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第1部
第79話 「だから...」
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降参したゲレニカにマリカは提案する。
「この人たちが仕事を怠けたのを咎めないと誓うなら、あなたの傷を治してあげるけど?」
マリカが言う「この人たち」とはコモノと共用女のことだ。
ゲレニカはマリカの要求を突っぱねた。
「そうはいかねえ。 ケジメを付けさせなきゃ派閥の結束が乱れる。 好き勝手やらせてちゃ派閥は成り立たねえんだ」
「結束が乱れるですって?」
突然マリカが怒り出した。 今のゲレニカの発言のどこに腹を立てる要素があったのだろうか? それはマリカの次の発言で明らかとなった。
「あなたの言う結束って、弱い者にばかり負担を押し付けて強い者が楽をすることじゃないの?」
心外なことを言われ、ゲレニカは気色ばむ。
「なんだと!」
なんと言い返そうかと言葉を探すゲレニカに、マリカは質問の礫を投げつける。
「じゃあ、あなたは普段どんな仕事をしてるっていうの? 言ってみなさい」
「オレはこの派閥を守ってる! オレがいなけりゃ、小物やパンピーだけじゃすぐにほかの派閥に乗っ取られちまうんだ!」
オレはオレの派閥でいちばん役に立っている。 オレがいちばん偉いんだ。 ゲレニカは自分の言い分に自信たっぷりである。
しかしマリカは速やかにゲレニカの言い分の弱点を見抜いた。
「あなたの派閥が他の派閥に乗っ取られたところでコモノさん達の境遇は変わらないでしょう? 1つの最低な境遇から別の最低な境遇に移るだけ。
「あなたの『仕事』とやらは自分の地位を守っているだけよ。 ほかの誰の役にも立っていない。 あなたは弱い者から搾取しているだけなの」
マリカの背後ではコモノと共用女がしきりに頷いている。 その通りなんですマリカさん。 ゲレニカ側のパンピーの中からも、いくつかの賛同の視線がマリカに送られてくる。
「この女ぁ」
「だから...」
マリカはゲレニカに要求を突き付けようとして困った。
(私はゲレニカさんに何を要求すべきなのかしら?)
当初マリカは、コモノたちが仕事を怠けたのを許せとだけ要求するつもりだった。 だが今しがたのゲレニカとの会話で、それではコモノたちが救われないことに気が付いた。 今回の一件をゲレニカが許したところでコモノたちの窮状は終わらない。 そればかりかゲレニカはきっと、コモノたちが今後マリカの狩りに参加することさえ禁止するだろう。
後ろを振り返ると、コモノと共用女が期待の眼差しでマリカを一心に見ている。 彼らはさっきのマリカの主張を聞いて大いに何かを期待しているのだ。 マリカさんが今の辛い生活を変えてくれる!
(コモノさん達を救うには... いま私は間違った決断をしようとしているのかも... でも...)
心を決めたマリカは改めてゲレニカに宣言する。
「だから... 私があなたの派閥を乗っ取ります!」
マリカの言葉にコモノと共用女の歓声が沸き立ち、ゲレニカは予想外の展開に唖然とし声を失う。 仕事をサボった不埒者を捕らえようとしただけなのに派閥を奪われてしまった。 ゲレニカにとってマリカは降って湧いた災難であった。
「この人たちが仕事を怠けたのを咎めないと誓うなら、あなたの傷を治してあげるけど?」
マリカが言う「この人たち」とはコモノと共用女のことだ。
ゲレニカはマリカの要求を突っぱねた。
「そうはいかねえ。 ケジメを付けさせなきゃ派閥の結束が乱れる。 好き勝手やらせてちゃ派閥は成り立たねえんだ」
「結束が乱れるですって?」
突然マリカが怒り出した。 今のゲレニカの発言のどこに腹を立てる要素があったのだろうか? それはマリカの次の発言で明らかとなった。
「あなたの言う結束って、弱い者にばかり負担を押し付けて強い者が楽をすることじゃないの?」
心外なことを言われ、ゲレニカは気色ばむ。
「なんだと!」
なんと言い返そうかと言葉を探すゲレニカに、マリカは質問の礫を投げつける。
「じゃあ、あなたは普段どんな仕事をしてるっていうの? 言ってみなさい」
「オレはこの派閥を守ってる! オレがいなけりゃ、小物やパンピーだけじゃすぐにほかの派閥に乗っ取られちまうんだ!」
オレはオレの派閥でいちばん役に立っている。 オレがいちばん偉いんだ。 ゲレニカは自分の言い分に自信たっぷりである。
しかしマリカは速やかにゲレニカの言い分の弱点を見抜いた。
「あなたの派閥が他の派閥に乗っ取られたところでコモノさん達の境遇は変わらないでしょう? 1つの最低な境遇から別の最低な境遇に移るだけ。
「あなたの『仕事』とやらは自分の地位を守っているだけよ。 ほかの誰の役にも立っていない。 あなたは弱い者から搾取しているだけなの」
マリカの背後ではコモノと共用女がしきりに頷いている。 その通りなんですマリカさん。 ゲレニカ側のパンピーの中からも、いくつかの賛同の視線がマリカに送られてくる。
「この女ぁ」
「だから...」
マリカはゲレニカに要求を突き付けようとして困った。
(私はゲレニカさんに何を要求すべきなのかしら?)
当初マリカは、コモノたちが仕事を怠けたのを許せとだけ要求するつもりだった。 だが今しがたのゲレニカとの会話で、それではコモノたちが救われないことに気が付いた。 今回の一件をゲレニカが許したところでコモノたちの窮状は終わらない。 そればかりかゲレニカはきっと、コモノたちが今後マリカの狩りに参加することさえ禁止するだろう。
後ろを振り返ると、コモノと共用女が期待の眼差しでマリカを一心に見ている。 彼らはさっきのマリカの主張を聞いて大いに何かを期待しているのだ。 マリカさんが今の辛い生活を変えてくれる!
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心を決めたマリカは改めてゲレニカに宣言する。
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