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第2章
第14話 異質な存在。
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迷宮都市ロバロガルダスの中心に位置するダンジョン「ラス」。地下に広がるその内部は広大であり、最深部は地下百階。そこには「魔王」と呼ばれる強力なモンスターがいるという。倒せば莫大な財宝、そして力が手に入ると言われている。
だがステインはそんなものに興味はなかった。困っている人々を助け、日々を暮らしていければそれで満足なのだ。
彼が今回収集しようとしている素材「スライム液」。目的の二リットルを集めるには、スライムを二十匹程討伐する必要がある。
スライムが出現するのはダンジョンの上層部。最初の地下一階から三階までのフロアを探索していれば、たやすく収集出来る筈である。
(さて、サクサク行こうか)
ステインはフィーリア婚約の一件でかなり精神的ダメージを負っていた為、早く酒を飲んで寝てしまいたい気分だった。
上層部では同じEランクの冒険者達が多く歩いていた。すれ違う度に挨拶をするので、自然と顔馴染みになっていく。
スライム二十匹。いくつかの魔術を使えば一箇所にスライムを集め、一網打尽する事が出来る。そうすれば、仕事は一瞬で完了だ。
だが、ダンジョン上層部は人目が多い。ステインは剣を用いて地道にスライムを退治していった。彼らは透明な軟体生物で、中心に見える核を切れば液状化する。
液状化したスライムを水筒に詰める。この水筒には魔術が施されており、液体に飲口を当てればそれを吸い取ってくれる。軽くて小さいが、五リットルまでの液体を入れる事が可能だ。
「ふぅ。これで二リットル集まったな」
二十匹目のスライムからスライム液を採取したステインは、立ち上がって水筒をポーチにしまった。
(早く帰って、酒を飲んで寝よう)
ステインはダンジョンを入り口の扉に向かって引き返し始めた。すると、彼の後ろの方から大きな騒ぎ声や破壊音が聞こえて来た。
「助けてくれー!」
助けを求める悲鳴に、ステインは素早く振り返る。そこには信じられない光景が広がっていた。
次々と弾き飛ばされていく冒険者達。その中心に立つのは巨大なゴリラ型モンスター「オンスロート・コング」だ。本来なら地下三十階よりも下、中層部に生息するモンスターの筈だ。
「ウボォォォォッ!」
巨大な拳を胸板に打ちつけ、ドラミングを開始するオンスロート・コング。その迫力に圧倒され、冒険者達は腰を抜かしている。この場にいるのはEランクやDランクの冒険者ばかり。オンスロート・コングを目にするのはもちろん初めてであり、戦意を喪失してしまうのも無理のない事だった。
「ルクス・エグザ・マイン!」
ステインは「鑑定の呪文」を唱え、素早く冒険者達の安否を確認した。どうやら死者はいない。だが弾き飛ばされた冒険者達は瀕死の重症。そしてオンスロート・コングの周囲には腰を抜かした冒険者が多数。このままでは皆の命が危ない。
ステインの真の実力が周囲に知られてしまう事になるが、仕方がない。ステインがひっそりと暮らしたいという願望など、人の命には代えられないのだ。
「今助けるぞ!」
ステインはオンスロート・コングに向かって駆け出そうとした。だがその瞬間、誰かに肩を掴まれる。
「おっさん待て! ひ弱なあんたじゃ役不足! あいつは俺たち『流麗なる剣撃団』が始末する!」
男の声だった。ステインが振り返ると、そこにはSランク冒険者パーティーの一団。今しがたダンジョンに入ってきたのだろう。彼らは六人から構成され、その全てが剣術を得意としている。
オンスロート・コングはBランクのモンスター。Sランクならば対処可能だろう、とステインは素直に引いた。
「流麗なる剣撃団」は素早くオンスロート・コングを取り囲み、その名の通り流れる華麗な剣捌きで追い詰めていく、かのように見えた。
「ウボォォォォアアアアアッ!」
彼らの剣は、オンスロート・コングに傷付一つ負わせる事はなかった。そして巨大な拳で次々と弾き飛ばされていく。
そのうちの一人、彼らのリーダーであるサンドリクスがステインの間近に吹っ飛んできて床を滑る。
「クッ! 体が動かない。逃げろおっさん。あいつはただのオンスロート・コングじゃない。次元が違う。Sランク以上だ......! 何であんなのが上層にいやがるんだ」
サンドリクスは息も絶え絶えにそう言った。ステインは再び全員を「鑑定の呪文」で調べる。そしてまだ死者は出ていない事を確かめ、安堵する。オンスロート・コングはステインの事など眼中にないようで、再びドラミングを始めた。
