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追放ざまぁ殺人事件編。

第24話 取り引きしましょう。

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 フェイはミントの魔法で「猪突猛進亭」に戻り、ガルとミルが滞在している部屋の扉をノックする。扉の前では、クライスが彼らを見張っていた。

「ガルさん、ミルさん、フェイです。捜査に進展がありましたので、お話させて下さい」

 ガチャリとドアが開き、ミルが顔を出した。

「あの、ケランが捕まったって聞いたんだけど......」

「ええ、その件でミルさんだけにお話が。申し訳ないんですが、一旦ガルさんには退室していただいてもよろしいでしょうか」

「ええ、わかったわ。ガル、部屋から出てってくれる?」

「チッ、わかったよ」

 ガルは不服そうに部屋を出たが、クライスに睨まれて大人しくなる。

「クライス、ミント、ミルさんと二人で話したいから外で見張ってて。誰も中に入れないでね」

「わかった」

「了解です」

 二人が頷くのを確認し、フェイは部屋に入った。部屋には最低限の家具が備え付けられている。

「どうぞ、座って下さい」

 フェイはミルに椅子を勧め、自分も向かい側の椅子に腰掛けた。

「それで、話って? ああ、私も殺人幇助で逮捕されるって訳?」

 ミルはため息をついて、遠くを見つめた。

「いえ、その話じゃないんです。実は、ケランが誰かに操られていた事が判明しまして。私の見立てでは、真犯人はガルさんだと思うんです」

「ええ!? ガルが!? そんな......! いえ、そうね。あり得るわ」

 ミルは納得するように何度も頷く。

「あいつはランディを妬んでた。自分よりも優れた奴が許せないのよ。そっか......私達の計画をどうにかして知って、逆手に取ったんだわ」

 考え込むように、親指を噛むミル。

「ええ、私もそう思います。そこでミルさんにお願いがあります。私はガルさんの自供が欲しい。彼が自らの罪を告白するように、促して頂けませんか? これは取り引きです。協力して頂けるなら、殺人幇助の罪はなかった事にしてもいい」

「それは、いい話ね。わかったわ、協力する」

「ありがとうございます。では、今からガルさんを部屋に呼びますので、よろしくお願いします」

「ええ、任せて」

 フェイは一旦部屋の外に出て、ガルを部屋に入れた。

「ではお願いします、ミルさん。今日ケランは何人もの人々を虐殺し、街に火をつけた。それをガルさんがやらせたのかどうか。その自供が欲しいんです」

「え? ランディとシンディを殺した事じゃなくて?」

「ええ、そうです。ランディとシンディを殺した事自体には、ケランの感情も少なからず入っている。ガルさんが操っていたかどうかの確証は得られない」

「なるほど......確かにそうね」

「おい、お前ら一体何の話をしてるんだ?」

 フェイとミルの会話に、ガルが割って入る。

「あなたが真犯人だって話をしてたのよ、ガル!」

 ミルはガルの胸に人差し指を押し付け、怒鳴る。

「な、俺が!? なんでそうなるんだよ! 俺は、ケランの奴に恨まれてんだぞ! ランディみたいに殺される所だったんだ! お前がケランをけしかけたんだろ!? なら分かってる筈だ!」

「黙りなさい!」

 ガルは反論したが、再びミルが怒鳴るとビクンと震えた。フェイは、黙って二人の様子を見ている。

「あなたは、ケランを操った。私とケランが共謀して、あなた達を殺そうとしている事を知ってね。そして以前から妬んでいたランディをケランに殺させ、本当は手に入れたかったシンディも殺させた。そして最後は街で暴れさせ、罪のない人達も巻き込んで殺させた! 街にも火を放った! ケランを犯人にして、憲兵達に捕らえさせる為に! そうなんでしょう、ガル!」

「......」

 ミルが問い詰めると、ガルは焦点が合わない目で虚空を見つめた。

「そうだ......全部俺がケランにやらせた事だ。ランディとシンディを殺し、街の連中を殺し、街に火をつけた。奴を操ったんだ」

 ガルが自白した。ミルはニヤリと笑い、フェイを振り返った。

「ほら、自白したわよ。これで契約成立ね。殺人幇助の罪は消えるんでしょ!?」

「ええ、消えます。その代わり、より重い罪である殺人教唆になりますね」

「ハァ!? あんた一体何言ってんの!?」

 ミルが怒りをあらわにし、フェイの襟を掴む。

「暴行罪も追加ですね」

 フェイは淡々と告げる。

「ミルさん。真犯人は、あなたです」






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