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第三章~そして訪れたもの~
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その日の深夜、高橋の家のチャイムが鳴った。
普段の高橋なら煩わしく思い、無視するのだがその日ばかりは何故か応対したのだ。
それも無用心なことにインターホンに出ずに、直接玄関の扉を開けてしまった。
「夜分遅くに申し訳ございません」
玄関先には一人の男が立っていた。
高橋は、その男の褐色の肌と、胸元まで伸びる白銀の髪に思わず目を奪われてしまった。
それらは月光の中、歪な神々しさを放っている。
「最終バスを逃してしまいまして……。どうか一晩宿をお貸ししただけませんか?」
高橋は男の言葉ではっと我に返った。
いつもなら、来客などいくつかの罵声と共に追い返しているところだ。
しかしこの突然訪れた男に対しては、すんなりと家に通した。
それはひとえに、男の透き通るような、それでいて何者にも見透かすことのできない笑みと、放つ言葉一つ一つに甘く優しいような響きを持つ声に、妙な圧迫感を覚えたせいだ。
普段の高橋なら煩わしく思い、無視するのだがその日ばかりは何故か応対したのだ。
それも無用心なことにインターホンに出ずに、直接玄関の扉を開けてしまった。
「夜分遅くに申し訳ございません」
玄関先には一人の男が立っていた。
高橋は、その男の褐色の肌と、胸元まで伸びる白銀の髪に思わず目を奪われてしまった。
それらは月光の中、歪な神々しさを放っている。
「最終バスを逃してしまいまして……。どうか一晩宿をお貸ししただけませんか?」
高橋は男の言葉ではっと我に返った。
いつもなら、来客などいくつかの罵声と共に追い返しているところだ。
しかしこの突然訪れた男に対しては、すんなりと家に通した。
それはひとえに、男の透き通るような、それでいて何者にも見透かすことのできない笑みと、放つ言葉一つ一つに甘く優しいような響きを持つ声に、妙な圧迫感を覚えたせいだ。
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