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一年:二学期中間考査~期末考査
第四話
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俺が凪とゲームばっかりしていて、勉強をサボッているなどと思っていたか?
まさか。そんなわけないだろう。俺はまだあいつに焼きそばパンを買わせるという野望を捨てたわけじゃない。
二学期の期末考査。ここで俺は学年一位に返り咲く。
そのために、凪がうちに来ない日はひたすら勉強をしていたのだ。
そしてテスト一週間前――
「……?」
あれ? いつものアレがない。
凪と彼女のクソくだらねえやりとり。
試験前の放課後に毎度聞いていたので、もはや俺の中で風物詩になっていたのに。
「理玖ー。一緒に帰ろー」
「はぁ!?」
「?」
凪が声をかけたのは、彼女じゃなくて俺だった。
「お前、アレどうした?」
「アレって?」
「ほら、〝テスト前くらいしか一緒に帰れないもんな~〟ってヤツ」
「なにその悪意あるモノマネ。腹立つー」
凪がうざったそうに肩をすくめる。
「今は彼女いないから」
「ええ? お前が?」
「なに、そんなおかしい?」
「おかしいだろ……」
「まあまあ。そんなことどうでもいいじゃん。帰ろうよ」
「……」
いいよなあ、こいつは。遊び歩いても良い点数取れるんだもんよ。
「……悪いけど、今日は無理」
「えっ、なんで?」
「なんでって……。テスト前だし」
「……それが?」
あ~~~。腹立つ~~~。
「……俺はお前と違ってアホなんで、勉強しないといけないんです」
「いや、理玖はアホじゃないだろ……。むしろ逆……」
「下剋上したいんで。勉強おろそかにできないんですよ」
「……」
凪はなにやら考え込み、閃いた。
「分かった。じゃあ今日はゲームなし。一緒に勉強しよう」
「は? 嫌ですけど」
なぜ戦う相手と共に勉強をせねばならんのだ。
しかし、凪の一言で俺は逆らえなくなった。
「ふーん。でもさ、理玖。今はまだ俺の言うこと聞く期間だよな?」
「うっ……」
「〝なんでも言うこと聞く〟んじゃなかったのかー?」
「うぅ……」
クソォッ……。それを持ち出されては拒否できねえ……。
凪は「だからさ」とニッコリ笑う。
「早く理玖んち行こ」
「……はい」
◇◇◇
一緒に勉強して分かった。凪の集中力は半端ない。集中しすぎているようにも見えた。
「……おい。消しゴム落としたぞ」
「……」
「おーい」
「……」
……と、こんな感じで、消しゴムを落としたことにも気付かず、俺の声が聞こえなくなってしまうほどだ。
それに問題を解くスピードが早い。俺がやっと一通り目を通せた頃には、たぶん二周目か三周目に入っていた。
「……お前と勉強してたらヘコむ」
晩飯を食べているとき、思わずそう漏らしてしまった。
「えっ、なんで!?」
「だってお前すげえもん……」
「いや、別に普通……」
「普通って言うな……。じゃあ俺はなんなんだよ……」
「理玖は秀才でしょ」
「それ嫌味?」
「なんでそうなるんだよ」
凪はため息を吐いた。
「理玖の勉強のしかた、丁寧で尊敬する。俺はせっかちだからさ、そんなふうにできない」
「俺は脳の処理スピードが遅いだけだ」
「はは。隣の芝生は青く見えるってこのことだなー」
気を遣ってそんなことを言っているのか、俺の機嫌を損なわないようにそんなことを言っているのか……。
「ま、勝てばいいだけの話だ。今回は勝つからな」
「今回も俺が勝つよ。そのために今日もゲーム我慢したんだから」
そう言ってから、凪がクスクス笑った。
「……なんだよ」
「ん? いや。理玖と勝負しはじめてから、ちょっとテストが楽しくてさ」
「……」
俺は絶対に同意しないぞ。
……確かにモチベは上がったが、楽しいなんて思っていない。思っていない!
