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一年:二学期中間考査~期末考査
第一話
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中間考査から三日後の月曜日、部活帰りの凪が俺の部屋を訪れた。
ぷるぷる震える俺に、凪は無慈悲にも言い放った。
「じゃあ早速だけど、俺のストレス発散の相手になってもらおうかな。最近溜まっててさ」
そして凪は、コードが伸びた何かを鞄から取り出した。
◇◇◇
三時間前――
放課後、凪が俺に声をかけた。
「部活帰りに理玖の家寄るから」
「え"っ……」
「なんだよその反応~。じゃ、またあとで!」
反論の余地は与えられなかった。どちらにせよ俺は逆らうことができないのだが。
自分で自分の首を絞めるとは、正にこのことだ。
家にまで来て一体何をされるんだろうか。とっかえひっかえして数多の女子を泣かせているヤツだ。優しそうな顔して絶対鬼畜な性格していると思うんだ。本気で怖い。
俺は慌てて家に帰り、弱みになりそうなもの(エロ漫画やらAVやら推しのアクスタやら)を隠した。部屋が汚いと言いふらされたくなかったので念入りに掃除もした。
そんなことをしているうちに時間は過ぎ、とうとうインターフォンが鳴った。
「……はい」
《あ、俺俺ー! 入れてー!》
「……はい」
部屋に入ってきた凪は、無遠慮に周囲を見回す。
「おー、一人暮らしの部屋ってこんな感じなんだ」
「狭いだろ。こんな空間に野郎二人はキツいだろうしもう帰っていいよ」
「いやいや、今来たばっかだし。今日は泊まるし」
「はぁ!?」
泊まる!? 初耳なんだが!?
「家帰ってたら時間もったいないじゃん。泊まるよ当然」
「当然ってなに」
「当然は当然。述べる事柄が誰が考えてもそうであるはずだという意を表すときに使う言葉」
「分かってるわそんなこと」
「じゃあ聞くなよー」
凪は許可もなく勝手にソファに腰掛けた。
何をされるのだろうと怯えている俺に、凪はにっこり笑いかける。そして、鞄をまさぐった。
「じゃあ早速だけど、俺のストレス発散の相手になってもらおうかな。最近溜まっててさ」
「え……?」
なに? ストレス発散の相手……? お、俺、サンドバッグにでもされんの……? てかなんで鞄まさぐってんの。何を取り出そうとしているんだ。コイツ怖い。
「理玖んち来ようって朝から決めてたからさ、持ってきたんだよコレ」
そう言って取り出したのは、据え置きゲームとゲームソフトだった。
「は!? おま、こんなもんわざわざ学校に持ってきてたの!?」
「うん! 理玖とゲームしたくて!」
「な、なんで……? お前とゲームしてくれるヤツなんて山ほどいるだろ……」
「いやあ、それがいなくてさ……。ほら、女子は外食とか買い物とかが好きじゃん? 家に行っても……ほら、さ……?」
はいはい。女子とおうちデートのときはイチャイチャセックスするからゲームなんてしている暇がないってことですね、はいはい。
「男子とはちょこちょこゲームするけどFPSばっかでさ……。俺の本当に好きなゲームじゃないんだよね……」
「あー。なるほど……」
「でもさ、理玖は俺の好きなゲームに付き合ってくれるだろ? だって……」
凪は屈託のない笑みを向けて言った。
「今は俺の言うことなんでも聞いてくれるもんな!」
「……」
正直、ホッとした。
俺の脳内ではこいつはサイコパス野郎になっていたからさ、何されてもおかしくないと思っていた。
でも、こいつが望んだのは、ただ自分の好きなゲームに付き合わせること。そのために、学校にこんな重い機械持ってきちゃうんだからなあ。一周回ってバカだ。
「いいよ。やろう」
「おー! やったー! 理玖、電気もらうぞー」
「おう。好きなだけ使え電気くらい」
凪が持ってきたのはレースゲームとパズルゲームだった。俺もゲーム全般好きな方だから、いい勝負相手になれたと思う。
だからだろうか。凪はクラスでいるときより少しだけ、楽しそうに見えた。たぶん俺の気のせいだと思うが。
「友だちが多いのも大変だな」
レースゲームの最中で、俺はぼそりと呟いた。
「え?」
「だってさ、自分の好きなゲームができないって、ちょっと嫌じゃん」
凪は眉をハの字に下げる。
「FPSも好きだよ。楽しいよ」
