【完結】【R18BL】学年二位は、学年一位の命令を聞く

ちゃっぷす

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一年:二学期期末考査~二学期最終日

第十話

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「理玖、朝だよ」

 凪の声のすぐあとにアラームが鳴った。
 目を開けるとすぐそばに凪がいた。ベッドの上で頬杖をして、俺の顔を見つめている。
 なんでこいつ、寝起きのはずなのに目クソひとつ付いていない完ぺきな顔してんだよ。

「……むかつくわぁ」
「えっ、なんで」
「うるせぇ……こっち見んな……」

 凪は俺の言ったことを無視して、いや逆にわざと、俺にぐいと顔を近づけた。

「寄んなあ……」

 寝起き早々にこいつのキラキラフェイスは目が潰れる。

「理玖、おはよ」
「……はよ」
「はは。相変わらず寝起きの理玖は機嫌悪いなー」

 そう言って、凪が俺の頬にキスをした。

「……」
「起きないとキスするぞー」
「もうしてんじゃん……」
「んー」
「んっ……」

 今度は唇にキスされた。おい。俺まだ歯磨いてない。ってかお前も磨いていないだろう。

「ちょっ……ま……」
「んー?」
「んんっ……」

 凪の舌が入ってくる。汚い。やめろ。
 ……思っていたよりにおいとか気にならない。それより、なんか……

「はっ……ん……」

 ダメだ。頭が働かない。気持ちいい。

「う……」

 くそ。ただでさえ朝勃ちしていたのに、もっと元気になりやがった。

「~~っ……、はいっ、もう終わりっ! 学校遅刻すんだろっ」

 押しのけられた凪は、なおも俺をとろんとした目で見つめている。

「理玖、キス好きでしょ」
「うっ!?」
「やっぱな! 図星」
「ちっ、ちがうっ」
「嘘つき。理玖、知らないだろ」
「……?」

 凪がそっと俺の頬を撫でる。

「キスしてるときの理玖、めちゃくちゃ可愛い顔になってんの」
「~~……!!」

 そっ、それを言えばお前だって知らないだろ!? お、お前だってキスしたあと、すんげえエロい顔してんだからな!? なんで俺だけがキス好きみたいな言い方するんだよクソがっ!!

 俺はベッドから飛び出し、さっさと身支度をして家を出た。(凪とはいつも登校時間をズラしているから、別々に家を出ることはいつものことだ)

 あー、なんだあいつ。一昨日くらいからあいつおかしい。
 俺とキスしたい?
 俺とセックスしたい?
 まじで頭どうにかなっちまったんじゃねえの。
 それとも――

「……」

 無意識に立ち止まってしまった。

 ああ、そっか。そういうことか。
 あいつ、俺をおもちゃにして遊んでいるんだ。きっとそうだ。
 女の体に飽きたから、男の体に興味を持ったんだろう。それで、なんでも言うことを聞く俺の体使って遊んでんだ。

 妙に納得した。
 でもなんだこのモヤモヤ感。
 もしかして、俺なんか期待してた? はは。まさか嘘だろ。
 ……俺キモ。

「……友だち」

 友だちになれたような気になっていた。一緒にゲームして、あいつが俺の隣で笑って。他のヤツらには言えないワガママを言ってくることに、優越感っぽいものを抱いていた。
 あいつのワガママを聞いてやることに、俺までどこか満たされていた。

 だからキスを許した。ベッドで一緒に寝ることも。……乳首吸うことも。

 でも、あいつにとっては違ったんだ。
 俺は友だちでもなんでもない、ただの「なんでも言うことを聞く」学年二位。

「……」

 まあ、そんなもんでしょ。
 俺なんてなんの取柄もない陰キャなんだから。
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