「残念ながら逃げる訳にはいかないようです。どうやら戦えるのは私だけのようですしね」
「い、いやいや、そのバッジ、あんたEランクだろ? ミンチにされちまうのがオチだって」
サンドリクスはステインの胸についたバッジを見つめた。冒険者の胸にはランクを示すバッジがつけられているのだ。等級ごとに動物の模様が入っており、ステインはEランクを表す「猫」。サンドリクスはSランクを表す「竜」の模様が、それぞれ印されている。
「それでも戦わなければ、この場にいる人々は死んでしまうでしょう。私の事が信頼出来ないのなら、あなたの剣を貸して下さいませんか。あなた程の方が持つ剣なら、さぞかし斬れ味も良いのでしょう?」
ステインはそう言って、サンドリクスに右手を差し出した。するとサンドリクスはフッと笑う。
「あんた、今時珍しく正義感の強い人なんだな。まぁ勝てる見込みは激薄だが、あんたに賭けるとしよう。だが情けない事に俺はもう動けない。ダメージがデカすぎてな。すまないが、剣は勝手に持っていってくれ。名工が鍛えた逸品だ。愛着がある剣だから、大事に扱ってくれよ」
「ええ、お任せ下さい」
ステインは微笑んで、サンドリクスの右手付近に落ちている剣を持つ。
「お借りします!」
ステインはそう叫ぶと同時に駆け出した。魔術を使わずとも彼の足はとてつもなく早い。一瞬でオンスロート・コングとの間合いを詰める。
ステインの接近に気付いたオンスロート・コングはドラミングをやめて攻撃に転じる。
「ウゴォォォッ!」
ブオンッ! と巨大な拳がステインを襲う。だが彼はそれを高い跳躍でヒラリとかわし、そのまま空中で剣を構えた。
そしてフッと軽く息を吐き、一太刀(ひとたち)。その剣筋は鮮やかで、周囲の冒険者達には光が一筋走ったように見えた。
ステインが華麗に着地した次の瞬間、オンスロート・コングの動きは停止する。そして右肩から左脇腹までを横断する様に、体から鮮血が噴き出した。
怪物の体は斜めにずれていって二つに分かれ、「ドズゥン」と轟音をたてて床に崩れる。
ステインはフゥ、とため息をつきながら剣を振って血を払う。ビシャリ、と床に血が模様を走らせた。
周囲の冒険者達は、新たな英雄の出現に目を輝かせた。だが喝采を送る事は出来ない。それほどまでに、彼らの体は傷を負っていた。
ステインはオンスロート・コングが動かない事を確認し、冒険者達を「治癒の呪文」で治療した。彼らの体に活力が戻ると、その場は一気に賑やかになる。
喝采や賛辞の言葉を浴びながら、ステインはサンドリクスの元へ戻った。そして彼を治癒の呪文で癒し、剣を返却する。
「この剣のお陰で勝てました。ありがとうございます」
微笑むステイン。サンドリクスも剣を受け取りながら笑みをこぼす。
「フッ。あんたは本当に謙虚なお人だ。それほどの実力を持ちながらEランクにとどまっているのは、きっと訳があるんだろう。だがこの場にいた冒険者達は皆、あんたの強さと優しさを忘れはしない。もう隠すのは無理かもしれないぜ」
「ええ、覚悟の上です。人の命よりも大切なものなどありませんから」
歯を見せて笑うステインに、サンドリクスは強い感銘を受けた。
「俺の名前はサンドリクス・オーロマルキン。『流麗なる剣撃団』のリーダーだ。名前を聞かせてくれないか」
右手を差し出し、握手を求めるサンドリクス。ステインはガッチリとその手を握り、握手に応える。
「ステイン・ユグドラシルです。よろしくお願いします」
ステインが名前を告げると、サンドリクスはニヤリと笑って彼をグッと引き寄せて肩を組む。
「おい皆聞いてくれ! 俺たちを救ったこの英雄の名前はステイン・ユグドラシル! Eランクの最強冒険者だ!」
オオオーッ! と歓声が上がる。そして皆がステインの名を呼び、讃えた。
「リーダー、俺たちにも紹介して下さいよ!」
「流麗なる剣撃団」のメンバー五人がステインとサンドリクスを取り囲む。
「ああ、そうだな! それじゃあステインを讃える会を開催する! つまりこれからパーッと飲みに行こうって事だぜ! もちろん俺の奢りだ! 一緒に来てくれるか、ステイン!」
「そうですね、冒険者ギルドに報告をした後であれば......」
「おーっし! 決まりだ! いくぞみんな! そっちにいる連中も来たかったら来ていいぞ! 全員分俺の奢りだ!」
ステインに救われたEランクとDランクの冒険者、合わせて数十名がオオオーッと雄叫びをあげる。
サンドリクスに肩を組まれたまま、押し流されるようにしてダンジョンの出口に向かうステイン。今日はさっさと寝るつもりだったのだが、完全に予定外の方向に事態は進んでいる。
