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第1部
第24話 「納屋へ」
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流刑地へ戻るとジュニアは6つの派閥のボスを集めてボス連会議を開催した。 顔役の跡目を正式に継ぐためである。 ジュニアが会議をしているあいだ、マリカは顔役が護衛として用意した大女に守られて過ごすことになった。
捕らわれのクイックリングは納屋に放り込まれた。 納屋にカギはかかっていないし、クイックリングが逃げないように見張る者もいない。 高く売れるかもというだけの理由で持ち帰ったから極めて雑な扱いである。
◇❖◇
会議が何時間続くのか知らないが、すでに夕暮れが迫っているから会議が終われば日没だ。 そしてジュニアは日没にマリカを自分のものにすると言った。 だからマリカがジュニアの毒牙を逃れるには、いま行動するしかない。
というわけでマリカはトイレに行くと大女に嘘をついてトイレの窓から逃げ出し、クイックリングが閉じ込められている納屋へと向かった。
マリカがこんな行動に出たのは、先刻のクイックリングの口ぶりが気になったからだ。 あのときクイックリングはジュニアに向かって「お前たちが俺を食べても」と言った。
(どうして「お前たちが」という言い方をしたの? お肉を食べて素早くなれる人も実はいるんじゃないの?)
ジュニアたちはクイックリングの言い回しに引っかかりを覚えなかったようだが、マリカは追い詰められている者に特有の神経質さで違和感を探知した。
(それに、あのときクイックリングは「お前たち」と言う前に私をチラリと見て目を逸らした。 あの目の逸らし方からすると、「お前たち」に私は含まれていないんじゃ?)
自分の思考に願望が含まれているのはマリカも自覚している。 それでも、さっきのクイックリングの口ぶりと視線の動きはマリカの期待感を煽るのに十分だった。
(結局わたしはスピード・プリンセスになるのを諦めなくていいのかも)
捕らわれのクイックリングは納屋に放り込まれた。 納屋にカギはかかっていないし、クイックリングが逃げないように見張る者もいない。 高く売れるかもというだけの理由で持ち帰ったから極めて雑な扱いである。
◇❖◇
会議が何時間続くのか知らないが、すでに夕暮れが迫っているから会議が終われば日没だ。 そしてジュニアは日没にマリカを自分のものにすると言った。 だからマリカがジュニアの毒牙を逃れるには、いま行動するしかない。
というわけでマリカはトイレに行くと大女に嘘をついてトイレの窓から逃げ出し、クイックリングが閉じ込められている納屋へと向かった。
マリカがこんな行動に出たのは、先刻のクイックリングの口ぶりが気になったからだ。 あのときクイックリングはジュニアに向かって「お前たちが俺を食べても」と言った。
(どうして「お前たちが」という言い方をしたの? お肉を食べて素早くなれる人も実はいるんじゃないの?)
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(それに、あのときクイックリングは「お前たち」と言う前に私をチラリと見て目を逸らした。 あの目の逸らし方からすると、「お前たち」に私は含まれていないんじゃ?)
自分の思考に願望が含まれているのはマリカも自覚している。 それでも、さっきのクイックリングの口ぶりと視線の動きはマリカの期待感を煽るのに十分だった。
(結局わたしはスピード・プリンセスになるのを諦めなくていいのかも)
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