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奴隷から聖女へ。
第13話 魔怪騎士団。
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「ブヒィー! アリエッタ貴様ぁ! ブヒ殺す!」
パンデリンの体から、無数の触手が伸びて私を捕らえる。触手は一本一本が蛇のように蠢き、私の手足の自由を奪い、首や体を締め付ける。
「何これ、気持ち悪っ!」
「ブヒブヒ、このまま骨を砕いて柔らかくしてから食ってやる!」
パンデリンは口の端から流れ落ちた唾液を手首で拭い、ブヒヒッと笑う。
「アリエッタ!」
ネリスが女体化変身し、拳に炎をまとわせる。
「おおっと! 手を出すなよネリス。この女の骨を砕くのが、少し早まるぞ。ブヒィ!」
「くっ......」
ネリスは悔しそうに歯を食いしばる。
「ブヒッ! いまだぁー!」
パンデリンの体から、さらに無数の触手が伸びる。それはネリスの豊満かつ引き締まった女体を捕らえ、がんじがらめにする。
「くぅぅっ!」
身悶えするネリス。ちょっとセクシーだ。
「ブヒヒ! ネリス! 貴様さえ封じてしまえばこちらのものよ! もはや私に敵はおらんわ! さぁて、ゆっくり味わって食ってやろう!」
触手達は意思を持ったように蠢き、私とネリスの服の中まで侵入を始めた。これはちょっとまずいかも知れない。少しだけ急ぐとしょう。
「ねぇパンデリン。どうだった、監獄での下級奴隷としての仕事は。楽しかった?」
私の質問に、パンデリンのこめかみに青筋が浮かび上がる。
「楽しい訳があるか! 看守共め、私がこれまで目をかけてやった事も忘れて私をこき使いおって! おまけに侮辱も受けた! 罰も受けた! 新しい看守長も、私を見下していた! 仕事を失敗するたびに殴られ、魔獣に食わせると脅された! ふざけおって! 貴様らをブヒ殺したら、あの監獄の連中も皆殺しだ! ブヒー!」
ワナワナと震えるパンデリン。ロークが新たに制定した奴隷使用に関する規約は、奴隷に人権を保護するものだが......パンデリンだけは除外する様に指示しておいたのだ。
「そう、それは良かった。それが今まであなたがやってきた事。思い知ったでしょう?」
私はパンデリンを嘲笑するような口調でそう言った。パンデリンは目を血走らせ、触手を波打たせる。
「やかましいブヒ! 食う! 喰い殺す!」
「無駄よ!」
私は絡みつく触手を、勢いよく手足を伸ばす事で引きちぎり、首やその他色々な場所に這いずり回る触手達も、素早くちぎって捨てた。
「ネリス!」
「ああ!」
ネリスも私の無事を確認し、自分の体に絡みつく触手を引きちぎる。
「ブヒィ! ば、馬鹿な! アリエッタ! 貴様のどこにそんな力が......」
うろたえるパンデリンに、私はもう一度指を差す。
「魔王を侮るな。私は魔術が無ければ何も出来ぬ訳ではないのだ。隷属の首輪による拘束も消えた以上、私は世界最強。武術も魔術も剣術も、私の右に出る者はおらぬ。ネリスは私が同等に育てるつもりだがな。さて、もういいか? 貴様の豚面にももう飽きたぞ」
「魔王だと!? 笑わせるな! 魔王はこの世にただ一人、ファリエッダ・シェダール様のみ! 貴様などではないわ! ブヒブヒ!」
怒りをあらわに叫ぶパンデリン。どうやら本気で言っているようだ。オークラルド大監獄で私が魔王であると宣言した事を、すっかり忘れている。
だが、いくらパンデリンが低脳でも、それは奇妙な事だった。何者かが彼に魔術、もしくは何らかの「加護」能力を使い、記憶の書き換えと姿の変貌を成したのだ。
「ブヒッ! 魔王を騙る不届き者め! 魔王様の直属の部下【魔怪騎士団】の一員であるこの私が、成敗してくれるわ!」
