【完結】生贄にされた第九皇子、邪神に見込まれて最強の使徒になる。

アキ・スマイリー

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第16話 作戦開始。

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 僕とジョアンはベルの魔法【空間旅行】によって、サルート村の前まで転移した。まもなくここにゴブリンの乗った気球がやって来る。

 ちなみに僕の全身を赤く染めていた返り血は、ベルの魔法で綺麗にしてもらった。

「ジョアン、ボクはここで気球を待ち構えるから、村の人達をなるべく離れた場所へ避難させて欲しいんだ。お願い出来る?」

「ああ、任せてくれ」

 ジョアンはそう言って胸を叩くと、一番手前に見える家へと走って行った。

 ゴブリンを村に侵入させるつもりはないが、万が一と言う事もある。ジョアンは話しが上手だから、きっと村の人達も信じてくれるだろう。

「あいつを連れて来て正解だったな」

「うん......そうかもね」

 そんなやり取りをしながら、僕は気球がやって来るのを待った。

 それからしばらくして、ジョアンが村の中から戻って来た。

「待たせたな。全員、奥の集会所に避難した。村長の話を聞いたんだが、この村も相当ゴブリンの被害にあっているそうだ。娘達も数人ゴブリンにさらわれている。だがランカスト村と同様、駐在騎士団と冒険者は村を守るだけで手一杯だったようだ。人数も少ないしな。今は集会所の防衛に当たってもらってるよ」

「ありがとうジョアン。この短時間で村人全員を避難させるなんて流石だよ」

 僕がそう言って褒めると、ジョアンは照れ臭そうに鼻の頭を掻いた。

「そうか? そう言ってもらえて嬉しいよ」

 僕とジョアンはお互いに微笑み合った。

(来たぞ)

 ベルの警告を受けて上空を見る。確かに遠くの空に、豆粒ほどの大きさの気球十数機が見える。

「さぁて、やりますか」

 僕は準備体操を始めた。ジョアンは緊張した面持ちで剣を抜き放つ。

「俺はここで、ゴブリンが村に入るのを阻止する。それなら君の邪魔にはならないし、役に立てると思うんだ」

 ニヤリと笑うジョアン。

「ありがとう。お陰でゴブリンの殲滅に専念出来そうだよ。取り逃した時はよろしくね」

「ああ、任せておいてくれ」

 僕はジョアンと拳を合わせ、気球の真下へと進んだ。

「ギャハハハハハッ!」

 ちょうどそのタイミングで、空から無数のゴブリンが降って来た。

「まだ【戦闘狂】は温存しておけよ」

「わかってる!」

 僕には作戦があった。戦闘の効率化を図りつつ、もしかしたらジョアンにも見せ場が出来るかも知れない作戦。

 まぁ本当は彼を危険な目には合わせたくないけど、ジョアンにもプライドがある筈だ。手伝ってもらうべき事は、無理せず手伝ってもらった方がお互いの為にも良い筈だ。

 僕は落ちてくるゴブリンを見上げ、意識を戦闘に集中させた。
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