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第3部 1章:現代の異変
第80話:賢吾への最後通告
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東京都内某所、賢吾たちの新しい隠れ家は、表向きは古い雑居ビルの一室だった。しかし、地下には最新鋭の研究設備と通信機器が整備されていた。覚醒者ネットワークの構築が進む中、この朝は不穏な静けさに包まれていた。
午前7時23分。見張りをしていた覚醒者の一人が、異常を察知した。通りに黒塗りの高級車が3台、静かに停車したのだ。ナンバープレートは、政府関係車両を示す特殊なものだった。
「賢吾さん、来ました」
見張りが緊急通信で報告した。
「政府の車両です。武装した護衛も確認」
賢吾は覚悟を決めた表情で立ち上がった。この時が来ることは予想していた。イールの書を手に入れてから、政府の監視は日に日に厳しくなっていた。そして今、彼らは直接行動に出たのだ。
エレベーターが最上階で止まり、重い足音が廊下に響いた。ノックもなく、ドアが開かれる。入ってきたのは、かつて大学の研究室に現れた、あの政府関係者だった。相変わらずの黒いスーツ、無表情な顔。しかし、以前とは違う緊張感が漂っていた。
「佐倉賢吾さん」
男は事務的な口調で始めた。
「お久しぶりです。あれから随分と...活発に活動されているようですね」
男の後ろには、屈強な護衛が4人控えていた。彼らの腰には、特殊部隊が使用する最新鋭の武器が見え隠れしている。明らかに、実力行使も辞さない構えだった。
「何の用でしょうか」
賢吾は冷静を装いながら答えた。
「私は一介の研究者として、学術的な活動をしているだけです」
男は薄く笑った。それは、すべてを知っているという余裕の笑みだった。
「最後の機会を与えに来ました」
男は冷たく告げる。手には、厚い書類の束が握られていた。
「イールの書を渡し、すべての研究を放棄する。引き換えに、あなたと仲間の安全を保証します」
書類の中身は、詳細な司法取引の条件だった。イールの書と関連資料の提出、研究の完全な放棄、覚醒者ネットワークの解散、そして生涯にわたる監視の受け入れ。その代わりに、刑事訴追を免れ、限定的な自由が保証される。
「もし、この提案を受け入れれば」
男は続けた。
「あなたは普通の生活に戻れます。大学での職も保証しましょう。もちろん、研究内容は制限されますが」
賢吾は書類を一瞥した後、男の目を真っ直ぐに見据えた。
「断ったら?」
賢吾が問う。
男の表情が、より冷たくなった。
「国家反逆罪で逮捕」
男は淡々と告げた。
「機密情報の不正取得、国家転覆の企図、テロ活動への関与。十分な証拠は揃っています。有罪は確実。そして、あなたの仲間は...不幸な事故に遭うでしょう」
脅迫。それも、遠回しではない、直接的な脅迫だった。しかし、賢吾は動じなかった。むしろ、覚悟を決めた表情で男を見返した。
「人類の未来がかかっているんです」
賢吾は静かに、しかし力強く答えた。
「私個人の安全など、どうでもいい」
その瞬間、室内の空気が変わった。男の後ろから、金色の瞳が光った。いつの間にか、エイリークと覚醒者たちが、政府の護衛たちを完全に包囲していた。天井、壁、窓の外。あらゆる場所から、覚醒者たちの気配が立ち上る。
「脅しは通じない」
エイリークが静かに告げた。彼の周囲には、目に見えない力場が形成されていた。
「我々を普通の人間だと思わない方がいい」
護衛たちが武器に手をかけたが、次の瞬間、その武器は青白い電撃に包まれ、使用不能になった。電気を操る覚醒者の仕業だった。さらに、護衛たちの足元の床が液状化し始める。物質操作能力者も加わっていた。
男は状況を瞬時に理解し、苦笑した。
「やはり、そうなりますか」
男は落ち着きを失わなかった。むしろ、予想通りという表情だった。
「我々も、あなた方の能力については把握しています。しかし...」
男は懐から封筒を取り出した。
「これを見てもらいましょう」
封筒を開けると、中には数枚の写真が入っていた。賢吾の顔色が変わった。そこには、山田とリンドバーグ教授が、どこかの施設に監禁されている様子が写っていた。二人とも、特殊な拘束具で縛られ、意識を失っているように見えた。
「卑劣な...」
美咲が怒りを露わにした。
「ビジネスです」
男は冷徹に答えた。
「24時間。それ以上は待てません。イールの書を持って、指定の場所に来てください。さもなければ...」
男は写真の一枚を指差した。そこには、点滴のような装置が山田の腕に繋がれている様子が写っていた。
「これが何か、お分かりでしょう。最新の薬物です。24時間後には、不可逆的な脳損傷を引き起こします」