「おう」
「でもやっぱ、今の方が楽しいけどね」
嬉しいと思ってしまった自分がキモかった。
ぷるぷる震える俺に、凪は無慈悲にも言い放った。
「じゃあ早速だけど、俺のストレス発散の相手になってもらおうかな。最近溜まっててさ」
そして凪は、コードが伸びた何かを鞄から取り出した。
◇◇◇
三時間前――
放課後、凪が俺に声をかけた。
「部活帰りに理玖の家寄るから」
「え"っ……」
「なんだよその反応~。じゃ、またあとで!」
反論の余地は与えられなかった。どちらにせよ俺は逆らうことができないのだが。
自分で自分の首を絞めるとは、正にこのことだ。
家にまで来て一体何をされるんだろうか。とっかえひっかえして数多の女子を泣かせているヤツだ。優しそうな顔して絶対鬼畜な性格していると思うんだ。本気で怖い。
俺は慌てて家に帰り、弱みになりそうなもの(エロ漫画やらAVやら推しのアクスタやら)を隠した。部屋が汚いと言いふらされたくなかったので念入りに掃除もした。
そんなことをしているうちに時間は過ぎ、とうとうインターフォンが鳴った。
「……はい」
《あ、俺俺ー! 入れてー!》
「……はい」
部屋に入ってきた凪は、無遠慮に周囲を見回す。
「おー、一人暮らしの部屋ってこんな感じなんだ」
「狭いだろ。こんな空間に野郎二人はキツいだろうしもう帰っていいよ」
「いやいや、今来たばっかだし。今日は泊まるし」
「はぁ!?」
泊まる!? 初耳なんだが!?
「家帰ってたら時間もったいないじゃん。泊まるよ当然」
「当然ってなに」
「当然は当然。述べる事柄が誰が考えてもそうであるはずだという意を表すときに使う言葉」
「分かってるわそんなこと」
「じゃあ聞くなよー」
凪は許可もなく勝手にソファに腰掛けた。
何をされるのだろうと怯えている俺に、凪はにっこり笑いかける。そして、鞄をまさぐった。
「じゃあ早速だけど、俺のストレス発散の相手になってもらおうかな。最近溜まっててさ」
「え……?」
なに? ストレス発散の相手……? お、俺、サンドバッグにでもされんの……? てかなんで鞄まさぐってんの。何を取り出そうとしているんだ。コイツ怖い。
「理玖んち来ようって朝から決めてたからさ、持ってきたんだよコレ」
そう言って取り出したのは、据え置きゲームとゲームソフトだった。
「は!? おま、こんなもんわざわざ学校に持ってきてたの!?」
「うん! 理玖とゲームしたくて!」
「な、なんで……? お前とゲームしてくれるヤツなんて山ほどいるだろ……」
「いやあ、それがいなくてさ……。ほら、女子は外食とか買い物とかが好きじゃん? 家に行っても……ほら、さ……?」
はいはい。女子とおうちデートのときはイチャイチャセックスするからゲームなんてしている暇がないってことですね、はいはい。
「男子とはちょこちょこゲームするけどFPSばっかでさ……。俺の本当に好きなゲームじゃないんだよね……」
「あー。なるほど……」
「でもさ、理玖は俺の好きなゲームに付き合ってくれるだろ? だって……」
凪は屈託のない笑みを向けて言った。
「今は俺の言うことなんでも聞いてくれるもんな!」
「……」
正直、ホッとした。
俺の脳内ではこいつはサイコパス野郎になっていたからさ、何されてもおかしくないと思っていた。
でも、こいつが望んだのは、ただ自分の好きなゲームに付き合わせること。そのために、学校にこんな重い機械持ってきちゃうんだからなあ。一周回ってバカだ。
「いいよ。やろう」
「おー! やったー! 理玖、電気もらうぞー」
「おう。好きなだけ使え電気くらい」
凪が持ってきたのはレースゲームとパズルゲームだった。俺もゲーム全般好きな方だから、いい勝負相手になれたと思う。
だからだろうか。凪はクラスでいるときより少しだけ、楽しそうに見えた。たぶん俺の気のせいだと思うが。
「友だちが多いのも大変だな」
レースゲームの最中で、俺はぼそりと呟いた。
「え?」
「だってさ、自分の好きなゲームができないって、ちょっと嫌じゃん」
凪は眉をハの字に下げる。
「FPSも好きだよ。楽しいよ」
「おう」
「でもやっぱ、今の方が楽しいけどね」
嬉しいと思ってしまった自分がキモかった。
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