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第26話 リカーナを見つめるノーマン。ん?もしかして好きなの?
しおりを挟む「いい加減、俺たちの名前も覚えてくださいよ姐さん!」
マッチョパーティのリーダーがぼやく。
「しょーがないなぁ。んじゃ、一人ずつ自己紹介して」
マッチョパーティの五人は、目を輝かせて自己紹介を始める。
「うす! まず俺がリーダーのカイエン。剣術士です」
ボサボサ頭のゴリラ顔がカイエンね。
「俺はキース。武術士だ」
坊主頭で顔に傷があるのがキース。
「俺はクレイドル。弓術士さ」
クレイドルは髪がサラサラ。長髪でちょっとイケメンかも。
「私はケイト。神術士です」
おかっぱ頭で眼鏡がケイトだね。
「僕はコーネリア。魔術士だよ」
この中で最年少っぽい、童顔でショートヘアがコーネリア。
とにかくみんなマッチョ。
「よし、覚えた! 覚えたよマッチョパーティ!」
「そのマッチョパーティってのやめて下さいよ。俺らにはワイルド・アベンジャーズってパーティ名があるんですから」
カイエンがそう言って口を尖らせる。
「だって呼びやすいんだもん。わかったよ。次からはワイルド・アベンジャーズって呼んであげるわ」
「あざっす!」
そこからは、事あるごとにメンバーの名前を呼んであげた。みんな名前を覚えられたのが余程嬉しかったのか、うえーい! と乾杯をしまくっている。
「師匠! ちょっと聞きたい事が......」
「何、ノーマン」
ノーマンは私を師匠と呼ぶようになった。子分から弟子に昇格したんだよね。後で暗殺の技を教えてあげよう。
「あの、リカーナさんって、彼氏いるんですか?」
ノーマンがヒソヒソと耳打ちしてくる。
「今は居ないわ。全員別れたから」
「全員!? って、一体何人彼氏いたんですか?」
「さぁ? 正確な数字はわからないけど、沢山いたわよ。なんたってサキュバスだから。あんたに彼女の相手が務まるかしらねー。クス♡」
リカーナはワイルド・アベンジャーズと騒いでいる。それを見つめるノーマン。
「それでもいいです。俺は、彼女に惚れました。あの純粋で可愛いらしい笑顔を見てると、心が癒されます。彼女の事は、俺が守ります」
「へぇ。男らしいじゃん。応援するよ。頑張って!」
「ありがとうございます!」
私がバシンと背中を叩くと、ノーマンはリカーナの側に行って、談笑し始めた。頑張れ、ノーマン!
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