賢吾の拳が震えた。怒りと、無力感と、そして友への心配が入り混じっていた。
男は立ち去る準備を始めた。覚醒者たちは包囲を続けていたが、人質を取られている以上、手出しはできなかった。
「場所と時間は、後ほど連絡します」
男は出口に向かいながら言った。
「ああ、それと。下手な小細工は考えない方がいい。我々には、対覚醒者用の装備もあります」
男たちが去った後、重い沈黙が部屋を包んだ。
ドヴァリンが口を開く。
「罠かもしれない」
老ドワーフの表情は険しかった。
「いや、間違いなく罠だ。しかし...」
「行くしかない」
賢吾が決断する。彼の目には、強い決意が宿っていた。
「でも、イールの書は渡さない。別の方法を考える」
香川教授が分析を始めた。
「写真の背景から、場所を特定できるかもしれません。建物の構造、光の角度、使用されている機材...」
山田のチームも動き始めた。彼らは、政府のデータベースにハッキングを試み、山田とリンドバーグ教授の行方を探り始めた。
エイリークが戦略を提案した。
「我々も総力を挙げましょう」
エイリークの金色の瞳が、戦意に燃えていた。
「これは、宣戦布告です。もはや、隠れている時ではない」
マグナスも同意した。
「世界中の覚醒者に召集をかける。政府が人質を取るなら、我々も行動を起こす時だ」
しかし、賢吾は慎重だった。
「全面戦争は避けたい」
賢吾は仲間たちを見回した。
「我々の目的は、人類を救うことだ。政府と戦うことではない」
美咲が医療的な観点から意見を述べた。
「24時間という時間制限が気になります。本当にそんな薬物があるのか。ブラフの可能性も」
斎藤博士も分析に加わった。
「写真を詳細に分析しましょう。合成の可能性もあります。最近のAI技術なら、このレベルの偽造は可能です」
しかし、賢吾は危険を冒すつもりはなかった。山田とリンドバーグ教授は、かけがえのない仲間だった。
「偽物でも本物でも、対応は同じです」
賢吾は決意を固めた。
「24時間以内に、二人を救出する。そのための作戦を立てましょう」
こうして、賢吾たちは二つの作戦を同時に進めることになった。一つは、人質の居場所を突き止め、救出する作戦。もう一つは、政府との交渉に臨む準備。しかし、どちらの道を選んでも、危険は避けられなかった。
イールの書は、賢吾の手の中で微かに脈動していた。まるで、持ち主の決意に呼応するかのように。3000年前、イールも同じような選択を迫られたのだろうか。仲間を守るか、人類の未来を守るか。その答えは、まだ見えていなかった。
時計は無情にも時を刻んでいく。24時間という期限は、確実に迫っていた。賢吾たちの決断が、人類の運命を左右することになる。政府との全面対決か、それとも別の道があるのか。答えを見つけるために残された時間は、あまりにも短かった。
午前7時23分。見張りをしていた覚醒者の一人が、異常を察知した。通りに黒塗りの高級車が3台、静かに停車したのだ。ナンバープレートは、政府関係車両を示す特殊なものだった。
「賢吾さん、来ました」
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「政府の車両です。武装した護衛も確認」
賢吾は覚悟を決めた表情で立ち上がった。この時が来ることは予想していた。イールの書を手に入れてから、政府の監視は日に日に厳しくなっていた。そして今、彼らは直接行動に出たのだ。
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男は事務的な口調で始めた。
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「何の用でしょうか」
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「最後の機会を与えに来ました」
男は冷たく告げる。手には、厚い書類の束が握られていた。
「イールの書を渡し、すべての研究を放棄する。引き換えに、あなたと仲間の安全を保証します」
書類の中身は、詳細な司法取引の条件だった。イールの書と関連資料の提出、研究の完全な放棄、覚醒者ネットワークの解散、そして生涯にわたる監視の受け入れ。その代わりに、刑事訴追を免れ、限定的な自由が保証される。
「もし、この提案を受け入れれば」
男は続けた。
「あなたは普通の生活に戻れます。大学での職も保証しましょう。もちろん、研究内容は制限されますが」
賢吾は書類を一瞥した後、男の目を真っ直ぐに見据えた。
「断ったら?」
賢吾が問う。
男の表情が、より冷たくなった。
「国家反逆罪で逮捕」
男は淡々と告げた。
