事務職員として異世界召喚されたけど俺は役に立てそうもありません!

マンゴー山田

文字の大きさ
30 / 48

どこからツッコめばいい?

しおりを挟む

「ごめんねー…ハルトぉ…」
「あー…、気にすんなって」

しょぼんと肩を落としてうなだれている、ハワードを俺が励ましている。
どうやら落ちた俺をシモンの部屋に連れてきてくれたらしく、ベッドで目が覚めた時に見慣れていた天井を見てほっとした。
そんなわけで、今はシモンの部屋にいる。もちろんベッドから降りて、応接室に集まってる。

「でも驚いた」
「何が?」
「涙と鼻水だばだば流してるハワード」
「…君、僕を何だと思ってるの」

久しぶりに会った時、凄く疲れた顔してたハワードを見て心配をかけてたんだな、って申し訳なくなって。
だから受け止めることにしたんだけど。
その結果がまさかのこれ。
いやー、びっくりだ。

「それよりあの人はよかったのか?」
「いいよ。放っておけば」
「…いいんだ」

ぷ!と怒っているハワードに笑えば、ケーキを一口。とはいってもシモンに給餌されてるんだけど。

「やっぱテレンスさんのケーキは最高だなぁ…」
「そう? テレンスがすっごい張り切って作ってたからね。まだあるからいっぱい食べなよ?」
「マジ?! やったぁ!」

ケーキが食えるってだけでも嬉しいのに、どうやら今日はケーキやタルトだけじゃないものも用意してくれているらしい。
マジで嬉しい!
嬉しさのあまり、1人でにまにましてたらなぜかシモンに頭を撫でられている。

なんでだよ。

「なんかハルトって弟って感じがして、構い倒したくなるんだよねぇ…」
「分かる」

ハワードの言葉に賛同する3人。

「ハルトって末っ子か?」
「え? なんで知ってんの?」

グレンの言葉に驚けば「やっぱりか」となぜかトレバーが笑う。

「いや。ハルトを見てると弟たちを思い出してな」
「弟?」
「ああ。ハイスヴァルムにいるんだ」
「ハイスヴァルム?」
「ハルトは知らないよね。ここから南にあるあっつい国のことだよー」
「へー」

南のあっつい国。なにそれ。めっちゃ楽しそう。
南国…というより中東っぽいのかな?

「というか君たちってどんな集まりなの?」
「あー…。こいつらとはたまたま気が合っただけの仲間だったんだよ」
「マジかー」
「そうそう。酒場で飲んでて、気が合ったからパーティ組むかーみたいな」
「そう考えるとかなりの博打を打ったよな」
「酒の力ってこえーな」

あははと笑う3人に、俺も楽しくて。

「じゃあ出身はみんな違うんだ?」
「ああ。オレはテネレツィアブレッザ」
「俺はドウー」

なんか3人の話しを聞くのは新鮮だな。今まで自分たちのことを話しなんてことしなかったし。
…たぶん俺が孤児院育ちって設定だったからかもしれないけど。

「ハルトは?」
「え?」
「お前、どこから来たんだ?」

トレバーのその質問に俺は驚く。まさか振られるとは思わなかったから。
ぱちぱちと瞬きを繰り返してから「ハルトはどっから来たんだ?」ともう一度同じ質問をされてハッとする。

「あ、俺は日本っていう国」
「ニホン?言いづらいな」
「そう?」
「それで、ニホンとやらは何があるんだ?」
「うーん…魔法はない、かな?」
「マジか! じゃあ、めちゃくちゃ不便なんじゃねぇか?!」
「そうでもないよ。魔法の代わりに科学が発達してるから」
「カガク?」

そこからは科学とは何かから始まり、乗り物や家、それに食べ物のことをあれこれと聞かれた。
久しぶりに日本のことを話したからか、急に寂しくなって。
そんな俺を慰めてくれるのはやっぱりこの3人で。

「ごめん。なんか急に寂しくなっちゃって」
「気にするな。それにしてもハルトは本当にこことは違う世界から来たんだな」
「うん。ごめん、黙ってて」
「いや。むしろ今知れてよかったよ。出会ってすぐそんなこと言われても信じられなかったしな」
「めっちゃ疲れてたから、妄言かと思うよな」

