【完結】生贄にされた第九皇子、邪神に見込まれて最強の使徒になる。

アキ・スマイリー

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第2話 邪神と契約。

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(あなたは誰ですか?)

 僕は心の中で問い返した。

(俺はベルゲニウス。邪神と呼ばれる者だ。お前に選択する権利を与えようと思って、こうして語りかけている)

(選択?)

(そうだ。このまま俺の生贄となって死ぬか。それとも、俺と契約して使徒となり生き延びるか。二つに一つだ)

 生きる、と言う選択肢があるのか......。なら、答えは簡単だ。僕は生きたい。生きて、知りたい。兄上達や父上が僕にした行いは、果たして正しいのかどうか。

 強者に従い、弱者は虐げて搾取する。そう教えられて来た事に、僕はどうしても納得出来なかった。

(生きたいです。だけど、どうして僕を助けてくれるんですか? 他の生贄達は、みんな食べたんですよね)

 僕は素朴な疑問が浮かび、邪神に尋ねた。不思議な気持ちだった。兄上達や父上には、これまで恐ろしくて質問なんてした事はなかったのに。

 死に直面した事で、恐怖を感じなくなったのだろうか。

(そうだな。一言で言えば、お前が気に入った。お前のような純真無垢な魂を持った者に出会ったのは久しぶりだ。かつての我が親友と、よく似ている。だから助けてやろうと思ったのだ。それに、本当なら人間など食いたくはないからな。さて、生きる事を選択すると言ったな? では、契約を結んでもらおう)

(結びます。何をすればいいですか?)

(よし、では誓え。邪神ベルゲニウスへの忠誠を。そして、歪んだ信仰によって邪神となった俺の汚名を晴らし、善行を積め。俺が「聖なる導きの神」に戻れるように布教するのだ。それを誓えるのならば新しい体を与え、俺の使徒にしてやる)

(わかりました。邪神ベルゲニウス様に忠誠を誓います。そして良い行いとは何なのかをしっかり考え、善行を積んで布教致します)

(よし。それでいい。今からお前は俺の使徒だ。よろしく頼むぞ。所でお前の名は何という?)

(リオンです)

(リオンだと!? 魂が似ているだけではなく、名前まで俺の親友と同じではないか! これは運命かも知れんな。お前は我が友、リオンの生まれ変わりなのかも知れん。よし、では今後は俺の事はベルと呼べ。敬語もいらん。俺もお前を友と思って話す)

(え? 忠誠を誓うのに敬語使わなくていいんですか?)

(ああそうだ。堅っ苦しいのは嫌いなんだよ。いいだろ?)

(え、あ、はい。じゃなかった、いいよ。それじゃあよろしくね、ベル)

(おう! よろしくな、リオン! お、そうだ。俺の使徒になったからには特典があるぞ。新しい体を二つやる。これらは俺のかつての親友、リオンの体だったものだ。奴が死んだ際に預かっていた。お前は多分リオンの生まれ変わりで、つまりこれは元々お前の体だ。だから返却という形になるな。男と女、一つずつある。それぞれに特徴があるから、うまく使い分けてくれ)

(うん、わかった!)

 新しい体。一体、どんな姿なんだろうか。僕は久しぶりにワクワクした。

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