

しかし、彼は目に見えるくらい疲弊してきたにも関わらず、引く引けなくなったのか一心不乱に木剣を振り続けていた。だんだん哀れにさえ思えてきた時、ドバザックは俺の喉に向けて突きを繰り出した。まともに入れば絶命すらし兼ねない危険な剣筋だった。殺意を感じた俺は思い切り突き出されてきた木剣を上から叩きつけた。ドバザックの剣先は地面に突き刺さり、それに引っ張られるように彼の上体は前のめりになった。俺は木剣をはじくと同時に前に踏み込んで打ち下した。実践では一瞬の滞りが命取りになるため、はじいてからの攻撃は流れるような一連の動作として体が覚えていた。しかし、攻撃を繰り出した瞬間、明らかに相手を殺すつもりで木剣を振り下ろしたことに気が付き、当たる寸前になんとか軌道をずらした。

あぶねえ…いつの間にか、無意識に相手の急所を狙うようになってしまっているな…

ドバザックは地面に崩れ落ち、死んだかのように倒れたまま動かなくなった。

…あれ…まさか、死んでないよね…

急に血の気が引き、すぐに駆け寄って確認した。

生きてた…よかった…危うく入学初日に殺人犯になるところだった…

だが、そこに怒りが収まりきっていないグッターが近づいて来て、なんと倒れているドバザックに向かって手をかざし魔法をかけた。すると、ドバザックの下の地面は一気に陥没し、舞い上がった土がその上から降り落ちた。それを見たグッターは満足そうにどや顔でのっさのっさと、気まずそうに突っ立っているロットに歩き寄った。

おい~…そんな殺生な止めを刺すなよ…

やんちゃなグッターに呆れながらも、彼女の探査以外の魔法を初めて見た瞬間であった。

「てめえ、ふざけるなあ!」

という声と共に周りで見ていたドバザックの仲間が木剣を携えてやってきた。新たに仲間が合流したのか、7人に増えていた。そして、俺を取り囲んで一斉に掛かってきた。すると、俺の左横から走ってきた一人が突然後ろから乱入してきたトニーの飛び蹴りで吹っ飛んでいった。騒動がだんだん大きくなってきていることに一抹の不安を感じながらも、一人ずつ一撃で倒していき、ものの一分もかからずトニーと二人で全員を返り討ちにした。彼らの実力はドバザックにも劣るお粗末なものだったのだ。

…ラドさんやハンメル団長の戦闘を見てきたからなのか、騎士を選ばれた強者だと思っていたが、彼らが特別だっただけなのかも知れないな。ドバザック程度の強さで騎士専科に受かるんであれば、普通の騎士はそこまで強くないのかも。まあ、全員貴族らしいしな…

「おい!何事だ、これは?」

と声を荒げながら、教師だと思われる三十代半ばの男が他の生徒に連れられて走ってきた。王国騎士団のような服装だったが、モルバイン団長が率いる第七騎士団の青色とは違い、黒を基調としていた。おそらく、他の騎士団なのだろう。

非はラドザックにあるのだから説明すれば分かってくれるはずだと思い、俺はその教師にことの経緯を話した。

「君、文官専科だろ?なぜ騎士専科の学生ともめ事を起こしたのだ?何をやってしまったのかわかっているのか?」

あからさまに騎士専科生に味方するような言い草だった。向うから仕掛けてきたと説明しても、彼はなぜか俺たちに非があるような態度を取った。そして、その教師の指示で野次馬だった学生たちがドバザックを土の中から引き揚げ、倒れている彼の仲間と共に医務室に運んでいった。

…確かに、ドバザックに関してはやりすぎたかも知れない…が、あの一撃であそこまでやられるほど弱いとは思ってなかったしな…だが、グッターが刺した止めの魔法のせいで、土に埋もれているドバザックの見栄えがとにかく悲惨で、俺たち側の印象が悪い…

すると、ドバザックたちが運ばれていった騎士専科の建物から教師がもう一人出て来た。三十代前半で物腰が柔らかそうな出で立ちをしていた。そして、モルバイン団長と同じ青色の騎士服を身に着けていた。

黒服の教師は俺たちを睨みながら怒り口調で青服の教師に事情を話したあと、

「君たちにはしっかりと処罰を受けてもらうからな」

と言って、騒動に関与したロット以外の俺たち3人を学園長室に連れていった。残されたロットは「エドさんに事情を話して戻ってくる」と言って、サクトリース通りの校門に向かって走っていった。

俺たちは学園長室の前でしばらく待たされた。30分以上経ってから、先ほどの教師二人が学園長と新たにもう一人の教師を連れて戻ってきた。黒服の教師はローラルドという名で、第八騎士団の現役騎士だった。青服の教師も第七騎士団の現役騎士でメイナードと呼ばれていた。そして、リントリー学園長と共にやって来たもう一人の二十代後半の女性はアデーレという文官専科の教師だった。

学園長の大きな机の横で立たされている俺たち3人と黒服のローラルド先生が事の次第を説明した。ローラルド先生の説明には明らかな悪意があり、俺たちにとって不利な内容だった。

「そういうわけで、ここにいるヒノ君とマルゲリータさんにドバザック君は大けがさせられ、今も意識がなく医務室で治療を受けているのです。彼を助けようとした生徒たちもみんなこのヒノ君と隣にいるトニー君にやられてしまったのです。文官専科生ごときが将来有望な騎士専科生に乱暴狼藉を働いたのですから、厳罰を持って対処すべきです。学園長!」

「…いや、しかし…ヒノくんたちの話では、ドバザック君の方から絡んでいったというではないか」

「学生同士なら軽い言い合いくらいは日常茶飯事でしょう。友達を悪く言われたからと言って、意識がなくなるまで叩きのめすなど、この学園の生徒として相応しい行為ではありません。すぐに退学処分を」

