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一年:学期末考査~一学期中間考査
第四十九話
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ある日の放課後、他クラスの女子が教室に入ってきた。廊下には彼女の友だちらしき子が「がんばれっ」と応援している。
彼女は俯きがちに、凪の席で立ち止まる。
「あ、あの。な、な、凪くんっ」
「ん? どうしたのFさん」
「あのねっ、ちょっとお話があるんだけどっ、いい?」
一瞬の沈黙ののち、凪が答えた。
「うん、いいよ」
「あ、ありがとう。ここじゃちょっと……人が多いから……」
「そうだね。じゃあ外に行こうか」
そう言って凪は、女子と共に教室を出て行った。
これ、告白じゃね。絶対そうだよなあの雰囲気。
……気になる。
あいつ、OKなんかしないよな?
いや待て。あいつは今性欲が爆発しそうなほど溜まっているんじゃないのか。あいつの性欲尋常じゃねえもん。
あいつ、とち狂ってOKしたりしちゃわないか?
大丈夫だ。凪はそんなことしない……と必死に考えようとしている俺と。
いやしかしあいつも男だ、性欲に負けて付き合ってしまうかもしれないと囁く俺と。
っていうかそもそもなんで俺は、凪が俺のことを待ってくれる前提で物を考えているんだとツッコむ俺と。
それはもういろんな俺が頭の中でケンカした。
そして本体の俺はというと、教室の窓から外を見下ろしていた。
校舎のそばで、凪と女子が植木に隠れて話をしている。
あそこは……保健室の前だ。
俺は教室を飛び出し、保健室に向かった。
「おや。やっと来たね」
とかぬかしやがる高梨先生を無視して、俺は屈んで窓際に移動した。
凪と女子が話している場所近くの窓をそっと少しだけ開けると、二人の会話が聞こえてきた。
二人はまだ本題に入っていないようだ。くだらない世間話をしている。
「この前Fさんがオススメしてくれた漫画読んだよ。めちゃくちゃ面白かった」
「えっ、ほんとに読んでくれたの? 嬉しい……」
「うんうん。またオススメ教えてよ。たぶん俺、Fさんと漫画の好み一緒だと思う」
「えっ……う、うんっ」
ゲロを吐きそうな会話だ。なんだこれ。
凪のやつ、女子と一対一だとこんな声で話すのか。なんつーの。なんというか……オスみがある。
あと話し方もなんか……オスっぽいというか……。こう……優しいが余裕があって、リードしてくれそうな、そんな感じの……。
会話の内容もどうかと思う。なんだよそれ。「Fさんと漫画の好み一緒」だと? じゃあ俺もFさんと漫画の好み一緒ですけど。凪だけが特別じゃないぞ、Fさん。目を覚ませ。惚れるな。惚れないでくれ。いやもう惚れているのかクソォッ!
そのとき、うしろから高梨先生に囁かれた。
「何しているのかな、鳥次くん」
「しーっ! 今大事なとこだからあんたは黙ってろっ」
「突然保健室に飛び込んできて、先生のことを無視して盗み聞きか。あまり褒められた行為じゃないねえ」
「うるせえ。お前のほうが褒められねえ行為してるだろうが静かにしろっ」
「へえ。先生に向かってそんなこと言うんだ」
あー、うるせええええ。今お前に構っている余裕ないんだよマジで黙っていろ。
「っ」
先生の手が、そっとシャツの中に差し込まれた。先生は俺の腰を撫でまわしつつ、もう片方の手でボタンを外す。
「ちょっ。先生」
「なにかな」
「やめてくれません?」
「やめないよ。盗み聞きする悪い生徒にお仕置きしているんだから」
「おまっ……いい加減に……!」
「しー。そんな声を荒げたら、中城くんに気付かれちゃうよ?」
「っ……」
「盗み聞きを続けたいなら、せいぜい頑張って声を我慢することだね」
こいつ……こいつっ。あとでぶっ殺してやるからな……!!