あははと笑う3人を見て、俺も笑えばシモンにまた頭を撫でられる。
っておい。

「だから! 成人してるって言ってるだろ!」
「ああ…、すまない。つい頭があると撫でたくなる」
「…背が低いからか?」
「じゃなくてたぶんハルトが甘え慣れてるからだと思うよー」
「そういやさっき末っ子だって言ってたな」
「上に兄ちゃんか姉ちゃんがいるのか?」
「兄ちゃんと姉ちゃんがいるぞ。子供のころは両親が忙しいから、兄ちゃんと姉ちゃんに育ててもらったような気さえする」
「あー…。だからかー…」

俺の家族背景を聞いて「納得」となぜか全員が頷いた。え?

「一緒に風呂に入ることも躊躇わないし、洗ってもらうことにさえ抵抗がない」
「兄ちゃんがいるならそうなるか」
「あんまりにも無防備だから心配してたが、そうか。兄ちゃんがいたからか」
「?」

3人が腕を組んでうんうんと頷いてる。なんかおかしかったか?
どういうこと?とハワードを見れば、どこか複雑な笑みを浮かべていて。
なんだよ。

「つまりはハルトが身体を売ってなくてよかったね、ってこと」
「?!」
「孤児院育ちだと身体を売って金を稼ぐ方法が手っ取り早いからな。それを言っている」
「マジかー…」

そうか。日本だと孤児ってあんまり認識がないけど、孤児院はあるんだもんな。
でも孤児だからって勉強ができないわけじゃない。けど、こっちの世界だとそれすら無理なのか。
孤児はそれぞれ理由があってそうなってるんだろうけど、やっぱりなんか聞いちゃうと胸が痛む。

「風呂の無防備さに何度注意をしたか…」
「ああー…」
「お前ら」

ずも、と黒いオーラを纏ったシモンの低い声に3人がビクリと肩を震わせると、ハワードがけらけらと笑う。
笑ってないで止めろ。

「でも俺はめっちゃ助かってたぞ?」
「それはよかった」

そんなほんわほんわと癒される時間を過ごしていると、コンコンとノックがされる。
おや?

「団長」
「なんだ」
「第二団長がお見えですが」
「通さなくていい」
「え?」

いいの?とシモンを見れば、すんっとしていて。
完全に取り合う気ないなこりゃ、と見えない相手に向かって南無、と手を合わせることができず左手で拝むポーズをすると、ばぁん!と扉が開いた。
おおう。びっくりした。

「おい!シモン! 異世界人の目が覚めたらさっさと…っていたのか」
「おう。ケーキ食ってた」
「何くつろいてんだ! さっさと来い!」
「どこに?」
「兄…陛下の所だ」
「え? マジ?」

やっぱりこの人、ハワードの家族か。
めっちゃ顔似てるもんな。性格も似てるし。

「ハワード」
「なんだよ。クソが」
「クソクソ言うな。お前も呼ばれてるだろ」
「ハルトの右腕を奪っておいて何を今さら。僕は行かないよ。ハルトもね」

なんだ? 兄弟仲悪いのか?
ちらりとクソ(名前忘れた)を見れば、やっぱり高圧的で好きになれそうにない。

「行かなくていいなら行かない」
「おい!」
「俺がここに来たのはハワードの様子を見に来ただけだし」
「…調子にのるなよ。異世界人がッ!」
「調子に乗っているのはそちらですよ。マシュー団長」
「なにをッ!」

そのすぐカッとするところは短所だね。それがなければノリのいいお兄さんなんだけど。

「ここは第一騎士団長である私の権限が通る場所。あなたをここに招き入れた覚えはありません」
「――――~ッ!」
「それを捻じ曲げるのはいかがなものかと思いますが?」
「オレは…ッ!」
「第二王子だとさらに権力をかざしますか?」
「だとしたら第二王子自身がルールを捻じ曲げることになるねー」
「今なら第二王子だと権力を振りかざしたところは聞かなかったことにしましょう」
「………っ! この…っ!」

