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第1部
第48話 「明日はね、クマを狩るの」
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「コモノ・ハウスで雇いましょう」
マリカは獲物を運搬する人夫を小者ハウスで雇うことにした。 流刑地の弱者たるコモノに共感とも同情ともつかぬ気持ちを抱いたからだ。
だがマリカの意図に気付いた隣人が、それまでの上機嫌を一転させて気づかわしげな顔をする。
「おい、あんたらオレの穴場に小者をゾロゾロ引き連れて行くつもりじゃないだろうな?」
マリカは当然そのつもりだったが、隣人に言われて気が付いた。 大勢で穴場を荒らされれば隣人はたまったものではない。
どう答えようかと言葉に詰まるマリカの隣で、エライナが遅滞なく大仰に驚く。
「まさか! そのようなこと考えてもおりません」
マリカは感心した。 よくまあこんなにスムーズに嘘が出てくるものね。 エライナもマリカと同じく「そのようなこと」を考えていなかったはずがないのだ。
だがエライナの巧みな表情と声音で、隣人の不安は即座に解消されてしまった。
「そうか、それならいいんだ」
隣人のもとを辞去しようとするマリカたちに、隣人は思い出したように言う。
「そうそう、人を雇うのは他所のコモノ・ハウスで頼むぜ」
「『他所の』ってどういうことですか?」
「この居住区にもコモノ・ハウスがあるけどそっちで雇わずに、他の派閥の居住区のコモノ・ハウスで雇ってくれってことだ」
◇❖◇
穴場を利用できないなら今日ほどの収穫は望めないだろう。 でも、クマが獲れた場合に備えるなら人手が必要だ。 クマを仕留めておきながら持って帰れないなんて勿体なさすぎる。 迷った挙句マリカはやっぱり人を雇うことにした。
マリカたちは隣人の言に従って別の派閥の居住区まで足を延ばし、そこのコモノ・ハウスで5人の男を雇い、荷車を借りた。 もう後戻りはできない。
「さあ、これで明日はクマを仕留めるしかないわよ!」
力強く宣言するマリカにミツキが問う。
「クマってなんのこと?」 どうしたの藪から棒に?
「明日はね、クマを狩るの」 言ってなかったかしら?
「えっ、そうなの?」
マリカの中では明日クマを仕留めることが決定されていたが、ミツキには初耳だった。
「さっき決まったの」
クマに出会えないなら、出会えるまで探せばいいの。
マリカは獲物を運搬する人夫を小者ハウスで雇うことにした。 流刑地の弱者たるコモノに共感とも同情ともつかぬ気持ちを抱いたからだ。
だがマリカの意図に気付いた隣人が、それまでの上機嫌を一転させて気づかわしげな顔をする。
「おい、あんたらオレの穴場に小者をゾロゾロ引き連れて行くつもりじゃないだろうな?」
マリカは当然そのつもりだったが、隣人に言われて気が付いた。 大勢で穴場を荒らされれば隣人はたまったものではない。
どう答えようかと言葉に詰まるマリカの隣で、エライナが遅滞なく大仰に驚く。
「まさか! そのようなこと考えてもおりません」
マリカは感心した。 よくまあこんなにスムーズに嘘が出てくるものね。 エライナもマリカと同じく「そのようなこと」を考えていなかったはずがないのだ。
だがエライナの巧みな表情と声音で、隣人の不安は即座に解消されてしまった。
「そうか、それならいいんだ」
隣人のもとを辞去しようとするマリカたちに、隣人は思い出したように言う。
「そうそう、人を雇うのは他所のコモノ・ハウスで頼むぜ」
「『他所の』ってどういうことですか?」
「この居住区にもコモノ・ハウスがあるけどそっちで雇わずに、他の派閥の居住区のコモノ・ハウスで雇ってくれってことだ」
◇❖◇
穴場を利用できないなら今日ほどの収穫は望めないだろう。 でも、クマが獲れた場合に備えるなら人手が必要だ。 クマを仕留めておきながら持って帰れないなんて勿体なさすぎる。 迷った挙句マリカはやっぱり人を雇うことにした。
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「さあ、これで明日はクマを仕留めるしかないわよ!」
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「クマってなんのこと?」 どうしたの藪から棒に?
「明日はね、クマを狩るの」 言ってなかったかしら?
「えっ、そうなの?」
マリカの中では明日クマを仕留めることが決定されていたが、ミツキには初耳だった。
「さっき決まったの」
クマに出会えないなら、出会えるまで探せばいいの。
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