「しかしだな…一対一で立ち合ったのだから、多少やり過ぎた面はあるにしても、一方的に処罰というのはちょっと違う気はするがの」

学園長は汗を拭きながら、興奮したローラルド先生を治めようとしていた。俺たちに何かがあって、アマドさんを怒らせるのが怖いだけかも知れないが、学園長は俺たちの味方のようだ。

「もしかして、リントリー学園長は魔法学園出身だからその生徒を庇っているのですか?魔法学園が特別扱いだからと言って、いくら何でもそこまで贔屓するのは許されませんよ。そもそも文官専科生ごときが誇りと伝統のある騎士専科生に突っかかっていくこと自体がおかしいのです」

「いや、ここは未来あ「はああ?文官専科ごときですって?」」

場を収めようと必死な様子の学園長の横から文官専科のアデーレ先生が割って入った。そして、ローラルド先生に向かってさらに食って掛かった。

「騎士専科がそんなに偉いんですか?脳筋ばかりじゃないですか!何が誇りと伝統ですか。この国の経済を動かしているのは私たち文官専科を卒業した高官たちなのですよ」

「なんだと!騎士の位は国王から直接授かり、騎士こそがこの国を守り発展させていくのだ」

…だんだん話が違う方向に進んできているな…

「まあまあ、皆さん一旦落ち着いて。大人なのだから」

学園長は何とか落ち着かせようと必死だ。

「学園長はちょっと待っててください。文官専科の新入生に簡単にやられてしまう騎士なんて聞いたことがありませんね。しかも、たった一人に大勢で掛かっていったというではありませんか?騎士の誇りはどこにいったんですか?」

「それはこいつらが真実を言っていないのだ。きっと何か卑怯な手を使ったに違いない」

「おいおい、ローラルド。それは言い過ぎだな。あんたのお気に入りの子がやられたからって八つ当たりするなよ」

青服の第七騎士団のメイナード先生が入ってきた。

「彼は主席を争う優秀な生徒なんだ。それに、第八騎士団への内定も決まっているのだ。文官専科生一人ごときのために彼の大事な将来が奪われたらどう責任取ると言うのだ!」

「それこそ贔屓だぜ。そもそも、ヒノ君だっけ?ヒノ君にドバザック君が一撃でやられるほど弱かったことの方が問題なんじゃないのか?」

「俺の教え子が弱いとでも言うのか?だいたいあんたら第七騎士団なんて一角獣がいなきゃ何も出来ないではないか」

「おい!俺はいいが、騎士団をバカすんなよ!」

「お願いだから皆さん一回落ち着いて冷静になろう」

普段からの不満や個人的な確執までが飛び出し、部屋の中全体に険悪な雰囲気が漂っていた。すると突然、ドアが開きアマドさんが入ってきた。おそらくロットから事情を聞いたエドさんが知らせに行ってくれたのだろう。本当に偉い人なので、こんなことで足を運ばせてしまったことに申し訳ない気持ちになった。そして、隣の学園長の額からは汗が洪水のように流れ出てきていた。

「調査隊のアマドさんがこんなところに何の用でしょうか?今、我々は学園内の問題忙しいのですが」

ローラルド先生は乱暴になっていた言葉遣いを戻しながらも、不機嫌な様子で言った。

「ローラルドさん、彼らはこれから実地研修があって出発しなければならないのですよ。お話なら私が聞きますし、彼らに何かしらの処分があるとしても、後にしてもらえませんか?」

「なんですか、その実地研修というのは?」

ローラルド先生は学園長に向かって聞いた。

「いや…その、文官専科の特別課外活動の一環で…」

「ヒノ君たち、もう行っていいですから。あとはわたしに任せておいて下さい」

アマドさんに促され、俺たちは足早に学園長室を出た。扉の向うではローラルド先生の大きな声が聞こえ、そこにメイナードとアデーレ先生が加わり、その隙間からリントリー学園長が困りながら取り成そうとする声が漏れていた。

結構な騒動になってしまったな…

俺たちはすぐに学園を出て、ロットといっしょに待機していたエドさんにお礼を言いつつ合流した。そして、制服を着替える余裕もなく逃げるように王都を出発したのだった。

騒動を引き起こした張本人たちがいない間、悪化してしまった専科同士の関係が学園全体に不穏な様相を呈し、緊迫感と重苦しさに包まれた日々が続くのだった。そこには、ヒノたちの後始末と専科間を取り持とうと必死に奔走する学園長の姿があった。


しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

転生後はゆっくりと

衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。 日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。 そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。 でも、リリは悲観しない。 前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。 目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。 全25話(予定)

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

「婚約破棄された転生令嬢ですが、王城のメイド五百人に慕われるメイド長になりました。なお元婚約者は私のメイドに土下座中です」

まさき
恋愛
社畜OLとして過労死した私は、異世界の令嬢・アリア・ヴェルナーに転生した。 目が覚めたら、婚約破棄されていた。 理由は「地味で面白みがない」から。 泣く暇もなかった。翌朝、王城のメイド採用面接に向かった。 最初は鼻で笑われた。雑用係からのスタートだった。 でも——前世で叩き込まれた仕事術と、一人ひとりの話を聞く姿勢で、少しずつメイドたちが集まってきた。 厨房が変わった。リネンが変わった。王城全体が変わっていった。 そして就任スピーチで宣言した。 「500人全員の名前を、覚えます」 冷酷と噂される王太子は、静かに見ていた。 悪役令嬢は妨害を仕掛けてきた。 元婚約者は——後悔し始めていた。 婚約破棄された令嬢が、500人に慕われるメイド長になるまでの物語。 なお元婚約者は、私のメイドたちの前で土下座中です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

処理中です...