おー。すげー。
マシュークソの顔が真っ赤だ。
というかシモンも“私”っていうんだな。ちょっときゅんとしたとか言わないぞ。
でもなんか可哀想になってきた。元はノリのいいお兄さんだし。

「いいよ。分かった」
「ハルト?」
「なんか可哀想になってきたし」
「可哀想って言うな!」

もー、俺にまでつっかかるのやめてもらえませんかね?
まぁなんか可哀想なのは本当だし。

「分かったって。行くから」
「今すぐに…」
「ところでマシュー第二団長」
「なんだ!」
「あなたは今、誰の許可を得てここにいらっしゃるのですか?」

うっわ。シモン、容赦ねぇ。
あー、ほら見ろー。悔しさのあまりぶるぶる拳が震えてんじゃん。

「――――ッ! 失礼するッ!」
「あ、ちゃんと行くから! それだけは伝えといて!」
「うるさい!」

そう言って乱暴にドアを閉めるクソ…マシュー殿下。
そのドアをぽかんと見つめる俺と3人。やれやれと肩を竦めるハワードとシモン。
そしてあれがきっと厄介事なんだろうと理解した。
確かにあれは面倒くさそう。ちょっと遊ぶくらいなら楽しいんだろうけど。

「ごめんねー。クソ兄が」
「いや…別にいいけど」
「まさか権限を無視して来るとはな。油断した」
「というか、ハワードのお兄さん…なんだよね?」
「ん? そうだねー。それがどうかしたー?」
「…ハワード。気付け」
「うん?」

ハワードって時々抜けてるんだよねー。まぁ、そこにいやさ…癒されないぞ。ああ。癒されない。

「ハワードのお兄さんってことはハワードって第三王子になるわけじゃん?」
「? そうだね?」
「…やばくない?」
「なにが?」
「いや。普通にこうやって話すのが」
「なんで?」
「………………」

きょとんとしているハワードにどうしたものかと苦笑いを浮かべれば、3人も同様で。

「つまり。ハワードってこの国の第三王子なわけじゃん?」
「そうだね?」
「で、俺ら、王族と普通にこうやって話してて問題ないの?」
「ないない。あるわけないじゃん!」
「じゃあ、今まで通りでいいってことか?」
「もちろん!」
「だ、そうだ」

どことなく緊張してた3人だけど、今まで通りでいいって。

「まさか王族と知り合いになるとはな…」
「人生何が起こるか分からんな」
「ホントだよ…」

はぁと息を吐く3人に「すまんな」と心で謝れば「あれ?」とそこでようやくハワードが気付いたらしい。

「ハルトって僕が王族だって気付いてたの?」
「まぁ、なんとなく?」
「そうなんだ。なら言ってくれればよかったのにー」
「いや。言っていいか分からんし」
「別に気にしないよー?」
「少しは気にしろ」

おお。ヒューが果敢に突っ込んだぞ。
それにハワードも「えー」と笑うだけ。本当に気にしてないんだ。

「じゃあ、一番上のお兄さんが今の陛下ってこと?」

あれ? でも俺が会った時は言い方は悪いがおじいさんみたいな人だったぞ? その人が一番上なのかって言われたらそうなんだろうけど。

「今の陛下は2番目の兄。ちなみにハルトの右腕を持って来いって言った人ね」
「ああー…。え?」

何さらっと爆弾発言してんだよ。
余りに自然で聞き逃すところだったわ。

「じゃあ、シモンが言われて俺の腕を?」
「ああ。そのことなんだけどな」

すっと右手を上げて話始めるのはトレバー。

「ハルトの腹が鳴って話せなかったけど、右腕を持って行った奴は兄さんじゃない」
「? どういうこと?」

見た目も完全にシモンだったけど…。ちょっと様子がおかしかったけど。

「そのことについて聞きたいんだが…」
「なに?」
「兄さんもどきを家に入れたのはハルトか?」

もどきって…。まぁ確かにシモンじゃなきゃそうなるか。
そしてトレバーの質問だけど…。

「入れてない」
「なら鍵を閉め忘れた?」
「ヒューに言われてきちんと鍵は閉めた」
「と、なるとクソ兄だ」
「? 俺はてっきりトレバー達が出てすぐにシモンに出会って入れたって思ってたけど…違うのか?」
「ああ。俺たちが戻ってきてから会った」
「じゃあ…?」