「っ、っ……っ、~~っ」
乳首をこねくり回される。久々に他人の手で触られ、腹が立つほど体が反応してしまう。
背後で先生がクスッと笑うのが聞こえた。そして先生は、俺のズボンのチャックを下ろし、ちんこを取り出した。
「おいっ……やめろっ……!」
「いやなら保健室から出て行きなさい」
「くっそぉぉ……っ」
ちくちくとちんこを刺激され、情けないことにまたたくまに勃起してしまった。
俺は快感に耐えながら、凪と女子の会話に耳をすませた。とうとう本題に入ったからだ。
「あの、ね……。凪くん……」
「……ん?」
「わたし……わたし……っ」
「……」
「凪くんのこと、好きなの……っ!」
言った。言いやがった。
「っ……、あっ……っ、っ、」
「鳥次くん。声漏れてるよ。いいところなんだから、頑張って押し殺さなきゃ」
「~~……っ」
女子が勇気を振り絞って告白しているときに、俺は頭のおかしい先生にちんこをいじられながら盗聴しているのか。なんだこの格差は。
しばらくして、凪がやっと口を開いた。
「ありがとね、Fさん。嬉しいよ」
「っ!」
「……でも、ごめん」
「……」
――断った。即断だった。
女子には申し訳ないが、俺はそのことにホッとした。
凪が言葉を続ける。
「……俺、好きな人いるから」
クンと喉が締め付けられた。
「でも、Fさんが俺のことを好きになってくれたこと、ほんとにありがたいと思ってる」
「え……?」
「だって、人を好きになるって……苦しいじゃん」
「……うん。えへへ、そうだね……」
「それを真っすぐ言葉にして伝えられるなんて、Fさんはすごいよ。強いし、かっこいい」
「……ありがと」
「尊敬する。俺は……できてないからさ」
「……」
Fが黙り込んだことで、凪は我に返ったようだった。
「あっ、ごめん。Fさんにする話じゃなかった。ほんとごめん……っ」
「……ううん。嬉しいよ。そんな大事な話を私に話してくれて、ありがと」
「……こっちこそ、ありがとう」
最後にFは明るい声で言った。
「凪くんにも、そんなことで悩むことがあるんだねっ」
「はは。意外でしょ? これでも友だちには〝恋愛初心者〟だって呼ばれてるんだよ」
「そうなの!? そんなことないと思うけど……」
「ううん。まじでそうなの。だって俺、人を本気で好きになったの、これが初めてだから」
彼女は俯きがちに、凪の席で立ち止まる。
「あ、あの。な、な、凪くんっ」
「ん? どうしたのFさん」
「あのねっ、ちょっとお話があるんだけどっ、いい?」
一瞬の沈黙ののち、凪が答えた。
「うん、いいよ」
「あ、ありがとう。ここじゃちょっと……人が多いから……」
「そうだね。じゃあ外に行こうか」
そう言って凪は、女子と共に教室を出て行った。
これ、告白じゃね。絶対そうだよなあの雰囲気。
……気になる。
あいつ、OKなんかしないよな?
いや待て。あいつは今性欲が爆発しそうなほど溜まっているんじゃないのか。あいつの性欲尋常じゃねえもん。
あいつ、とち狂ってOKしたりしちゃわないか?
大丈夫だ。凪はそんなことしない……と必死に考えようとしている俺と。
いやしかしあいつも男だ、性欲に負けて付き合ってしまうかもしれないと囁く俺と。
っていうかそもそもなんで俺は、凪が俺のことを待ってくれる前提で物を考えているんだとツッコむ俺と。
それはもういろんな俺が頭の中でケンカした。
そして本体の俺はというと、教室の窓から外を見下ろしていた。
校舎のそばで、凪と女子が植木に隠れて話をしている。
あそこは……保健室の前だ。
俺は教室を飛び出し、保健室に向かった。
「おや。やっと来たね」
とかぬかしやがる高梨先生を無視して、俺は屈んで窓際に移動した。
凪と女子が話している場所近くの窓をそっと少しだけ開けると、二人の会話が聞こえてきた。
二人はまだ本題に入っていないようだ。くだらない世間話をしている。
「この前Fさんがオススメしてくれた漫画読んだよ。めちゃくちゃ面白かった」
「えっ、ほんとに読んでくれたの? 嬉しい……」
「うんうん。またオススメ教えてよ。たぶん俺、Fさんと漫画の好み一緒だと思う」
「えっ……う、うんっ」
ゲロを吐きそうな会話だ。なんだこれ。
凪のやつ、女子と一対一だとこんな声で話すのか。なんつーの。なんというか……オスみがある。
あと話し方もなんか……オスっぽいというか……。こう……優しいが余裕があって、リードしてくれそうな、そんな感じの……。
会話の内容もどうかと思う。なんだよそれ。「Fさんと漫画の好み一緒」だと? じゃあ俺もFさんと漫画の好み一緒ですけど。凪だけが特別じゃないぞ、Fさん。目を覚ませ。惚れるな。惚れないでくれ。いやもう惚れているのかクソォッ!
