【完結】【R18BL】学年二位は、学年一位の命令を聞く

ちゃっぷす

文字の大きさ
58 / 72
一年:学期末考査~一学期中間考査

第五十二話

しおりを挟む
 二年一学期中間テスト三日前、放課後。
 俺は凪グループと一緒に勉強していた。
 一番勉強していなさそうなグループが(偏見でしかないが、そのくらい派手なヤツらの集まりなんだ)、放課後の教室でかたまって勉強している姿は、クラスメイトの注目の的だった。

 何度見ても、凪の勉強中の集中力には感心する。まだ勉強をはじめて十分ほどしか経っていないが、すでに騒音などがシャットダウンされているようだった。
 俺は凪の、集中しすぎてちょっと虚ろになっている目が好きだ。

 しばらくして、隣に座っていたCが俺の腕をつつく。

「ねえ、理玖。この問題分かんないんだけど――」

 俺がCの問題集を覗き込もうとしたとき、凪が急に顔を上げた。

「C。どこの問題が分からないの?」
「え? 二十三ページだけど……」
「ああ、そこ。俺が教えるからこっち来て」
「え、いいよ。理玖に教えてもらうから」
「いや、俺が教えるから」
「ううん。理玖に教えてもらいたいの。だって凪、教えるの下手なんだもん」
「うっ……」

 このやりとり何回目だよ。俺たちは一週間前からこうして集まって勉強しているのだが、その間に幾度となくこの無意味なやりとりが繰り返されていた。

 Cが俺に告白したのを知ってから、凪のCに対する警戒度がマックスまで上がったのが原因である。少しでもCが俺に触れようものなら、どこからともなく飛んでくるようになっていた。
 そしてそれをCが面白がっている、というのが今の構図だ。要するに凪はCにからかわれているのだ。

 俺はため息を吐き、Cを窘める。

「あのなあ。あんまり凪をからかうなよ」
「えへ。ごめーん。でもほんとに分かんないの。理玖、教えてー」
「はいはい」

 俺がCに教えているところを凝視していた凪は、俺が自分の机に戻ったとたん勢いよく手を挙げた。

「理玖。俺にも教えてください」
「お前に教えることは何もねえよ」
「いいえ。問題集八十七ページの問題が分かりません」
「そこはテスト範囲じゃないだろお!?」
「はい。でもこの前理玖が授業中にそこまで予習していたのを目視しました」

 こいつ授業中ずっと俺のこと見てんの? こわ……

 どうやらどうしても俺に勉強を教えてもらいたいらしい。しかたがないから、俺は凪を呼び寄せた。
 凪は大喜びで椅子ごと移動し、ぴったりくっつくくらい近くに座る。

「……近くない?」
「ん? 全然」

 なぜか凪は、教え終わってもその場から移動しなかった。狭い。狭すぎる。

「おい凪……。狭いから元の席戻って」
「……」
「おい、凪」
「……」
「おーい」
「……」

 ダメだ。集中モードに入りやがった。こっちの声が聞こえちゃいねえ。
 諦めた俺は、教科書に目を戻した。
 狭いけど……居心地は悪くない。

 勉強に集中しているうちに、すっかり凪の存在を忘れていた。
 無心になって問題を解いていると、そっと左太ももに手を置かれた。
 左隣にいる凪に目をやるも、凪はそ知らん顔で勉強をしている。
 俺はみんなに気付かれないようこっそり左手を机の下に移動させ、凪の手を振り払おうとした。

「っ」

 しかし、その手をがっしり握られてしまった。

「……」

 手の甲に乗せられた、少し汗ばんでいる凪の右手。

 あ、やばい。心臓がバクバクする。俺、今凪に手を握られている。みんながいる中、机の下でこっそりと。
 凪の手が、俺の手の平の中に滑り込む。指を絡め、きゅっと握ってきた。

「~~……」

 どうしよう、ここは教室だぞ。うしろから見られたら丸見えだ。だめだだめだ、こんなこと。
 なんて考えて自制しようと試みたが、最終的には欲望に負けた。

 俺は、凪の手を握り返した。

「っ……!」

 凪が少しだけ顔を上げたが、俺は知らないふりをした。

 凪の手の感触、もはや懐かしい。相変わらず体温が高いな、こいつは。
 ちょっと前までこの指で――

 いかんいかん。そんなことを考えていたら股間が誤作動を起こしかねない。勉強に集中しろ。

 そのとき、凪がコソッと囁いた。

「理玖……」
「なに」
「勃っちゃった……」

 お前勉強中になに勃起してんだよ。手つないだだけで勃起するとか童貞かよ。
 やめてよもうこいつ可愛すぎる。
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

「これからも応援してます」と言おう思ったら誘拐された

あまさき
BL
国民的アイドル×リアコファン社会人 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 学生時代からずっと大好きな国民的アイドルのシャロンくん。デビューから一度たりともファンと直接交流してこなかった彼が、初めて握手会を開くことになったらしい。一名様限定の激レアチケットを手に入れてしまった僕は、感動の対面に胸を躍らせていると… 「あぁ、ずっと会いたかった俺の天使」 気付けば、僕の世界は180°変わってしまっていた。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 初めましてです。お手柔らかにお願いします。 ムーンライトノベルズさんにも掲載しております

ハイスペックストーカーに追われています

たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!! と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。 完結しました。

今日もBL営業カフェで働いています!?

卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ ※ 不定期更新です。

日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが

五右衛門
BL
 月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。  しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます

なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。 そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。 「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」 脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……! 高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!? 借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。 冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!? 短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。

無自覚両片想いの鈍感アイドルが、ラブラブになるまでの話

タタミ
BL
アイドルグループ・ORCAに属する一原優成はある日、リーダーの藤守高嶺から衝撃的な指摘を受ける。 「優成、お前明樹のこと好きだろ」 高嶺曰く、優成は同じグループの中城明樹に恋をしているらしい。 メンバー全員に指摘されても到底受け入れられない優成だったが、ひょんなことから明樹とキスしたことでドキドキが止まらなくなり──!?

処理中です...