まさか。そんなわけないだろう。俺はまだあいつに焼きそばパンを買わせるという野望を捨てたわけじゃない。
二学期の期末考査。ここで俺は学年一位に返り咲く。
そのために、凪がうちに来ない日はひたすら勉強をしていたのだ。
そしてテスト一週間前――
「……?」
あれ? いつものアレがない。
凪と彼女のクソくだらねえやりとり。
試験前の放課後に毎度聞いていたので、もはや俺の中で風物詩になっていたのに。
「理玖ー。一緒に帰ろー」
「はぁ!?」
「?」
凪が声をかけたのは、彼女じゃなくて俺だった。
「お前、アレどうした?」
「アレって?」
「ほら、〝テスト前くらいしか一緒に帰れないもんな~〟ってヤツ」
「なにその悪意あるモノマネ。腹立つー」
凪がうざったそうに肩をすくめる。
「今は彼女いないから」
「ええ? お前が?」
「なに、そんなおかしい?」
「おかしいだろ……」
「まあまあ。そんなことどうでもいいじゃん。帰ろうよ」
「……」
いいよなあ、こいつは。遊び歩いても良い点数取れるんだもんよ。
「……悪いけど、今日は無理」
「えっ、なんで?」
「なんでって……。テスト前だし」
「……それが?」
あ~~~。腹立つ~~~。
「……俺はお前と違ってアホなんで、勉強しないといけないんです」
「いや、理玖はアホじゃないだろ……。むしろ逆……」
「下剋上したいんで。勉強おろそかにできないんですよ」
「……」
凪はなにやら考え込み、閃いた。
「分かった。じゃあ今日はゲームなし。一緒に勉強しよう」
「は? 嫌ですけど」
なぜ戦う相手と共に勉強をせねばならんのだ。
しかし、凪の一言で俺は逆らえなくなった。
「ふーん。でもさ、理玖。今はまだ俺の言うこと聞く期間だよな?」
「うっ……」
「〝なんでも言うこと聞く〟んじゃなかったのかー?」
「うぅ……」
クソォッ……。それを持ち出されては拒否できねえ……。
凪は「だからさ」とニッコリ笑う。
「早く理玖んち行こ」
「……はい」
◇◇◇
一緒に勉強して分かった。凪の集中力は半端ない。集中しすぎているようにも見えた。
「……おい。消しゴム落としたぞ」
「……」
「おーい」
「……」
……と、こんな感じで、消しゴムを落としたことにも気付かず、俺の声が聞こえなくなってしまうほどだ。
それに問題を解くスピードが早い。俺がやっと一通り目を通せた頃には、たぶん二周目か三周目に入っていた。
「……お前と勉強してたらヘコむ」
晩飯を食べているとき、思わずそう漏らしてしまった。
「えっ、なんで!?」
「だってお前すげえもん……」
「いや、別に普通……」
「普通って言うな……。じゃあ俺はなんなんだよ……」
「理玖は秀才でしょ」
「それ嫌味?」
「なんでそうなるんだよ」
凪はため息を吐いた。
「理玖の勉強のしかた、丁寧で尊敬する。俺はせっかちだからさ、そんなふうにできない」
「俺は脳の処理スピードが遅いだけだ」
「はは。隣の芝生は青く見えるってこのことだなー」
気を遣ってそんなことを言っているのか、俺の機嫌を損なわないようにそんなことを言っているのか……。
「ま、勝てばいいだけの話だ。今回は勝つからな」
「今回も俺が勝つよ。そのために今日もゲーム我慢したんだから」
そう言ってから、凪がクスクス笑った。
「……なんだよ」
「ん? いや。理玖と勝負しはじめてから、ちょっとテストが楽しくてさ」
「……」
俺は絶対に同意しないぞ。
……確かにモチベは上がったが、楽しいなんて思っていない。思っていない!
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