(まぁ、たまには良いか)
などと思いながら、ステインは冒険者の濁流に流されていったのだった。
だがステインはそんなものに興味はなかった。困っている人々を助け、日々を暮らしていければそれで満足なのだ。
彼が今回収集しようとしている素材「スライム液」。目的の二リットルを集めるには、スライムを二十匹程討伐する必要がある。
スライムが出現するのはダンジョンの上層部。最初の地下一階から三階までのフロアを探索していれば、たやすく収集出来る筈である。
(さて、サクサク行こうか)
ステインはフィーリア婚約の一件でかなり精神的ダメージを負っていた為、早く酒を飲んで寝てしまいたい気分だった。
上層部では同じEランクの冒険者達が多く歩いていた。すれ違う度に挨拶をするので、自然と顔馴染みになっていく。
スライム二十匹。いくつかの魔術を使えば一箇所にスライムを集め、一網打尽する事が出来る。そうすれば、仕事は一瞬で完了だ。
だが、ダンジョン上層部は人目が多い。ステインは剣を用いて地道にスライムを退治していった。彼らは透明な軟体生物で、中心に見える核を切れば液状化する。
液状化したスライムを水筒に詰める。この水筒には魔術が施されており、液体に飲口を当てればそれを吸い取ってくれる。軽くて小さいが、五リットルまでの液体を入れる事が可能だ。
「ふぅ。これで二リットル集まったな」
二十匹目のスライムからスライム液を採取したステインは、立ち上がって水筒をポーチにしまった。
(早く帰って、酒を飲んで寝よう)
ステインはダンジョンを入り口の扉に向かって引き返し始めた。すると、彼の後ろの方から大きな騒ぎ声や破壊音が聞こえて来た。
「助けてくれー!」
助けを求める悲鳴に、ステインは素早く振り返る。そこには信じられない光景が広がっていた。
次々と弾き飛ばされていく冒険者達。その中心に立つのは巨大なゴリラ型モンスター「オンスロート・コング」だ。本来なら地下三十階よりも下、中層部に生息するモンスターの筈だ。
「ウボォォォォッ!」
巨大な拳を胸板に打ちつけ、ドラミングを開始するオンスロート・コング。その迫力に圧倒され、冒険者達は腰を抜かしている。この場にいるのはEランクやDランクの冒険者ばかり。オンスロート・コングを目にするのはもちろん初めてであり、戦意を喪失してしまうのも無理のない事だった。
「ルクス・エグザ・マイン!」
ステインは「鑑定の呪文」を唱え、素早く冒険者達の安否を確認した。どうやら死者はいない。だが弾き飛ばされた冒険者達は瀕死の重症。そしてオンスロート・コングの周囲には腰を抜かした冒険者が多数。このままでは皆の命が危ない。
ステインの真の実力が周囲に知られてしまう事になるが、仕方がない。ステインがひっそりと暮らしたいという願望など、人の命には代えられないのだ。
「今助けるぞ!」
ステインはオンスロート・コングに向かって駆け出そうとした。だがその瞬間、誰かに肩を掴まれる。
「おっさん待て! ひ弱なあんたじゃ役不足! あいつは俺たち『流麗なる剣撃団』が始末する!」
男の声だった。ステインが振り返ると、そこにはSランク冒険者パーティーの一団。今しがたダンジョンに入ってきたのだろう。彼らは六人から構成され、その全てが剣術を得意としている。
オンスロート・コングはBランクのモンスター。Sランクならば対処可能だろう、とステインは素直に引いた。
「流麗なる剣撃団」は素早くオンスロート・コングを取り囲み、その名の通り流れる華麗な剣捌きで追い詰めていく、かのように見えた。
「ウボォォォォアアアアアッ!」
彼らの剣は、オンスロート・コングに傷付一つ負わせる事はなかった。そして巨大な拳で次々と弾き飛ばされていく。
そのうちの一人、彼らのリーダーであるサンドリクスがステインの間近に吹っ飛んできて床を滑る。
「クッ! 体が動かない。逃げろおっさん。あいつはただのオンスロート・コングじゃない。次元が違う。Sランク以上だ......! 何であんなのが上層にいやがるんだ」
サンドリクスは息も絶え絶えにそう言った。ステインは再び全員を「鑑定の呪文」で調べる。そしてまだ死者は出ていない事を確かめ、安堵する。オンスロート・コングはステインの事など眼中にないようで、再びドラミングを始めた。
「残念ながら逃げる訳にはいかないようです。どうやら戦えるのは私だけのようですしね」
「い、いやいや、そのバッジ、あんたEランクだろ? ミンチにされちまうのがオチだって」
サンドリクスはステインの胸についたバッジを見つめた。冒険者の胸にはランクを示すバッジがつけられているのだ。等級ごとに動物の模様が入っており、ステインはEランクを表す「猫」。サンドリクスはSランクを表す「竜」の模様が、それぞれ印されている。
