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フェイの足跡とミントの呪い編。
第32話 魔法省大臣って、ただの変態エロジジイですね。
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「ここが魔法省......!」
あまりの荘厳さに、フェレルは思わずそう呟く。
黒と金色を基調とした外装は、それ全体が美術品と言っても差し支えない程に美しく、巨大だった。
魔法使いは基本的に自由だが、魔法の探究者、そして教育者でもある魔導士は国家に仕える存在。彼らの働く魔法省もまた、国家直属の機関だ。
フェレルは深呼吸した。圧倒されてはいけない。あくまでも自然に振る舞わなくてはならない。
建物を見上げる。入り口までは階段を登らなくてはならないようだ。結構段数はあるが、フェレルは警戒な足取りで跳ねるように登って行く。
登り切った。入り口に扉は無く、解放されている。来るものは拒まず、と言った所だろう。
中に入ると、黒いローブを身にまとった魔導士達が数人見えた。部屋から部屋へと行き交っている。忙しそうだ。
フェレルは無数にある部屋達の、黒い扉に書かれている金色の文字を素早く読んだ。
「うん、あそこがいい」
フェレルは扉を一つ選び、すたすたと歩いて近づき、ノックした。扉には「魔法省大臣室」と書かれている。
「はい、どちら様でしょう」
扉が少し開き、長身でメガネをかけた青年が顔を見せた。おそらく大臣の執事だろう。
「こんにちは。私は魔導士フェイ様の使いでやって来ました、フィオと申します。大臣様に書状を預かって参りました。例の件です」
書状も例の件もフェレルのでっち上げだが、効果はあったようだ。執事は「少々お待ち下さい」と言って引っ込んで行った。そしてしばらくして、扉の前に戻って来る。
「大臣がお会いになるそうです。くれぐれも、失礼のないように」
「はい、かしこまりました」
少女の姿をしたフェレルは、可愛らしくお辞儀をして部屋に入る。
室内には、数々の見事な調度品や絵画。そして用途の分からない不思議な魔道具が、卓越したセンスで配置されていた。
部屋の奥には立派な机があり、大臣が鎮座している。大臣と執事の他に、人はいないようだ。
「ホッホッ、可愛らしいお嬢さんだ。フィオ、と言ったかな。ほら、早くおいで」
大臣は鼻の下を伸ばし、フェレルを手招きする。
フェレルは内心(気色悪ッ)と思ったが、可愛らしく微笑んだ。そして粛々とした足取りで大臣の前まで歩き、そこで再びお辞儀をした。
「大臣様、謁見の許可をいただきありがとうございます。フェイ様より預かった書状はこちらで御座います」
フェレルは肩から下げた鞄を開け、封書を取り出した。これはリゼの家を出る直前、フェレル自身が用意したものだ。
「ほー、どれどれ読んでみよう。ほうらフィオ、私の膝に乗りなさい。抱っこしてあげよう」
フェレルは(ウゲェ! マジかよエロジジイ!)と思ったがニッコリと微笑み、「失礼します」と言って書状を手渡し、大臣の膝に座った。
「グフフ。フィオは今いくつかな? 見たところ、十二歳くらいかな?」
大臣の鼻息が荒い。フェレルは鳥肌が立つのを感じながら「はい、そうです」と答えた。
「グフフ、たまらんな。フィオ、それでは......」
「大臣様、それよりも書状を」
フェレルは笑顔で大臣を促す。そして隠しもった剣で切り刻みたくなる気持ちを、どうにか抑えた。
「グフ、そうだな。どれどれ......むむッ!」
大臣はカッと目を見開く。
「何も書いておらぬではないか!」
大臣は怒りで顔を赤くする。
「フェイめ、私をおちょくっておるのか! 盛りのついた、メス牛め! 無駄にでかい乳をぶら下げおって!」
大臣は興奮している。今にも書状を破りそうな勢いだ。少し離れたところでは、執事がすました顔で大臣とフェレルを見つめている。きっと大臣の怒りは日常風景なのだろう。
「大臣様、落ち着いて下さい。フェイ様がおっしゃっていました。これには特殊な魔法が施してあり、高い魔力を持つ大臣様にだけ、読めるようになっていると。ですから、きっと読める筈です。高い魔力をお持ちの、大臣様なら」
そう言ってたしなめる。すると大臣はニマーッと笑った。
「それもそうだな、フィオ。驚かせてすまぬな。そうとも、高い魔力を持ち、優れた魔導士である私にならば読めるぞ。ふむふむ、なるほどな」
大臣はそう言って、白紙の書状をじっくりと眺めた。フェレルは笑いが込み上げるのを必死に堪える。
「大臣様、読み終えましたら、返事の手紙を書いていただいてもよろしいですか? 例の件に関する事ですので、それのお答えを下さればよろしいかと。封筒には、大臣様の印を押印お願いします」
「うむ、任せておけ」
大臣はフェレルに言われた通りに手紙を書き、封筒に入れて印を押した。そしてフェレルに手渡す。
「ありがとうございます。では、私はこれで」
フェレルは書状を受け取ると大臣の膝から飛び降り、足早に部屋の出口へと向かった。
「もう行ってしまうのかフィオ。美味しいお菓子があるんだ。奥の部屋にしまってあるから、一緒に食べないかね」
「結構です」
振り向きざまに微笑んで、フェレルはそそくさと大臣室を出た。そして魔法省から再び、スーティア、もといフェイの館に向かう。そして館に到着する直前、物陰に隠れて大臣の姿へと変身した。
