7 / 11
7
しおりを挟む
翌朝、私はとっても憂鬱でした。
今日は宿題を忘れて先生にこっぴどく怒られるのではないか、と考えていたからです。
私は喜陽川沿いを歩いて登校しました。
『もしも何か嫌なことから逃げたくなった時は、喜陽川に願いを書いた紙を流すんだよ。そうすれば、喜陽川にいる妖怪が願いを聞いてくれるかもしれないからね』
ふと、昨日のお爺さんの言葉が思い起こされました。
私は隣の喜陽川を見下ろします。
金属製の柵の間から見える、コンクリートの壁のはるか下を這う水の流れ。
都会の只中を細く貫くその流れを、私はしばらく見下ろしていました。
突然ーー自分でもそう思う程に突然にーー私はランドセルを下ろして中のノートのページを一枚裂くと、一筆認めました。
『先生に怒られたくない』
私はそう書くと、それを柵の間に差し出して手を離しました。
私はその紙の行方を見届けることなく、学校まで走りました。
今日は宿題を忘れて先生にこっぴどく怒られるのではないか、と考えていたからです。
私は喜陽川沿いを歩いて登校しました。
『もしも何か嫌なことから逃げたくなった時は、喜陽川に願いを書いた紙を流すんだよ。そうすれば、喜陽川にいる妖怪が願いを聞いてくれるかもしれないからね』
ふと、昨日のお爺さんの言葉が思い起こされました。
私は隣の喜陽川を見下ろします。
金属製の柵の間から見える、コンクリートの壁のはるか下を這う水の流れ。
都会の只中を細く貫くその流れを、私はしばらく見下ろしていました。
突然ーー自分でもそう思う程に突然にーー私はランドセルを下ろして中のノートのページを一枚裂くと、一筆認めました。
『先生に怒られたくない』
私はそう書くと、それを柵の間に差し出して手を離しました。
私はその紙の行方を見届けることなく、学校まで走りました。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる