【完結】【R18BL】学年二位は、学年一位の命令を聞く

ちゃっぷす

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エピローグ

エピローグ-1

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 夏休みのある日、俺と凪は電車に揺られていた。車窓から見える景色は、立派な入道雲が浮かぶ青い空。そして、太陽に照らされる、水平線まで広がる海だった。

 凪は俺の肩にこてんと頭を乗せ、ほわほわした声で呟いた。

「楽しみだなー」

 それに俺は、ドキドキしながら頷くのだった。

「にしても、なんで俺らだけ現地集合なわけ?」
「ん? 少しでも長く、理玖とふたりだけで海見たかったから」
「お前の仕業だったのかよ……」

 凪メンバーで海に行く。この計画を立てたのはCだった。
 凪は、友だちみんなで海に行くことも楽しみだし、俺とはじめて旅行できるのも楽しみだと言っていた。ただ、欲を言えば、はじめての旅行は二人だけで行きたかったとも漏らしていた。

 だからCに無理を言って、俺たちだけ現地集合にしてもらったのだろう。相変わらずわがままなヤツ。

 目的地の駅で降りると、凪に駅の隅っこに連れて行かれた。

「ん、なに」
「ふたりきりが終わるから」

 そう言って、凪がひかえめなキスをしてきた。
 こんなことをされたら、余計に名残惜しくなって合流したくなくなるだろうがバカ。

 集合場所には、他メンバーが待っていた。
 俺たちに気付いたCが両手を振る。

「おーい、こっちこっちー!」

 それから俺たちは早速海に行った。白い砂浜が眩しい。
 みんな、レジャーシートを広げるやいなや、水着姿になり海にダッシュする。
 慌てて俺も服を脱ぎ捨て、みんなを追いかけた。

 みんながバシャバシャと海に突っ込む中、俺は波打ち際に立ち、寄せては引いていく波にそっと足を伸ばす。
 じっくり噛みしめたい。これが俺のはじめての、友だちと行く海なのだから。

「つめたっ」

 よくもまあこんな冷たい海の中に突っ込めるなあいつらは。

「理玖と凪ー? なにしてんのー! はやくー!!」

 遠くからかけられた声に、凪が叫び返す。

「すぐ行くからちょっと待ってて―!」

 しかし俺にはこう言った。

「ゆっくりでいいよ」
「うん」

 太陽みたいに眩しい友だちと、あったかく見守ってくれている恋人に挟まれて、なんか、感極まってしまった。
 目をこすった俺に、凪が心配そうに声をかける。

「大丈夫?」
「うん、大丈夫」

 ちがうんだ、凪。ちょっと嬉しかっただけだから。全然大丈夫。

 ゆっくりと海に浸かっていく。そんな俺の手を、海の中で凪が握る。

「理玖、楽しい?」
「うん」
「よかった」

 友だちのところまであともう少し。亀みたいにのろのろしている俺たちを待ちきれず、友だちが迎えにきてくれた。

「理玖おそーい!!」

 Cは水しぶきをたてながらこちらまで来て、俺に抱きついた。

「わーい! つかまえたー!」
「う、わ、わ、」

 Cの柔らかい体がぴったりとくっつく。おい、おい! 胸、胸ぇぇぇっ!!

「C~~~!! なにしてんだテメェェェ!! 理玖から離れろぉぉぉぉっ!!」

 すかさず凪がCを引きはがす。
 しかし次から次へと、面白がる友だちが俺に抱きついてきた。

 俺は大きく口を開けて笑っていた。

 みんなが俺の肌に触れる。でも怖くなかった。こいつらは俺のいやなことをしないって分かっている。
 それに、もしなにかがあったとしても、凪が鬼の形相で追い払ってくれるし。

 最終的に俺は、友だちに向けてシャーシャー威嚇している凪に抱きしめられていた。

「おい凪」
「ん、なんだ!」

 俺はぷんぷん怒っている凪の頬に、キスをする。
 それを見ていた友だちは、「あらまあ~」と嬉しそうにニヤニヤしていた。

「大丈夫だって。こいつら、友だちじゃん」
「むぅぅ……」
「変なことしないよ」
「……うん。分かってるけど……俺がいやなんだよぉ!」

 すっかり独占欲丸出しになった凪と、すっかり素を出すようになった俺を、友だちはあたたかく見守ってくれている。
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