「これでよし。あとはフェイに会うだけだ」
懐から書状を取り出し、エロジジイの姿になったフェレルは、館の扉をノックした。
あまりの荘厳さに、フェレルは思わずそう呟く。
黒と金色を基調とした外装は、それ全体が美術品と言っても差し支えない程に美しく、巨大だった。
魔法使いは基本的に自由だが、魔法の探究者、そして教育者でもある魔導士は国家に仕える存在。彼らの働く魔法省もまた、国家直属の機関だ。
フェレルは深呼吸した。圧倒されてはいけない。あくまでも自然に振る舞わなくてはならない。
建物を見上げる。入り口までは階段を登らなくてはならないようだ。結構段数はあるが、フェレルは警戒な足取りで跳ねるように登って行く。
登り切った。入り口に扉は無く、解放されている。来るものは拒まず、と言った所だろう。
中に入ると、黒いローブを身にまとった魔導士達が数人見えた。部屋から部屋へと行き交っている。忙しそうだ。
フェレルは無数にある部屋達の、黒い扉に書かれている金色の文字を素早く読んだ。
「うん、あそこがいい」
フェレルは扉を一つ選び、すたすたと歩いて近づき、ノックした。扉には「魔法省大臣室」と書かれている。
「はい、どちら様でしょう」
扉が少し開き、長身でメガネをかけた青年が顔を見せた。おそらく大臣の執事だろう。
「こんにちは。私は魔導士フェイ様の使いでやって来ました、フィオと申します。大臣様に書状を預かって参りました。例の件です」
書状も例の件もフェレルのでっち上げだが、効果はあったようだ。執事は「少々お待ち下さい」と言って引っ込んで行った。そしてしばらくして、扉の前に戻って来る。
「大臣がお会いになるそうです。くれぐれも、失礼のないように」
「はい、かしこまりました」
少女の姿をしたフェレルは、可愛らしくお辞儀をして部屋に入る。
室内には、数々の見事な調度品や絵画。そして用途の分からない不思議な魔道具が、卓越したセンスで配置されていた。
部屋の奥には立派な机があり、大臣が鎮座している。大臣と執事の他に、人はいないようだ。
「ホッホッ、可愛らしいお嬢さんだ。フィオ、と言ったかな。ほら、早くおいで」
大臣は鼻の下を伸ばし、フェレルを手招きする。
フェレルは内心(気色悪ッ)と思ったが、可愛らしく微笑んだ。そして粛々とした足取りで大臣の前まで歩き、そこで再びお辞儀をした。
「大臣様、謁見の許可をいただきありがとうございます。フェイ様より預かった書状はこちらで御座います」
フェレルは肩から下げた鞄を開け、封書を取り出した。これはリゼの家を出る直前、フェレル自身が用意したものだ。
「ほー、どれどれ読んでみよう。ほうらフィオ、私の膝に乗りなさい。抱っこしてあげよう」
フェレルは(ウゲェ! マジかよエロジジイ!)と思ったがニッコリと微笑み、「失礼します」と言って書状を手渡し、大臣の膝に座った。
「グフフ。フィオは今いくつかな? 見たところ、十二歳くらいかな?」
大臣の鼻息が荒い。フェレルは鳥肌が立つのを感じながら「はい、そうです」と答えた。
「グフフ、たまらんな。フィオ、それでは......」
「大臣様、それよりも書状を」
フェレルは笑顔で大臣を促す。そして隠しもった剣で切り刻みたくなる気持ちを、どうにか抑えた。
「グフ、そうだな。どれどれ......むむッ!」
大臣はカッと目を見開く。
「何も書いておらぬではないか!」
大臣は怒りで顔を赤くする。
「フェイめ、私をおちょくっておるのか! 盛りのついた、メス牛め! 無駄にでかい乳をぶら下げおって!」
大臣は興奮している。今にも書状を破りそうな勢いだ。少し離れたところでは、執事がすました顔で大臣とフェレルを見つめている。きっと大臣の怒りは日常風景なのだろう。
「大臣様、落ち着いて下さい。フェイ様がおっしゃっていました。これには特殊な魔法が施してあり、高い魔力を持つ大臣様にだけ、読めるようになっていると。ですから、きっと読める筈です。高い魔力をお持ちの、大臣様なら」
そう言ってたしなめる。すると大臣はニマーッと笑った。
「それもそうだな、フィオ。驚かせてすまぬな。そうとも、高い魔力を持ち、優れた魔導士である私にならば読めるぞ。ふむふむ、なるほどな」
大臣はそう言って、白紙の書状をじっくりと眺めた。フェレルは笑いが込み上げるのを必死に堪える。
「大臣様、読み終えましたら、返事の手紙を書いていただいてもよろしいですか? 例の件に関する事ですので、それのお答えを下さればよろしいかと。封筒には、大臣様の印を押印お願いします」
「うむ、任せておけ」
大臣はフェレルに言われた通りに手紙を書き、封筒に入れて印を押した。そしてフェレルに手渡す。
「ありがとうございます。では、私はこれで」
フェレルは書状を受け取ると大臣の膝から飛び降り、足早に部屋の出口へと向かった。
「もう行ってしまうのかフィオ。美味しいお菓子があるんだ。奥の部屋にしまってあるから、一緒に食べないかね」
「結構です」
振り向きざまに微笑んで、フェレルはそそくさと大臣室を出た。そして魔法省から再び、スーティア、もといフェイの館に向かう。そして館に到着する直前、物陰に隠れて大臣の姿へと変身した。
「これでよし。あとはフェイに会うだけだ」
懐から書状を取り出し、エロジジイの姿になったフェレルは、館の扉をノックした。
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