パンデリンは再び全身から触手を生やし、ビュワーッと伸ばしてくる。
「アリエッタ、危ない! ヘル・バーニング!」
ネリスが私の前に躍り出て、燃える手足で触手を消し炭へと変えて行く。私一人でも対処可能だが、恋人に守られるのは嬉しいものだ。
「ありがとうネリス。今、そいつ殺すわ」
私は一瞬、周囲の状況を確認する。現在地である「魔の森の手前の街道」は無人で、周囲には建築物も無い。ワールの乗った馬車もだいぶ遠くまで逃げた。
魔術の使用に問題は無さそうだ。
「バラギウス・アスモダイ! 砕け散れ!」
魔術「粉砕の呪文」を放つ。
「ふごぉっ! アリエッ、ダァー!」
パンデリンの体は内部から一瞬で膨れ上がり、爆裂した。粉砕された肉片や血液は空中で消滅し、わずかに赤い霧を残す。
「やったね、アリエッタ!」
胸を揺らしながら駆け寄ってくるネリス。本当に羨ましいくらいの曲線美だ。
「うん! ネリスのおかげだよ。ありがとう」
私達は抱き合い、キスをする。
「馬車、行っちゃったね」
ひとしきりキスを楽しんだ後、ネリスは馬車の逃げだった方向を見つめて目を細める。
「そうだね......だけど幸いな事に、荷物は全部私の【異空間収納】に仕舞ってある。それに魔の森はもうすぐ。このまま歩いて行きましょう。元々その予定だったしね」
「そうだね。魔の森の中は魔獣でいっぱいだ。人間には危険すぎる。まぁ、半魔人である僕達にとっても、それは同じ事だけど」
ネリスはそう言って微笑む。危険すぎるとは言いつつも、全く恐れてはいない。元々勇敢ではあったけど、素晴らしい成長ぶりだ。
「あなたがいれば、どこだろうと平気だよ。さぁ行こう、ネリス!」
「うん!」
私達は魔の森に向かって走り出した。パンデリンの裏にいる存在が気にはなるが、今は考えるだけ無駄だろう。おそらくそいつは、私とネリスを狙っている。ならばいずれ答えは見えてくる筈だ。
まずは「力」を手に入れる。聖女と勇者の力。全てはそれからだ!
パンデリンの体から、無数の触手が伸びて私を捕らえる。触手は一本一本が蛇のように蠢き、私の手足の自由を奪い、首や体を締め付ける。
「何これ、気持ち悪っ!」
「ブヒブヒ、このまま骨を砕いて柔らかくしてから食ってやる!」
パンデリンは口の端から流れ落ちた唾液を手首で拭い、ブヒヒッと笑う。
「アリエッタ!」
ネリスが女体化変身し、拳に炎をまとわせる。
「おおっと! 手を出すなよネリス。この女の骨を砕くのが、少し早まるぞ。ブヒィ!」
「くっ......」
ネリスは悔しそうに歯を食いしばる。
「ブヒッ! いまだぁー!」
パンデリンの体から、さらに無数の触手が伸びる。それはネリスの豊満かつ引き締まった女体を捕らえ、がんじがらめにする。
「くぅぅっ!」
身悶えするネリス。ちょっとセクシーだ。
「ブヒヒ! ネリス! 貴様さえ封じてしまえばこちらのものよ! もはや私に敵はおらんわ! さぁて、ゆっくり味わって食ってやろう!」
触手達は意思を持ったように蠢き、私とネリスの服の中まで侵入を始めた。これはちょっとまずいかも知れない。少しだけ急ぐとしょう。
「ねぇパンデリン。どうだった、監獄での下級奴隷としての仕事は。楽しかった?」
私の質問に、パンデリンのこめかみに青筋が浮かび上がる。
「楽しい訳があるか! 看守共め、私がこれまで目をかけてやった事も忘れて私をこき使いおって! おまけに侮辱も受けた! 罰も受けた! 新しい看守長も、私を見下していた! 仕事を失敗するたびに殴られ、魔獣に食わせると脅された! ふざけおって! 貴様らをブヒ殺したら、あの監獄の連中も皆殺しだ! ブヒー!」
