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追放ざまぁ殺人事件編。

第23話 真犯人が浮上しました。

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「復讐を考えていたのは確かです。ですが、殺そうとは思っていませんでした。あのダンジョンで能力が覚醒してから、僕が僕ではなくなるみたいで......」

 ここは憲兵庁舎の取り調べ室。フェイとケランは二人きりで、机を挟んで向かい合っている。

 ケランは本心から戸惑っているようだった。フェイは一連の流れ、これまでの会話等から既に黒幕の検討がついていた。
 
 そして、さらにその裏にいる真の黒幕。それはまだ推測に過ぎないが、ほぼ確信している。この事件の裏には、シェイプシフターが絡んでいる。

「なるほど。ちなみに、そのダンジョンに行くように進めたのはミルさんですよね。彼女は、誰にダンジョンの事を聞いたか言っていましたか?」

「いえ......言っていませんでした。いい事聞いたのよ、としか」

「そうですか。わかりました」

 フェイは一瞬目を閉じ、自分の考えをまとめるように顎に指を当てた。

「あなたは、いわば被害者でもあります。この殺人は、別の真犯人によって仕組まれたもの。ですが、だからと言ってあなたを無罪放免にする訳には行きません。あなたは、ランディとシンディを殺した。それは認めて下さいますね?」

「はい、認めます。裁きをうけ、罪を償います」

「素直ですね」

「はい。街の広場で燃え盛る炎を見ていた時、ふと我に返ったんです。僕は一体、何をしていたんだろうって。だけど、あなたの姿を見たら自分が犯した罪を思い出してしまった。それでつい、逃げようとしてしまったんです。すいませんでした」

 ケランは深々と頭を下げた。

「やはり、そうでしたか。わかりました。では私は真犯人を捕らえに行きます。ケランさんは、留置場で裁きをお待ちください。二、三日で裁定者フェイト様がいらっしゃると思います。正しい裁きを、下すでしょう」

「はい......! あの、フェイ捜査官!」

「なんでしょうか」

 立ち去ろうとするフェイを、ケランが呼び止める。

「真犯人って、誰なんですか?」

「それは......」

 フェイはケランに、真犯人の名前を告げた。

「そ、そんな......!」

 がっくりとうなだれるケラン。

「あなたも本当は気づいていた筈です。でも、認めたくなかった。そうでしょう?」

「......はい。その通りです」

 ケランはうなだれたまま、そう答えた。

「では、失礼します」

 フェイは取り調べ室を出て、魔通機でミントに連絡を取る。

「ミント、状況は?」

「あ、フェイさん。言われた通り、ケランが捕まった事は伝えました。そのまま宿屋に待機してもらっています」

「そう、わかった。ケランの取り調べは終わったから、庁舎まで迎えに来てくれる? ミルと話したい事があるから」

「了解です」

 ミントとの通話を切り、フェイは黙考した。

 真犯人は彼女。そして裏で糸を引いているのは、きっと彼だ。彼女も、操られている事には気づいていない。

 だが、それでいい。シェイプシフターの存在は、誰にも知られては行けない。もしも知られれば、社会は混乱に陥る。

 だから、自分が始末する。誰にも気付かれず、殺された、という事実さえも闇に葬って。







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