10 / 52
今日から憲兵編。

第10話 姉とイチャついてしまいました。

しおりを挟む
「おはようフェレル君」

「ん......? ああ、おはようリゼ。え? あれ? な......」

 フェレルは眠い目を擦ったが、リゼを見てギョッとした。彼女はほとんど裸のような格好で、フェレルの上に馬乗りになっているのだ。

「な、な、なななな何この状況! なんでリゼが俺にまたがってるんだ!? 俺の童貞はどうなった!? まだ清い体!? いや、いいんだけど! 童貞じゃなくなってていいんだけど、覚えて無いのは残念すぎる!」

 フェレルはパニックに陥った。自分はフェイの姿に変身していた筈なのに、いつのまにかフェレルに戻っている。それにこの状況はなんだ。これではまるで、男女の......。

「そんなに驚く事ないじゃないか。年頃の男女が一つのベッドで寝ていたら、こうなるのは自然な事だ。さぁ、一緒に気持ち良くなろう」

 リゼはそう言って、フェレルに覆いかぶさるようにキスをしてくる。

「いやいやいや! ちょっとリゼちゃん!? 早まらないで! 俺たちまだ、そんな関係じゃないと思うんだけど!? もっとお互いの事を良く知ってからの方がいいと思うし、一旦落ち着こう! シャワー浴びて来よう!」

 テンパるフェレル。そんな彼を見つめ、ペロリと唇を舐めるリゼ。

「いいや、私は君の事は良く知っているよ。さぁ、恥ずかしがらずに。私の中に入って来て......」

「ああああダメッ! 飲み込まれッ、やばい、気持ちいいッ、リゼッ! あああー!」

 そこでハッ!と目覚めるフェレル。

「はぁ、はぁ、夢か......!」

 息が荒い。額の汗を拭いながら上半身を起こし、自身の体を見下ろす。

 とてつもなく大きな二つの膨らみ。間違いなく、今の自分はフェイの姿になっている。

 隣には、可愛らしい寝息を立ながらリゼが眠っている。

「むにゃむにゃ。フェレル君、だいしゅき......♡」

「えっ!? 俺の夢!?」

 フェイフェレルは先程の夢を思い出し、もしかして同じ夢を見ているのでは!? と想像する。

 リゼとは最近会ったばかりの筈。自分が好きになってもらう要素は、どこにも見当たらない。だが、どうやら夢の中でフェレルを好きだと言っているのは間違いないようだ。

「うう......恋愛経験皆無な俺には、女の子の気持ちなんてさっぱりわからないよ」

 そう呟きながら、リゼの寝姿を眺める。いつものキリリとした表情からはだいぶかけ離れた、幸せそうな、ふんわりとした笑顔。口は半開きでよだれが垂れているし、衣服は乱れまくって胸元があらわになっている。

 エロい。可愛い。エロい。

「くぅ......リゼ......なんでそんなにエロ可愛いんだ。もう俺、我慢出来ないよ......でもダメだ。我慢、しなきゃ」

 リゼの寝姿に欲情する自分をどうにか抑え、フェイフェレルは深い溜息をついた。そして、壁にかかった時計を確認してギョギョッとする。

 憲兵の出勤時間は朝七時。なのに今は......!

「リゼ姉起きて! もう六時三十分だよ! 遅刻する!」

 リゼの肩をトントンと叩く。するとその手をガシッと掴まれて、瞬時にベッドに押し倒された。位置が逆転し、リゼがフェイに馬乗りになる。

「うわぁ、これって夢と同じ体勢! リゼ姉、寝ぼけてるの!?」

 焦るフェイ。リゼは薄目を開けて、ムフフと笑う。

「おはようフェイ♡ お姉ちゃんとイチャイチャしよ♡」

 リゼはフェイの大きすぎる胸を揉みしだきながら、激しくキスをしてくる。

「あっ、ちょっ、ダメだよリゼ姉! 絶対寝ぼけてるし! やっ、そこクリクリしちゃ、らめぇぇッ!」

 リゼはフェイを好き放題めちゃくちゃにし、ようやくハッと目を覚ます。

「おや!? おお、おはようフェイ」

「はぁ、はぁ、おはよう、リゼ姉......急がないと、遅刻、しゅるよ......」

 リゼにめちゃくちゃにされて、なかば放心状態のフェイ。どうにか危機的状況をリゼに伝える。

「むむッ! 本当だ! これは非常にまずいな! 急ごうフェイ! ほら、早く起きるんだ!」

「ふぁーい」

 全身を「気持ち良く」され、反論する気力も失ったフェイ。どうにか起き上がり、服装を出勤用へと「変身」させる。

 リゼも自室へ戻り、あっと言う前に着替えて戻ってきた。だが、まだ髪型は乱れている。

「リゼ姉、寝癖すごいよ」

「フッ、案ずるな妹よ。魔法を使えば解決だ。我が偉大なる神、秩序を司りしアドファニカよ。失われた姿を取り戻す祝福を、我に与えたまえ」

 リゼが杖を掲げてそう呟くと、その寝癖は一瞬で整う。彼女の得意とする白魔法の「形状回復」だ。リゼは神の使徒となる事で超常の力を発揮する「白魔法」使いなのである。

「ふぇー、本当に便利だよね魔法って」

「ふふっ、まぁお前のスキル【変身】程では無いがな。よし、準備は出来た。急ごう! 朝食は庁舎の皆に挨拶してから、ゆっくり取ればいい」

「うん、行こう!」

 二人はもう一度時計を確認し、ダッシュで家を飛び出した。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?

タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。 白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。 しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。 王妃リディアの嫉妬。 王太子レオンの盲信。 そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。 「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」 そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。 彼女はただ一言だけ残した。 「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」 誰もそれを脅しとは受け取らなかった。 だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

処理中です...