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そして、月日は流れた。
私たちの間には待望の第一子が誕生した。
キラキラと輝くブロンドの髪と父親譲りの青い瞳を持つ可愛らしい男の子だ。
もちろん私が妊娠していると分かってからは大変だった。
夫であるアダマン様が「お腹の赤ちゃんはいつ収穫できるんだい?」などととんでもないことを言い出さないように、私はマーサを呼びつけ、それはもうきつくきつく睨みつけながらお願いしたのだ。
「赤ちゃんに関する正しい知識を旦那様に教えて差し上げてちょうだい」
男女の知識に比べれば背徳感もなかったのだろう。
マーサは「お任せくださいませ!」と力強く頷き、今度こそちゃんと旦那様に教えてくれた。
そして生まれたばかりの我が子をその腕に抱いた時、アダマン様は子供のように声を上げて大粒の涙を流して喜んでくれた。
その姿を見て、私もつられて泣いてしまった。
ああ、幸せだ。
コウノトリを追いかけた山歩きも泥だらけになった畑仕事も。
今となっては大切で可笑しくて、愛おしい思い出だ。
でも、こうして本当に愛する人との間に生まれた命を育むことは、やはり何にも代えがたい本当の幸せなのだと実感する。
とはいえ。
子供が生まれて数週間。
新たな懸念事項が、私の頭を悩ませていた。
それはこの赤ちゃんが、神々しいほどに美しすぎるということだ。
自分の子供が世界一可愛く見える、という親の贔屓目はもちろんあるだろう。
でもこれはどうもそれだけではない気がする。
現にお世話をしてくれるメイドたちが我が子の顔を一目見ては「尊い……!」と呟きながら卒倒していくのだ。
その光景、どこかで見たことがある。
この様子だとこの子が大きくなった時。
父親であるアダマン様のように男女の知識を教えるべき家庭教師たちが次々と辞職を願い出る事態にならないだろうか……
そして最終的に母親である私がこの子に性教育を施さなければならない状況にだけは、絶対になってほしくない……!
どうか、そうはならないでおくれ!
私は腕の中ですやすやと眠る天使のように美しい我が子の寝顔を見つめながら、切に切にそう祈るのであった。
私たちの間には待望の第一子が誕生した。
キラキラと輝くブロンドの髪と父親譲りの青い瞳を持つ可愛らしい男の子だ。
もちろん私が妊娠していると分かってからは大変だった。
夫であるアダマン様が「お腹の赤ちゃんはいつ収穫できるんだい?」などととんでもないことを言い出さないように、私はマーサを呼びつけ、それはもうきつくきつく睨みつけながらお願いしたのだ。
「赤ちゃんに関する正しい知識を旦那様に教えて差し上げてちょうだい」
男女の知識に比べれば背徳感もなかったのだろう。
マーサは「お任せくださいませ!」と力強く頷き、今度こそちゃんと旦那様に教えてくれた。
そして生まれたばかりの我が子をその腕に抱いた時、アダマン様は子供のように声を上げて大粒の涙を流して喜んでくれた。
その姿を見て、私もつられて泣いてしまった。
ああ、幸せだ。
コウノトリを追いかけた山歩きも泥だらけになった畑仕事も。
今となっては大切で可笑しくて、愛おしい思い出だ。
でも、こうして本当に愛する人との間に生まれた命を育むことは、やはり何にも代えがたい本当の幸せなのだと実感する。
とはいえ。
子供が生まれて数週間。
新たな懸念事項が、私の頭を悩ませていた。
それはこの赤ちゃんが、神々しいほどに美しすぎるということだ。
自分の子供が世界一可愛く見える、という親の贔屓目はもちろんあるだろう。
でもこれはどうもそれだけではない気がする。
現にお世話をしてくれるメイドたちが我が子の顔を一目見ては「尊い……!」と呟きながら卒倒していくのだ。
その光景、どこかで見たことがある。
この様子だとこの子が大きくなった時。
父親であるアダマン様のように男女の知識を教えるべき家庭教師たちが次々と辞職を願い出る事態にならないだろうか……
そして最終的に母親である私がこの子に性教育を施さなければならない状況にだけは、絶対になってほしくない……!
どうか、そうはならないでおくれ!
私は腕の中ですやすやと眠る天使のように美しい我が子の寝顔を見つめながら、切に切にそう祈るのであった。
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