そのとき、うしろから高梨先生に囁かれた。
「何しているのかな、鳥次くん」
「しーっ! 今大事なとこだからあんたは黙ってろっ」
「突然保健室に飛び込んできて、先生のことを無視して盗み聞きか。あまり褒められた行為じゃないねえ」
「うるせえ。お前のほうが褒められねえ行為してるだろうが静かにしろっ」
「へえ。先生に向かってそんなこと言うんだ」
あー、うるせええええ。今お前に構っている余裕ないんだよマジで黙っていろ。
「っ」
先生の手が、そっとシャツの中に差し込まれた。先生は俺の腰を撫でまわしつつ、もう片方の手でボタンを外す。
「ちょっ。先生」
「なにかな」
「やめてくれません?」
「やめないよ。盗み聞きする悪い生徒にお仕置きしているんだから」
「おまっ……いい加減に……!」
「しー。そんな声を荒げたら、中城くんに気付かれちゃうよ?」
「っ……」
「盗み聞きを続けたいなら、せいぜい頑張って声を我慢することだね」
こいつ……こいつっ。あとでぶっ殺してやるからな……!!
「っ、っ……っ、~~っ」
乳首をこねくり回される。久々に他人の手で触られ、腹が立つほど体が反応してしまう。
背後で先生がクスッと笑うのが聞こえた。そして先生は、俺のズボンのチャックを下ろし、ちんこを取り出した。
「おいっ……やめろっ……!」
「いやなら保健室から出て行きなさい」
「くっそぉぉ……っ」
ちくちくとちんこを刺激され、情けないことにまたたくまに勃起してしまった。
俺は快感に耐えながら、凪と女子の会話に耳をすませた。とうとう本題に入ったからだ。
「あの、ね……。凪くん……」
「……ん?」
「わたし……わたし……っ」
「……」
「凪くんのこと、好きなの……っ!」
言った。言いやがった。
「っ……、あっ……っ、っ、」
「鳥次くん。声漏れてるよ。いいところなんだから、頑張って押し殺さなきゃ」
「~~……っ」
女子が勇気を振り絞って告白しているときに、俺は頭のおかしい先生にちんこをいじられながら盗聴しているのか。なんだこの格差は。
しばらくして、凪がやっと口を開いた。
「ありがとね、Fさん。嬉しいよ」
「っ!」
「……でも、ごめん」
「……」
――断った。即断だった。
女子には申し訳ないが、俺はそのことにホッとした。
凪が言葉を続ける。
「……俺、好きな人いるから」
クンと喉が締め付けられた。
「でも、Fさんが俺のことを好きになってくれたこと、ほんとにありがたいと思ってる」
「え……?」
「だって、人を好きになるって……苦しいじゃん」
「……うん。えへへ、そうだね……」
「それを真っすぐ言葉にして伝えられるなんて、Fさんはすごいよ。強いし、かっこいい」
「……ありがと」
「尊敬する。俺は……できてないからさ」
「……」
Fが黙り込んだことで、凪は我に返ったようだった。
「あっ、ごめん。Fさんにする話じゃなかった。ほんとごめん……っ」
「……ううん。嬉しいよ。そんな大事な話を私に話してくれて、ありがと」
「……こっちこそ、ありがとう」
最後にFは明るい声で言った。
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