「それでも戦わなければ、この場にいる人々は死んでしまうでしょう。私の事が信頼出来ないのなら、あなたの剣を貸して下さいませんか。あなた程の方が持つ剣なら、さぞかし斬れ味も良いのでしょう?」
ステインはそう言って、サンドリクスに右手を差し出した。するとサンドリクスはフッと笑う。
「あんた、今時珍しく正義感の強い人なんだな。まぁ勝てる見込みは激薄だが、あんたに賭けるとしよう。だが情けない事に俺はもう動けない。ダメージがデカすぎてな。すまないが、剣は勝手に持っていってくれ。名工が鍛えた逸品だ。愛着がある剣だから、大事に扱ってくれよ」
「ええ、お任せ下さい」
ステインは微笑んで、サンドリクスの右手付近に落ちている剣を持つ。
「お借りします!」
ステインはそう叫ぶと同時に駆け出した。魔術を使わずとも彼の足はとてつもなく早い。一瞬でオンスロート・コングとの間合いを詰める。
ステインの接近に気付いたオンスロート・コングはドラミングをやめて攻撃に転じる。
「ウゴォォォッ!」
ブオンッ! と巨大な拳がステインを襲う。だが彼はそれを高い跳躍でヒラリとかわし、そのまま空中で剣を構えた。
そしてフッと軽く息を吐き、一太刀(ひとたち)。その剣筋は鮮やかで、周囲の冒険者達には光が一筋走ったように見えた。
ステインが華麗に着地した次の瞬間、オンスロート・コングの動きは停止する。そして右肩から左脇腹までを横断する様に、体から鮮血が噴き出した。
怪物の体は斜めにずれていって二つに分かれ、「ドズゥン」と轟音をたてて床に崩れる。
ステインはフゥ、とため息をつきながら剣を振って血を払う。ビシャリ、と床に血が模様を走らせた。
周囲の冒険者達は、新たな英雄の出現に目を輝かせた。だが喝采を送る事は出来ない。それほどまでに、彼らの体は傷を負っていた。
ステインはオンスロート・コングが動かない事を確認し、冒険者達を「治癒の呪文」で治療した。彼らの体に活力が戻ると、その場は一気に賑やかになる。
喝采や賛辞の言葉を浴びながら、ステインはサンドリクスの元へ戻った。そして彼を治癒の呪文で癒し、剣を返却する。
「この剣のお陰で勝てました。ありがとうございます」
微笑むステイン。サンドリクスも剣を受け取りながら笑みをこぼす。
「フッ。あんたは本当に謙虚なお人だ。それほどの実力を持ちながらEランクにとどまっているのは、きっと訳があるんだろう。だがこの場にいた冒険者達は皆、あんたの強さと優しさを忘れはしない。もう隠すのは無理かもしれないぜ」
「ええ、覚悟の上です。人の命よりも大切なものなどありませんから」
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「俺の名前はサンドリクス・オーロマルキン。『流麗なる剣撃団』のリーダーだ。名前を聞かせてくれないか」
右手を差し出し、握手を求めるサンドリクス。ステインはガッチリとその手を握り、握手に応える。
「ステイン・ユグドラシルです。よろしくお願いします」
ステインが名前を告げると、サンドリクスはニヤリと笑って彼をグッと引き寄せて肩を組む。
「おい皆聞いてくれ! 俺たちを救ったこの英雄の名前はステイン・ユグドラシル! Eランクの最強冒険者だ!」
オオオーッ! と歓声が上がる。そして皆がステインの名を呼び、讃えた。
「リーダー、俺たちにも紹介して下さいよ!」
「流麗なる剣撃団」のメンバー五人がステインとサンドリクスを取り囲む。
「ああ、そうだな! それじゃあステインを讃える会を開催する! つまりこれからパーッと飲みに行こうって事だぜ! もちろん俺の奢りだ! 一緒に来てくれるか、ステイン!」
「そうですね、冒険者ギルドに報告をした後であれば......」
「おーっし! 決まりだ! いくぞみんな! そっちにいる連中も来たかったら来ていいぞ! 全員分俺の奢りだ!」
ステインに救われたEランクとDランクの冒険者、合わせて数十名がオオオーッと雄叫びをあげる。
サンドリクスに肩を組まれたまま、押し流されるようにしてダンジョンの出口に向かうステイン。今日はさっさと寝るつもりだったのだが、完全に予定外の方向に事態は進んでいる。
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この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
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