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第4話 色欲の悪魔。
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「さて、この辺でいいかな」
僕はメアリーの邸宅に向かう途中で狭い路地に入る。思った通り誰もより付かない。ここなら人目につかないだろう。
「聖転換」
呪文を唱えるように言葉を発する。その直後、僕の髪は長く伸びて金色に変わり、肉体は女性のものへと変化する。
「聖装換」
再び別の言葉を唱える。すると僕の服装は聖女のものへと変化する。上下とも白を基調とした、女性らしいデザイン。金色の装飾があしらわれ、ズボンではなく短めのスカート、そして長めのブーツとハイソックスという姿だ。
これで準備は完了。聖女ジャンヌとなった僕は、右手を前に差し伸べ、「彼」の名前を呼ぶ。
「色欲の悪魔キリク。我が呼び声に答えよ」
すると黒い煙が渦を巻き、やがて人の形を取る。青い髪に赤い瞳。美しい容貌の悪魔。それはひざまずき、僕の右手の甲に口づけをする。
「我が愛しき聖女ジャンヌ。お呼びに預かり光栄です」
彼はそう言って立ち上がり、僕を抱きしめて唇を重ねて来る。
「んっ......」
これは彼に対する報酬。最初は嫌悪感しかなかったが、今はもう慣れた。ジャンヌとなった自分の肉体が女である事を、彼(キリク)に散々思い知らされているからだ。
僕は王国に復讐する為に、悪魔と契約をしたのだ。悪魔に支払える代償は様々だが、その中でも僕が支払えるものは限られてていた。体なら、いくら支払っても命を落とすことは無い。精神力さえ鍛えれば、どうとでもなる。そう思っていた。
「はむ、んっ、ちゅっ......」
キリクは執拗に僕の舌を絡めとる。ようやく解放された時には、僕の体はすっかり火照っていた。
「ん、くぅ......」
唾液が糸を引く。だがキリクはそれ以上は求めて来ない。僕を焦らして楽しんでいるのだ。
「ふふっ。やはり聖女の味は格別だ。何度味わっても飽きませんよ。今夜も楽しみですね」
キスはいわば前菜。メインディッシュを後に取っておくのが、キリクのやり方らしい。全く、酷い奴だ。
「悪いが宿無しでね。もしかしたらゆっくりは出来ないかも知れないよ」
僕は城を追放された経緯を説明する。
「ほう、ではついに行動を開始するのですね。国王に引導を渡す時が、やって来ましたか......」
「ああ、その通りさ。思いがけない筋書きになってしまったけどね」
僕は元々、王族と縁を切るつもりでいた。母上が予言した王国の滅亡とは、悪魔による王族の皆殺し。それにより、新たな国が生まれる、というものだ。僕は王族ではなくなる必要があったのだ。そして奴らを殺す、悪魔が必要だった。
「まさかメアリーから婚約破棄を受け、それが原因で追放されるとはね......予言の力を持つボクでも、よめなかったよ。ところで、メアリーに悪魔は取り憑いていたかい?」
「いいえ、残念ながら。つまりメアリーの心変わりは、彼女自身の意思と言う事になります」
キリクの言葉に僕は納得したくなかったが、納得せざるを得なかった。ジャンの状態でいる僕には、頭に浮かぶ言葉、つまり予言としての未来予測しか出来ない。だがジャンヌになると、より明確に未来の予測が出来る。自分以外の人間の意思を読み取り、行動が予測出来るのだ。
「そのようだね。仕方ない。彼女に罰を与えよう。もちろんワトソンにもだ。彼は国王が予言回避の為に呼び寄せた聖騎士。例え息子であるボクの婚約者だろうと、聖騎士が欲しがるのなら与える、という訳だ。昨日婚約破棄された直後にジャンヌに変身したけど、その時のメアリーの心はまだ揺れていた。だからボクも、まだ希望を持っていたんだけどね」
無意識のうちにため息が漏れる。僕はメアリーを信じていた。愛していた。例え相手が救国の聖騎士でも、拒否して欲しかった。
「じゃあ行こうか。メアリーの家に」
「待ってください。今夜は宿無しとおっしゃいましたね。では今ここで報酬を頂いてもよろしいですか?」
キリクはそう言って、僕の衣服に手を侵入させて来る。
「やっ、やめろ! わかった、宿はなんとかするから! こんな所でボクを犯さないでくれ!」
僕は必死に抵抗し、どうにか難を逃れた。
「わかりました。では、やはりその時まで取って置きましょうか。メインディッシュはね」
