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一年:二学期中間考査~期末考査
第二話
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思う存分ゲームをしたあと、俺たちはシャワーを浴びて、寝る準備をした。
「お前はソファな」
「おー、毛布かけてくれてるじゃん。さんきゅー」
おお……。ベッドで寝かせろって駄々こねるかと思っていたが、意外にもあっさり承諾してくれた。
それから各々床に就いて、電気を消した。
暗闇の中で凪の声が聞こえる。
「理玖、なんで学校ではあんまり喋らないんだ?」
「なんで?」
「なんでって……。ほら、一緒にゲームしてるとき、結構喋ってたから」
「……学校じゃ、喋る相手がいないから」
「へー」
「……」
「……」
しばらくの沈黙ののち、再び凪が口を開いた。
「俺のグループに……」
「絶対いや」
「えー、なんで?」
「絶対俺と合わない」
あんなやかましいヤツらとずっと一緒にいるなんて疲れるに決まってる。そもそもアイツらが俺を受け入れるとは到底思えん。
頑なに拒否していたら、凪は「そっかー……」と引き下がった。
そして最後に、小さな声で言った。
「またゲーム付き合ってよ」
「……いいよ」
「へへ。ありがと」
「……」
「なんか理玖といるの、楽だな」
なんて答えていいのか分からなかったので、「おやすみ」とだけ言った。
「おやすみー」
そして凪は三秒で眠りに落ちた。
俺はなぜかあまり眠れなかった。
◇◇◇
それからというもの、凪は一週間に一度は俺の家に泊まりに来るようになった。
「部活に彼女に友だちに俺に……。お前、家に帰る暇あんのか?」
「んー?」
凪はコントローラーをパチパチ操作しながら、感情の乗っていない声で答える。
「ほとんど帰ってないよ」
「は? まじ?」
「うん」
「なんで?」
「んー」
少し黙り込んでから凪が口を開いた。
「家に帰っても、誰もいないし」
「え? お前も一人暮らしだっけ」
「ううん」
「親、忙しい人?」
「うん、まあ、そんなかんじ」
なんとも歯切れの悪い言い方だ。これ以上聞いたらいけない気がした。
だから黙っていたのに、凪が勝手に話はじめた。
「親、俺に興味ないんだ」
「……」
「気を引かせようとして、サッカーで賞とってみたり、テストで学年一位になってみたり、家出してみたり……いろいろしたんだけどね。あんま変わんなかったな」
お、おい。まだそんな仲良くないだろう、俺たちは。少なくともそんな重い話をするような間柄ではない……。
「一位なんてそんなもんだよ。親の気も引けない、無意味なもの」
だからさ、と凪は付け足した。
「一位とってご褒美もらえたの、今回がはじめてなんだ。結構嬉しかったよね」
「……はじめてもらったご褒美が俺か。かわいそ」
「はは! どうせなら可愛い女子がよかったなー」
「うるせー」
「冗談冗談! 理玖でよかったよ。だってこうしてゲームしてくれるし。変に気を遣わなくてもいいし」
やっと話し過ぎたことに気付いたのだろう。凪は気まずそうにもぞもぞと体を揺らした。
「な、なあ。さっき話したこと、誰にも言うなよ」
「言わねえよ。言う相手がいねえよ」
「はは! 理玖がボッチでよかったー」
「うるせえな!」
俺は凪の背中をべちんと叩いたあと、小さな声で言った。
「お、俺んち、いつでも使っていいから」
「……!」
「ま、まあ。俺んちがなくても、お前には泊まる家がたくさんあるだろうけど」
「まあね。でも、ありがと」
そして凪はボソッと呟いた。
「なんか、落ち着くんだよなあ……」
「お前はソファな」
「おー、毛布かけてくれてるじゃん。さんきゅー」
おお……。ベッドで寝かせろって駄々こねるかと思っていたが、意外にもあっさり承諾してくれた。
それから各々床に就いて、電気を消した。
暗闇の中で凪の声が聞こえる。
「理玖、なんで学校ではあんまり喋らないんだ?」
「なんで?」
「なんでって……。ほら、一緒にゲームしてるとき、結構喋ってたから」
「……学校じゃ、喋る相手がいないから」
「へー」
「……」
「……」
しばらくの沈黙ののち、再び凪が口を開いた。
「俺のグループに……」
「絶対いや」
「えー、なんで?」
「絶対俺と合わない」
あんなやかましいヤツらとずっと一緒にいるなんて疲れるに決まってる。そもそもアイツらが俺を受け入れるとは到底思えん。
頑なに拒否していたら、凪は「そっかー……」と引き下がった。
そして最後に、小さな声で言った。
「またゲーム付き合ってよ」
「……いいよ」
「へへ。ありがと」
「……」
「なんか理玖といるの、楽だな」
なんて答えていいのか分からなかったので、「おやすみ」とだけ言った。
「おやすみー」
そして凪は三秒で眠りに落ちた。
俺はなぜかあまり眠れなかった。
◇◇◇
それからというもの、凪は一週間に一度は俺の家に泊まりに来るようになった。
「部活に彼女に友だちに俺に……。お前、家に帰る暇あんのか?」
「んー?」
凪はコントローラーをパチパチ操作しながら、感情の乗っていない声で答える。
「ほとんど帰ってないよ」
「は? まじ?」
「うん」
「なんで?」
「んー」
少し黙り込んでから凪が口を開いた。
「家に帰っても、誰もいないし」
「え? お前も一人暮らしだっけ」
「ううん」
「親、忙しい人?」
「うん、まあ、そんなかんじ」
なんとも歯切れの悪い言い方だ。これ以上聞いたらいけない気がした。
だから黙っていたのに、凪が勝手に話はじめた。
「親、俺に興味ないんだ」
「……」
「気を引かせようとして、サッカーで賞とってみたり、テストで学年一位になってみたり、家出してみたり……いろいろしたんだけどね。あんま変わんなかったな」
お、おい。まだそんな仲良くないだろう、俺たちは。少なくともそんな重い話をするような間柄ではない……。
「一位なんてそんなもんだよ。親の気も引けない、無意味なもの」
だからさ、と凪は付け足した。
「一位とってご褒美もらえたの、今回がはじめてなんだ。結構嬉しかったよね」
「……はじめてもらったご褒美が俺か。かわいそ」
「はは! どうせなら可愛い女子がよかったなー」
「うるせー」
「冗談冗談! 理玖でよかったよ。だってこうしてゲームしてくれるし。変に気を遣わなくてもいいし」
やっと話し過ぎたことに気付いたのだろう。凪は気まずそうにもぞもぞと体を揺らした。
「な、なあ。さっき話したこと、誰にも言うなよ」
「言わねえよ。言う相手がいねえよ」
「はは! 理玖がボッチでよかったー」
「うるせえな!」
俺は凪の背中をべちんと叩いたあと、小さな声で言った。
「お、俺んち、いつでも使っていいから」
「……!」
「ま、まあ。俺んちがなくても、お前には泊まる家がたくさんあるだろうけど」
「まあね。でも、ありがと」
そして凪はボソッと呟いた。
「なんか、落ち着くんだよなあ……」
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