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二年:中間考査~
第五十三話
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◆◆◆
(凪side)
二年一学期中間テスト成績発表日。
とうとうこの日が来た。待ち侘びていたのが九割と、一割の不安。
もちろん手なんて抜かなかった。正直、どうか理玖より下の順位であってくれと思っている。
「中城凪くーん」
成績表を取りに行くときに、先にそれを受け取った理玖とすれ違った。
俺は成績表を見ないまま席に戻った。
緊張して、なかなか成績表を見ることができない。
そのとき、理玖が勢いよく立ち上がり、俺の机に成績表を叩きつけた。
どっちの反応なのか分からなかったが、理玖の声を聞いてすぐに悟った。
「見たか、凪!?」
ああ、見なくても分かったよ。
そのキラキラした目。嬉しそうに上がった口角。得意げな顔。
理玖、君はやっぱりすごいよ。
たくさん努力していたもんな。友達付き合いも頑張りながら、勉強だって手を抜かなかった。
いっぱいいっぱい、頑張っていたもんな。
「俺の勝ちだ!! 見たかコラァ!!」
いつもはそれなりに猫を被っている理玖が突然大声でまくしたてたものだから、クラスメイトが驚きの眼差しを理玖に向けていた。
「おいっ。聞いてんのか凪!」
「……うん。聞いてる」
「さっさと成績表見ろよ!!」
「うん」
成績表を裏返すと、俺の紙には「学年二位」と記載されていた。
そして理玖の成績表にはもちろん、「学年一位」の文字がある。
なんでだろ。涙が出た。
嬉しかった。理玖の努力が報われて。
理玖に言ったら怒られるだろうけど、悔しさなんて微塵もなかった。
清々しいほどの完敗だ。
◇◇◇
(理玖side)
これでやっと言える。
「いいか、凪。お前がいても俺は大丈夫だ!」
「……うん」
なんで泣いてんだよ。やめろよ。
お前のせいで、俺まで泣けてきただろ。
「お前がいてもちゃんと勉強する! 学年一位……か、二位しか取らない!」
「……うん」
「だから、お前がいても、俺は……」
いや、そうじゃないよな。
俺はすっと息を吸い、言葉を変えた。
「……お前がいなきゃ、ここまで勉強頑張れなかった」
「……」
「お前がいなきゃ、こんなに友だち作れなかった」
凪が小さく首を横に振った。
「お前がいなきゃ、あのときのことをずっと引きずってた」
「……」
「お前がいなきゃ……! 俺は変わろうと思わなかった……!!」
そんな、顔くしゃくしゃにするまで泣くな。
俺はそんな凪のネクタイを引っ張り、顔を近づける。
「お前がっ……お前がいないと、俺は大丈夫じゃない……」
みんなが見ている。先生まであっけにとられている。
そんなのどうでもよかった。っていうか涙がぼろぼろ溢れてまわりなんて見えない。
「凪っ……戻って来て……っ」
凪が立ち上がる。ひぃひぃ嗚咽漏らしながら、震える声を出した。
「今日言おうって決めてたことがあるんだ、理玖……。聞いてくれる……?」
「……うん」
凪はためらいがちに、俺を肩を掴んだ。
「俺、理玖のこと……本気で好きなんだ……。 だから……」
そして凪は俺の目を真っすぐ見て、言った。
「俺と付き合ってください……!!」
感情の波に押し流され、俺は床に崩れ落ちた。
ふんわりとは確信していた。それでも、いざこうして真っすぐ気持ちを伝えられると、体と心がびっくりしてしまった。
嬉しいとか、そんなレベルじゃない。そんなことも考えられないほど、頭の中がぐちゃぐちゃになった。
俺は、えーんと小学生みたいな声で泣き、一度だけ頷いた。
教室でワッと歓声が上がった。
たまらず俺が「見せもんじゃねえ!!」と叫ぶと、凪が泣きながら笑った。
(凪side)
二年一学期中間テスト成績発表日。
とうとうこの日が来た。待ち侘びていたのが九割と、一割の不安。
もちろん手なんて抜かなかった。正直、どうか理玖より下の順位であってくれと思っている。
「中城凪くーん」
成績表を取りに行くときに、先にそれを受け取った理玖とすれ違った。
俺は成績表を見ないまま席に戻った。
緊張して、なかなか成績表を見ることができない。
そのとき、理玖が勢いよく立ち上がり、俺の机に成績表を叩きつけた。
どっちの反応なのか分からなかったが、理玖の声を聞いてすぐに悟った。
「見たか、凪!?」
ああ、見なくても分かったよ。
そのキラキラした目。嬉しそうに上がった口角。得意げな顔。
理玖、君はやっぱりすごいよ。
たくさん努力していたもんな。友達付き合いも頑張りながら、勉強だって手を抜かなかった。
いっぱいいっぱい、頑張っていたもんな。
「俺の勝ちだ!! 見たかコラァ!!」
いつもはそれなりに猫を被っている理玖が突然大声でまくしたてたものだから、クラスメイトが驚きの眼差しを理玖に向けていた。
「おいっ。聞いてんのか凪!」
「……うん。聞いてる」
「さっさと成績表見ろよ!!」
「うん」
成績表を裏返すと、俺の紙には「学年二位」と記載されていた。
そして理玖の成績表にはもちろん、「学年一位」の文字がある。
なんでだろ。涙が出た。
嬉しかった。理玖の努力が報われて。
理玖に言ったら怒られるだろうけど、悔しさなんて微塵もなかった。
清々しいほどの完敗だ。
◇◇◇
(理玖side)
これでやっと言える。
「いいか、凪。お前がいても俺は大丈夫だ!」
「……うん」
なんで泣いてんだよ。やめろよ。
お前のせいで、俺まで泣けてきただろ。
「お前がいてもちゃんと勉強する! 学年一位……か、二位しか取らない!」
「……うん」
「だから、お前がいても、俺は……」
いや、そうじゃないよな。
俺はすっと息を吸い、言葉を変えた。
「……お前がいなきゃ、ここまで勉強頑張れなかった」
「……」
「お前がいなきゃ、こんなに友だち作れなかった」
凪が小さく首を横に振った。
「お前がいなきゃ、あのときのことをずっと引きずってた」
「……」
「お前がいなきゃ……! 俺は変わろうと思わなかった……!!」
そんな、顔くしゃくしゃにするまで泣くな。
俺はそんな凪のネクタイを引っ張り、顔を近づける。
「お前がっ……お前がいないと、俺は大丈夫じゃない……」
みんなが見ている。先生まであっけにとられている。
そんなのどうでもよかった。っていうか涙がぼろぼろ溢れてまわりなんて見えない。
「凪っ……戻って来て……っ」
凪が立ち上がる。ひぃひぃ嗚咽漏らしながら、震える声を出した。
「今日言おうって決めてたことがあるんだ、理玖……。聞いてくれる……?」
「……うん」
凪はためらいがちに、俺を肩を掴んだ。
「俺、理玖のこと……本気で好きなんだ……。 だから……」
そして凪は俺の目を真っすぐ見て、言った。
「俺と付き合ってください……!!」
感情の波に押し流され、俺は床に崩れ落ちた。
ふんわりとは確信していた。それでも、いざこうして真っすぐ気持ちを伝えられると、体と心がびっくりしてしまった。
嬉しいとか、そんなレベルじゃない。そんなことも考えられないほど、頭の中がぐちゃぐちゃになった。
俺は、えーんと小学生みたいな声で泣き、一度だけ頷いた。
教室でワッと歓声が上がった。
たまらず俺が「見せもんじゃねえ!!」と叫ぶと、凪が泣きながら笑った。
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