【完結】生贄にされた第九皇子、邪神に見込まれて最強の使徒になる。

アキ・スマイリー

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第31話 気球に乗って。

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 僕は再び「攻撃特化型」に変身し、女性の姿で気球に乗り込んだ。ちなみにジョアンもサルート村で死んだ事になっている為、女の子へ変身。「暗殺特化型」と言うタイプらしい。

 気球のスピードは驚く程早く、あっと言う間にサルート村へ到着。村長マティアスさんにゴブリン王国の壊滅、および攫われた人々の救出を報告した。

 ジョアンとクリザヘルは、余計な問答を避ける為に気球で待機してもらう事にした。救出した女性達にも、僕たちの素性は明かしていない。ただ冒険者、とだけ告げておいた。

 村長のマティアスさんは救出された女性達と抱き合い、涙を流して喜んだ。

「本当にありがとうございました、リオン様。是非ともお礼をさせて下さい。まずは村を上げて、宴を開かさせて頂きます」

「いえ、村長。ありがたい申し出なのですが、すいません。ランカスト村の冒険者ギルドへ急いで報告しなければならないので、これにて失礼致します」

「しかしそれではあまりにも......」

「大丈夫です。ゴブリン退治を冒険者ギルドに依頼したのは、この一帯の村や町を治める領主、ヴァンガルド伯爵様です。領主様から報酬を頂くのですから、皆様から改めてお礼を頂く必要はないのです。どうかお気になさらず」

 僕は笑顔でそう答え、それでも食い下がるマティアス村長をどうにか説得してサルート村を後にした。

 サルート村からランカスト村への道のりは、中々に遠い。徒歩なら一日、早馬でも半日はかかる。

 だが気球なら、数十分程度で到着する。本当に素晴らしい乗り物だった。おまけに魔法で温度も快適に保たれていて、大人が十人以上乗っても余裕の広々空間。しかも使わない時は、小さな魔法の筒へと仕舞っておける。

「本当にすごいものを考えたね、クリザヘル」

「リオン様にそう言って頂けるなんて感激ですわ」

「まぁ、作ったのはゴブリン共だけどな」

「ジョアン様は、いつも私にお厳しいですわ」

 そんなやり取りをしている内に、ランカスト村へ到着。今回は三人で村へ入る事にした。

 ランカスト村も、サルート村と同様に木の柵で覆われていて、入り口には門番の騎士が立っている。既に僕とは顔見知りだ。

「おお、お帰りリオンちゃん! その様子じゃ、ゴブリン共を討伐出来たみたいだな!」

「うん、お陰様でね」

「そうか! 良かった良かった! みんなきっと喜ぶぞ! あれ? ジョアンはどうした? 一緒じゃないのか? それにその人達は......」

 僕はジョアンがゴブリンの毒に侵されて死んだ事。そして連れの二人はゴブリンに捕まっていた女性達だと説明した。

「そうか、ジョアンが......立派な最後だったんだな」

 門番の騎士は泣きながら僕たちを村へ通してくれた。美少女になっているジョアンは、なんだかバツの悪そうな顔で僕を見ていた。

 

 


 

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