「機密情報の不正取得、国家転覆の企図、テロ活動への関与。十分な証拠は揃っています。有罪は確実。そして、あなたの仲間は...不幸な事故に遭うでしょう」
脅迫。それも、遠回しではない、直接的な脅迫だった。しかし、賢吾は動じなかった。むしろ、覚悟を決めた表情で男を見返した。
「人類の未来がかかっているんです」
賢吾は静かに、しかし力強く答えた。
「私個人の安全など、どうでもいい」
その瞬間、室内の空気が変わった。男の後ろから、金色の瞳が光った。いつの間にか、エイリークと覚醒者たちが、政府の護衛たちを完全に包囲していた。天井、壁、窓の外。あらゆる場所から、覚醒者たちの気配が立ち上る。
「脅しは通じない」
エイリークが静かに告げた。彼の周囲には、目に見えない力場が形成されていた。
「我々を普通の人間だと思わない方がいい」
護衛たちが武器に手をかけたが、次の瞬間、その武器は青白い電撃に包まれ、使用不能になった。電気を操る覚醒者の仕業だった。さらに、護衛たちの足元の床が液状化し始める。物質操作能力者も加わっていた。
男は状況を瞬時に理解し、苦笑した。
「やはり、そうなりますか」
男は落ち着きを失わなかった。むしろ、予想通りという表情だった。
「我々も、あなた方の能力については把握しています。しかし...」
男は懐から封筒を取り出した。
「これを見てもらいましょう」
封筒を開けると、中には数枚の写真が入っていた。賢吾の顔色が変わった。そこには、山田とリンドバーグ教授が、どこかの施設に監禁されている様子が写っていた。二人とも、特殊な拘束具で縛られ、意識を失っているように見えた。
「卑劣な...」
美咲が怒りを露わにした。
「ビジネスです」
男は冷徹に答えた。
「24時間。それ以上は待てません。イールの書を持って、指定の場所に来てください。さもなければ...」
男は写真の一枚を指差した。そこには、点滴のような装置が山田の腕に繋がれている様子が写っていた。
「これが何か、お分かりでしょう。最新の薬物です。24時間後には、不可逆的な脳損傷を引き起こします」
賢吾の拳が震えた。怒りと、無力感と、そして友への心配が入り混じっていた。
男は立ち去る準備を始めた。覚醒者たちは包囲を続けていたが、人質を取られている以上、手出しはできなかった。
「場所と時間は、後ほど連絡します」
男は出口に向かいながら言った。
「ああ、それと。下手な小細工は考えない方がいい。我々には、対覚醒者用の装備もあります」
男たちが去った後、重い沈黙が部屋を包んだ。
ドヴァリンが口を開く。
「罠かもしれない」
老ドワーフの表情は険しかった。
「いや、間違いなく罠だ。しかし...」
「行くしかない」
賢吾が決断する。彼の目には、強い決意が宿っていた。
「でも、イールの書は渡さない。別の方法を考える」
香川教授が分析を始めた。
「写真の背景から、場所を特定できるかもしれません。建物の構造、光の角度、使用されている機材...」
山田のチームも動き始めた。彼らは、政府のデータベースにハッキングを試み、山田とリンドバーグ教授の行方を探り始めた。
エイリークが戦略を提案した。
「我々も総力を挙げましょう」
エイリークの金色の瞳が、戦意に燃えていた。
「これは、宣戦布告です。もはや、隠れている時ではない」
マグナスも同意した。
「世界中の覚醒者に召集をかける。政府が人質を取るなら、我々も行動を起こす時だ」
しかし、賢吾は慎重だった。
「全面戦争は避けたい」
賢吾は仲間たちを見回した。
「我々の目的は、人類を救うことだ。政府と戦うことではない」
美咲が医療的な観点から意見を述べた。
「24時間という時間制限が気になります。本当にそんな薬物があるのか。ブラフの可能性も」
斎藤博士も分析に加わった。
「写真を詳細に分析しましょう。合成の可能性もあります。最近のAI技術なら、このレベルの偽造は可能です」
しかし、賢吾は危険を冒すつもりはなかった。山田とリンドバーグ教授は、かけがえのない仲間だった。
「偽物でも本物でも、対応は同じです」
賢吾は決意を固めた。
「24時間以内に、二人を救出する。そのための作戦を立てましょう」
こうして、賢吾たちは二つの作戦を同時に進めることになった。一つは、人質の居場所を突き止め、救出する作戦。もう一つは、政府との交渉に臨む準備。しかし、どちらの道を選んでも、危険は避けられなかった。
イールの書は、賢吾の手の中で微かに脈動していた。まるで、持ち主の決意に呼応するかのように。3000年前、イールも同じような選択を迫られたのだろうか。仲間を守るか、人類の未来を守るか。その答えは、まだ見えていなかった。
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