俺が見たシモンは誰だったのか。
そう思えば、途端に寒気が襲ってくる。

本当によく生きてたな。俺。

「そのことなんだけどね。恐らく僕の魔道具を勝手に使ったんだよ」
「魔道具?」
「そ。ハルトからヒントをもらって作ったんだ」
「どんな?」

ハワードの作った魔道具…ってことは性能がめっちゃよさそう。
指輪型のシールド?もめちゃくちゃよかったし。

「自分の姿を他人に見せる魔道具」
「なにそれ。めっちゃ怖いやつじゃん」

素直にそう言えば「そうなんだよね」と力なく笑うハワード。

「どこから漏れたのかは分からないけど、僕がそれを作ってることを知ってる人間が取りに来たみたいなんだよ」
「え? マジか」
「まぁ十中八九テレンスから漏れてるんだろうけど」
「えぇ…」

あの強面のテレンスさんが? にわかに信じられない。

「まぁそんなわけで、ハルト。君を襲ったのは近衛兵だよ」
「近衛兵って…偉い人を守る人たちだよな?」
「そうそう。クソ兄を守ってる人たち」
「そう言えばなんで2番目の兄貴が陛下なんぞをやってんだ?」

話してる最中はあんまり気にならなかったけど、改めて口にすればやっぱりおかしい。
そしたらハワードの表情から表情がごっそり抜けた。

あ。これ地雷だった。

話しの内容から察するべきだった。

「あ、えと…なんとなく…」
「いいんだよ。ハルトは知る権利があるからね」

そう力なく話すハワードに、俺はやっちまったと反省をする。
トレバー達からの視線も痛い。ホント、悪かったって。

「『朔月』については話したよね?」
「あ、ああ」
「その時、僕は第一騎士団にいたんだ」
「え? 第一って…」

シモンが率いている所だよな? そう思ってシモンを見れば、こくりと頷かれた。
え? ハワードが第一騎士団に?

「当時は第4王子だったからね。王になれる確率なんか0だったから第一騎士団にいたんだ」
「あのさ。話しの腰を折って悪いんだけど、その第一と第二の違いって何?」
「第一騎士団は死ぬ確率が高いから、貴族の三男や四男が属していることが多い。第二騎士団は次男、つまり長男が死んだときのスペアが所属している」
「スペア…」

そういえばイギリスの王子様も「スペアとして育てられた」みたいな本出してたな。
マジでスペア扱いなのか。

「だから第一騎士団にいたんだけど、7年前の大規模な『朔月』で兄上が命を落とした」
「…ごめん」
「いいよ。どうせあのクソ兄が話すだろうし。それもあって順位が繰り上がってクソ兄…クソが二人いると面倒だな。よし、バカ兄が陛下代理をこなしてる」
「代理…。そう言えば俺がここに来た時は…」
「あれが父上。どうも最近は体調がよくなくてね。バカ兄が代わりになってる」
「なるほど」

でもそれと俺の右腕の関係が分からない。

「バカ兄も25階のことは腹に据えかねててさ。そんな時、ハルトの右腕に大精霊様が契約したって話しを聞いて暴走したんだよ」
「まぁ…気持ちもは分からんでもないけど、右腕だけ持って行かれても困るしな」
「そこなんだよ。謝りたいのは」
「うん?」
「僕とシモンはバカ兄にハルトを連れてこいって散々言われてたんだけど、それを無視してたんだ。その結果がこれ。ホントにごめん」

そう言い終えると、頭を下げた。
なるほど。厄介事はマシュー殿下だけじゃなかったってことか。
そしてマシュー殿下のあの言葉。

「いいよ。俺も気にしてない」
「右腕を失ったのはオレたちのせいだ。何を言っても受け入れる」
「だから気にしてないって。ハワードとシモンが陛下と会わせないようにしていたのもなんか理由があるんだろ?」
「…まぁ。ただでさえこの世界に無理やり連れてきて、更に右腕の件。少し考える時間がないと、僕みたいに壊れちゃうんじゃないかって思ったんだよ」
「壊れる?」
「そ。『朔月』で兄上が死んだって聞いた時に、ね。僕が先走らなきゃ、兄上は…」