ワナワナと震えるパンデリン。ロークが新たに制定した奴隷使用に関する規約は、奴隷に人権を保護するものだが......パンデリンだけは除外する様に指示しておいたのだ。
「そう、それは良かった。それが今まであなたがやってきた事。思い知ったでしょう?」
私はパンデリンを嘲笑するような口調でそう言った。パンデリンは目を血走らせ、触手を波打たせる。
「やかましいブヒ! 食う! 喰い殺す!」
「無駄よ!」
私は絡みつく触手を、勢いよく手足を伸ばす事で引きちぎり、首やその他色々な場所に這いずり回る触手達も、素早くちぎって捨てた。
「ネリス!」
「ああ!」
ネリスも私の無事を確認し、自分の体に絡みつく触手を引きちぎる。
「ブヒィ! ば、馬鹿な! アリエッタ! 貴様のどこにそんな力が......」
うろたえるパンデリンに、私はもう一度指を差す。
「魔王を侮るな。私は魔術が無ければ何も出来ぬ訳ではないのだ。隷属の首輪による拘束も消えた以上、私は世界最強。武術も魔術も剣術も、私の右に出る者はおらぬ。ネリスは私が同等に育てるつもりだがな。さて、もういいか? 貴様の豚面にももう飽きたぞ」
「魔王だと!? 笑わせるな! 魔王はこの世にただ一人、ファリエッダ・シェダール様のみ! 貴様などではないわ! ブヒブヒ!」
怒りをあらわに叫ぶパンデリン。どうやら本気で言っているようだ。オークラルド大監獄で私が魔王であると宣言した事を、すっかり忘れている。
だが、いくらパンデリンが低脳でも、それは奇妙な事だった。何者かが彼に魔術、もしくは何らかの「加護」能力を使い、記憶の書き換えと姿の変貌を成したのだ。
「ブヒッ! 魔王を騙る不届き者め! 魔王様の直属の部下【魔怪騎士団】の一員であるこの私が、成敗してくれるわ!」
パンデリンは再び全身から触手を生やし、ビュワーッと伸ばしてくる。
「アリエッタ、危ない! ヘル・バーニング!」
ネリスが私の前に躍り出て、燃える手足で触手を消し炭へと変えて行く。私一人でも対処可能だが、恋人に守られるのは嬉しいものだ。
「ありがとうネリス。今、そいつ殺すわ」
私は一瞬、周囲の状況を確認する。現在地である「魔の森の手前の街道」は無人で、周囲には建築物も無い。ワールの乗った馬車もだいぶ遠くまで逃げた。
魔術の使用に問題は無さそうだ。
「バラギウス・アスモダイ! 砕け散れ!」
魔術「粉砕の呪文」を放つ。
「ふごぉっ! アリエッ、ダァー!」
パンデリンの体は内部から一瞬で膨れ上がり、爆裂した。粉砕された肉片や血液は空中で消滅し、わずかに赤い霧を残す。
「やったね、アリエッタ!」
胸を揺らしながら駆け寄ってくるネリス。本当に羨ましいくらいの曲線美だ。
「うん! ネリスのおかげだよ。ありがとう」
私達は抱き合い、キスをする。
「馬車、行っちゃったね」
ひとしきりキスを楽しんだ後、ネリスは馬車の逃げだった方向を見つめて目を細める。
「そうだね......だけど幸いな事に、荷物は全部私の【異空間収納】に仕舞ってある。それに魔の森はもうすぐ。このまま歩いて行きましょう。元々その予定だったしね」
「そうだね。魔の森の中は魔獣でいっぱいだ。人間には危険すぎる。まぁ、半魔人である僕達にとっても、それは同じ事だけど」
ネリスはそう言って微笑む。危険すぎるとは言いつつも、全く恐れてはいない。元々勇敢ではあったけど、素晴らしい成長ぶりだ。
「あなたがいれば、どこだろうと平気だよ。さぁ行こう、ネリス!」
「うん!」
私達は魔の森に向かって走り出した。パンデリンの裏にいる存在が気にはなるが、今は考えるだけ無駄だろう。おそらくそいつは、私とネリスを狙っている。ならばいずれ答えは見えてくる筈だ。
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