お嬢様、流刑地に送られ婚約も破棄。でも最強になったら、ザマぁとかどうでも良くなってた

好きな言葉はタナボタ

文字の大きさ
123 / 123
第2部

第43話 「リンカン」

しおりを挟む
翌日、マリカはミツキとずっと一緒に過ごすことにした。 ミツキの記憶に問題が残っていないことを確認するためだ。

記憶の確認にはこれまでの日常の色々なものに触れるのが良かろうということで、いまマリカはミツキと散歩に来ていた。 ヤマブキも一緒である。

だが散歩中にも、マリカの心を占めるのはパグルに出された課題のことばかり。 実家の危機を助けるためアガマサラ市へ帰還するにはボス連を皆殺しにせねばならない。

故郷に戻るうえでパグルの助力は必須である。 マリカはアガマサラ市の裏社会に接触する方法すら知らないのだから。 それにパグルの言い分ももっともだ。 現状のままでマリカがミツキとアガマサラ市へ帰還すれば、流刑地は元の弱肉強食に戻ってしまう。

(でもボス連を皆殺しだなんて...)

隣を歩くミツキがマリカの顔を見上げて問う。

「どうしたのマリカ? ずっと浮かない顔だけど」

パグルがマリカに実家の危機を告げたとき、ミツキはオリエのところにいた。 なのでミツキはマリカが抱える悩みを知らない。

「話せば長いんだけど...」

だからマリカは家に戻って話すことにした。

                 ◇❖◇❖◇

自室のベッドにミツキと並んで座り、腰をえて話し始めたマリカ。 だが、マリカの話は早々にミツキの質問にさえぎられた。

「ジッカって何?」

「実家っていうのはね」

実家の何たるかを説明し終えてマリカは話を再開したが、ミツキがまたすぐ話を腰を折る。

「けっきょく流刑地ってなんなのさ?」

マリカは流罪の何たるかからミツキに説明せねばならなかった。 家に戻って正解だった。

                  ◇❖◇

流罪について説明し終えると当然のことながら、ミツキはマリカが流刑地に送られてきた理由を知りたがった。

「どうしてマリカは流罪になったの? 悪いことしたの?」

マリカが流罪になったのは4人のチンピラに輪姦されたからだ。 その輪姦がシンジュロウという婚約者に対する不貞行為とみなされ、マリカは被害者だというのに姦淫の罪で流刑に処された。

話すのは気が進まないが、どうせいつかはミツキに話すことになる。 マリカは重い口調で話し始めた。

「私が流罪になったのは、婚約者がいる身で輪姦されたからなの」

すると、すかさずミツキの質問が飛んできた。

「リンカンって何?」

                  ◇❖◇

話すのは気が進まないが、輪姦の知識なくしてマリカの話は理解できない。 マリカは重い口調で話し始めた。

「輪姦っていうのはね...」

マリカが輪姦の概要について説明し終えると、ミツキはマリカが輪姦された状況を事細ことこまかに尋ねてきた。

「マリカはどこでリンカンされたの?」「誰も助けてくれなかったの?」「あ、相手は何人だったの? ハァハァ」

マリカが辛抱強くミツキの質問に付き合ううちに、ミツキがモジモジし始めた。 股間に手をやりモゾモゾと動かしたり、切なげに吐息を漏らしたり。

(やだ、この子わたしが輪姦された話を聞いて興奮してる...?)

「マ、マリカは ハァハァ どんなふうに体を押さえつけられたの?」

「いい加減にして!」

堪りかねたマリカはとうとうミツキを叱った。

するとミツキがマリカに襲いかかってきた。

「マリカっ!」

マリカの叱責が輪姦話にどうしようもなく興奮していたミツキの引き金を引いてしまったのだ。

「俺だってマリカをリンカンしたい!」

叫びつつミツキはマリカを押し倒そうとする。 が、マリカを押し倒すことあたわずマリカに軽々と受け止められた。 悲しいかなミツキはマリカより体重が10kg以上も少ない。

「あんたねえ...」 バカなの? 一人じゃ輪姦はできないのよ。

マリカに抱きすくめられながらもミツキは、息を荒げてマリカを押し倒そうとグイグイ体を押し付けてくる。

「リンカンっ! したい! 俺もマリカをっ」

「もうっ! 輪姦される女の子の身になってみなさい!」

ミツキにはおしおきが必要ね。 そう考えたマリカはミツキを押し倒してしかかり、固く熱く張り詰めたミツキの股間を手で刺激し始めた。 サワサワモミモミ。

「あっ、それダメっ! やめて」

「やめない」

マリカはミツキを押さえつけて容赦なくお触りを継続。 モミモミニギニギ。

そもそも興奮の極みにあったミツキはマリカの手がもたらす刺激に耐えられず、ほどなくして絶頂に達してしまった。

「ああっ」クフゥ

その途端に、雄々しく荒れ狂っていたミツキの体から力が抜ける。

「出ちゃった...」 パンツの中に出しちゃった。 マリカの中に出したかったのに。

ミツキは大層たいそう無念そうである。

それをマリカは冷たい目で眺める。 男って哀れな生き物ね。 

「汚した下着は自分で洗濯しとくのよ?」

                  ◇❖◇

「ごめんねマリカ。 俺が悪かった」

出すモノを出して理性を取り戻したミツキはマリカに謝罪した。

「分かればいいのよ。 もう二度とこんなことしないでね」

「うん、またリンカンの話を聞かせてね」 すっごく興奮した。

反省が不十分なミツキであった。
しおりを挟む
感想 3

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(3件)

ピルツ
2021.02.07 ピルツ

更新ありがとうございました♪♪
マリカとミツキが元に戻れて良かったです♪♪
続きがきになるところですが、次回作も楽しみに待っています( ´ω` )/

2021.02.07 好きな言葉はタナボタ

応援ありがとうございます。

打ち切りにしてしまって申し訳ありません。

次回作は数ヶ月後に投稿を開始できればいいなと思っております。

解除
ピルツ
2021.02.06 ピルツ

毎日更新を楽しみにしてます♪
マリカとミツキがどうなるのか…
気になって気になって更新が待ちきれません( ᵕ̩̩ㅅᵕ̩̩ )
これからも楽しみにしてます♪

2021.02.06 好きな言葉はタナボタ

感想ありがとうございます。

解除
みやびなぱんだ

イッキ読みしました‼️
ミツキとどうなるのか、続きが気になります。
更新楽しみにしてます。

2021.01.31 好きな言葉はタナボタ

感想ありがとうございます。
イッキ読みもありがとうございました!

解除

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~

白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。 王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。 彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。 #表紙絵は、もふ様に描いていただきました。 #エブリスタにて連載しました。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

だから聖女はいなくなった

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」 レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。 彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。 だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。 キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。 ※7万字程度の中編です。

【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜

Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。