そこまで言って唇を噛むハワードに、俺は何も言えなくて。
多分、一番後悔してるのはハワードだ。何があったかは分からない。けど、壊れるくらいには後悔をしている。

「あの、さ」
「?」
「右腕がなくなって結構便利になったんだよ」
「え?」

俺の言葉にきょとんとするハワード。それにシモンも驚いている。
まぁ当然か。

「着替えが楽になった」
「右腕があるときは袖に通すの大変だったもんな…」
「そうそう。それにぱっと見は腕があるように見えるから『可哀想』って視線がなくなった」
「街を歩いてると冒険者からよく『大変だな』とか言われてたもんな」
「結構悲しかったもんな。あれ」
「だから、そんな気に病むなよ。腕を失った本人がいいって思ってんだから」
「ハルト…」

確かに腕がないのは悲しい。けど、あっても俺の意志じゃ動かせないのだから、あってもなくても一緒だからな。
寧ろなくなって頭の切り替えができた。

「そ…っか」
「そうそう。だから、な?」
「うん。分かった。じゃあ謝るのは最後」
「そうしてくれ」

にっと笑えば、ハワードも笑い返してくれて。やっぱりハワードは暗い顔より明るい顔じゃないと俺も調子でないしな。

「よし。じゃあそろそろ行こうか」
「ああ」
「俺たちはここにいた方がいいのか?」
「君たちも来て。すっごい面白いものが見れるから」
「面白い?」

トレバー達が顔を見合わせると、ハワードがどこか吹っ切れたようににまにましている。
シモンは呆れた様子だけど、その口元が上に向いてるから機嫌はいいみたいだ。

そう言うわけで、3人に助けてもらいながらやってきました謁見の間。
めっちゃ重そうな扉があるけど、裏ダンジョンの扉の方が重そうなんて言ったら怒られそうだから言わない。
そして、ズズッと重そうな音を立てて扉が開き、その先に見えたのは…。

“ようやっと来おったか”
「俺の右腕!」

なぜか光り輝きながら陛下と思しき前に立っている。
え…ええー…?
そしてその陛下…だけど…。

「土下座!」

もうやだ! ツッコミが追いつかない!
そんな光景にいっそのこと逃げ出したい俺だった。



しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

2度目の異世界移転。あの時の少年がいい歳になっていて殺気立って睨んでくるんだけど。

ありま氷炎
BL
高校一年の時、道路陥没の事故に巻き込まれ、三日間記憶がない。 異世界転移した記憶はあるんだけど、夢だと思っていた。 二年後、どうやら異世界転移してしまったらしい。 しかもこれは二度目で、あれは夢ではなかったようだった。 再会した少年はすっかりいい歳になっていて、殺気立って睨んでくるんだけど。

「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。

キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ! あらすじ 「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」 貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。 冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。 彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。 「旦那様は俺に無関心」 そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。 バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!? 「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」 怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。 えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの? 実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった! 「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」 「過保護すぎて冒険になりません!!」 Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。 すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。

《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか
BL
24歳の英雄公爵✕29歳の日本に帰りたい異世界転移した青年

この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜

COCO
BL
「ミミルがいないの……?」 涙目でそうつぶやいた僕を見て、 騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。 前世は政治家の家に生まれたけど、 愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。 最後はストーカーの担任に殺された。 でも今世では…… 「ルカは、僕らの宝物だよ」 目を覚ました僕は、 最強の父と美しい母に全力で愛されていた。 全員190cm超えの“男しかいない世界”で、 小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。 魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは── 「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」 これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。

異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる

七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。 だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。 そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。 唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。 優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。 穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。 ――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください! できるかぎり毎日? お話の予告と皆の裏話? のあがるインスタとYouTube インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

処理中です...