キリクは楽しそうに微笑み、狭い路地から大通りへと歩き始めた。
僕はメアリーの邸宅に向かう途中で狭い路地に入る。思った通り誰もより付かない。ここなら人目につかないだろう。
「聖転換」
呪文を唱えるように言葉を発する。その直後、僕の髪は長く伸びて金色に変わり、肉体は女性のものへと変化する。
「聖装換」
再び別の言葉を唱える。すると僕の服装は聖女のものへと変化する。上下とも白を基調とした、女性らしいデザイン。金色の装飾があしらわれ、ズボンではなく短めのスカート、そして長めのブーツとハイソックスという姿だ。
これで準備は完了。聖女ジャンヌとなった僕は、右手を前に差し伸べ、「彼」の名前を呼ぶ。
「色欲の悪魔キリク。我が呼び声に答えよ」
すると黒い煙が渦を巻き、やがて人の形を取る。青い髪に赤い瞳。美しい容貌の悪魔。それはひざまずき、僕の右手の甲に口づけをする。
「我が愛しき聖女ジャンヌ。お呼びに預かり光栄です」
彼はそう言って立ち上がり、僕を抱きしめて唇を重ねて来る。
「んっ......」
これは彼に対する報酬。最初は嫌悪感しかなかったが、今はもう慣れた。ジャンヌとなった自分の肉体が女である事を、彼(キリク)に散々思い知らされているからだ。
僕は王国に復讐する為に、悪魔と契約をしたのだ。悪魔に支払える代償は様々だが、その中でも僕が支払えるものは限られてていた。体なら、いくら支払っても命を落とすことは無い。精神力さえ鍛えれば、どうとでもなる。そう思っていた。
「はむ、んっ、ちゅっ......」
キリクは執拗に僕の舌を絡めとる。ようやく解放された時には、僕の体はすっかり火照っていた。
「ん、くぅ......」
唾液が糸を引く。だがキリクはそれ以上は求めて来ない。僕を焦らして楽しんでいるのだ。
「ふふっ。やはり聖女の味は格別だ。何度味わっても飽きませんよ。今夜も楽しみですね」
キスはいわば前菜。メインディッシュを後に取っておくのが、キリクのやり方らしい。全く、酷い奴だ。
「悪いが宿無しでね。もしかしたらゆっくりは出来ないかも知れないよ」
僕は城を追放された経緯を説明する。
「ほう、ではついに行動を開始するのですね。国王に引導を渡す時が、やって来ましたか......」
「ああ、その通りさ。思いがけない筋書きになってしまったけどね」
僕は元々、王族と縁を切るつもりでいた。母上が予言した王国の滅亡とは、悪魔による王族の皆殺し。それにより、新たな国が生まれる、というものだ。僕は王族ではなくなる必要があったのだ。そして奴らを殺す、悪魔が必要だった。
「まさかメアリーから婚約破棄を受け、それが原因で追放されるとはね......予言の力を持つボクでも、よめなかったよ。ところで、メアリーに悪魔は取り憑いていたかい?」
「いいえ、残念ながら。つまりメアリーの心変わりは、彼女自身の意思と言う事になります」
キリクの言葉に僕は納得したくなかったが、納得せざるを得なかった。ジャンの状態でいる僕には、頭に浮かぶ言葉、つまり予言としての未来予測しか出来ない。だがジャンヌになると、より明確に未来の予測が出来る。自分以外の人間の意思を読み取り、行動が予測出来るのだ。
「そのようだね。仕方ない。彼女に罰を与えよう。もちろんワトソンにもだ。彼は国王が予言回避の為に呼び寄せた聖騎士。例え息子であるボクの婚約者だろうと、聖騎士が欲しがるのなら与える、という訳だ。昨日婚約破棄された直後にジャンヌに変身したけど、その時のメアリーの心はまだ揺れていた。だからボクも、まだ希望を持っていたんだけどね」
無意識のうちにため息が漏れる。僕はメアリーを信じていた。愛していた。例え相手が救国の聖騎士でも、拒否して欲しかった。
「じゃあ行こうか。メアリーの家に」
「待ってください。今夜は宿無しとおっしゃいましたね。では今ここで報酬を頂いてもよろしいですか?」
キリクはそう言って、僕の衣服に手を侵入させて来る。
「やっ、やめろ! わかった、宿はなんとかするから! こんな所でボクを犯さないでくれ!」
僕は必死に抵抗し、どうにか難を逃れた。
「わかりました。では、やはりその時まで取って置きましょうか。メインディッシュはね」
キリクは楽しそうに微笑み、狭い路地から大通りへと歩き始めた。
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