【完結】【R18BL】男泣かせの名器くん、犬猿の仲に泣かされる

ちゃっぷす

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おまけ:ポリネシアンセックス

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 ポリネシアンセックス四日目――

 寝室に入る前に、小鳥遊に釘を刺された。

「いいか。いきなり猿のように盛ってくるのはやめろ。静かに服を脱いで、静かに布団に潜れ。分かったな?」
「……分かったってば」

 先ほどまで一緒に晩メシを食っていたのだが、そのときに昨日までのポリネシアンセックスについてぐちぐちと文句を言われた。
 というのも、小鳥遊が想像していたポリネシアンセックスと、実際のポリネシアンセックスが全く違ったからだ。
 その原因は俺だそうだ。俺が下品な盛りかた(69の体位をしはじめたり、唇にベロベロ吸い付いたり……)をするから、本来の「心と心を繋ぐセックス」と大きくかけ離れている、と小鳥遊は言っていた。(あいつもだいぶノリノリだったけどな?)

「俺はもっとこう……穏やかで品のあるポリネシアンセックスがしたい」

 そういうわけで、俺は小鳥遊のワガママに付き合ってやることにした、というわけだ。


 服を脱がせ合い、全裸のままベッドに横たわる。
 そっと抱き寄せられ、俺の頬が小鳥遊の胸にぴとっとくっついた。
 あー……ちんこ痛ぇ……

「最近食欲が少し増えたな」
「おう。メシが美味いから」
「明日は何が食べたい?」
「うーん。ラーメン」
「……こんな暑いときにか」
「なんか食べたい」
「分かった」

 とりとめのない会話をしたあと、小鳥遊が俺の顔を上向かせた。
 あ、キスされる。

 鼻がくっつきそうな距離で、小鳥遊が小さく笑う。

「なんて顔をしているんだ」
「えっ……?」
「はじめてキスするヤツみたいな顔してる」
「なっ……、そ、それはお前もだろっ。トロットロの顔しやがって」
「そうだな。自分の鼓動がうるさい。たかがキスなのにな」
「……分かる。たかがキスなのに」

 たかがキスをしただけで、全身が痺れた。顔が火照り、下腹部がキュンと締め付けられる。
 舌を絡め合うと、脳が爛れたような感覚がした。
 どこまでが自分で、どこまでが小鳥遊か分からなくなってくる。

「あぁぁぁ……っ」

 腰を指でなぞられ、俺の口からだらしない声が漏れた。
 小鳥遊の舌が、俺の唇から首筋に移動する。

「んんぁ……っ」

 舌はそのまま下っていき、俺の乳首をそっと撫でた。

「あぁっ……!!」

 いつもと比べ物にならない快感に、俺の体がのけぞった。小鳥遊の舌が動くたびに声が漏れ、指の動きに合わせて体が揺れる。
 気持ち良すぎて何も考えられない。
 小鳥遊の舌の動きを鮮明に感じる。舐められているというより、彫られているような感覚だ。

「~~……っ、小鳥遊、いったんやめろ……っ」
「ん、どうした?」
「イキそ……」
「ふふ、そうか」

 俺が落ち着くまで、小鳥遊は俺を抱きしめた。その間もキスをされたり、体を撫でられたり。それだけでも全然体が休まらない。

「落ち着いたか?」
「ん、ちょっとは――……あぁ!?」

 小鳥遊の手が俺のペニスに触れた。指の腹ですーっとさすられただけなのに、腰がガクガク揺れてしまう。
 小鳥遊は呆れつつも興奮に満ちた顔つきで言った。

「おいおい……。撫でただけだぞ」
「あっぶなー……イクかと思った……」
「はっ。重症だな」
「お前あとで覚えてろよ……」
「こっちはどうだ?」

 小鳥遊の指が尻の谷間に滑り込む。穴をつつかれた俺は、今まで上げたことのない甲高い声を上げてしまった。恥ずかしすぎて、咄嗟に両手で口を覆う。
 小鳥遊は目をしばたいていた。

「なんだ今の声は」
「わ、忘れろっ」
「いや、もう一度聞きたい」
「やめっ……」

 さすさすと軽く撫でられ、俺はまたおかしな嬌声を上げた。こんな声を聞かれたくないのに。聞かせたくないのに――
 俺の意思に反して、両脚が開いてしまう。

「あぁっ……あっ、んんんっ……、んぅ……っ」
「……」
「あぁぁ……!?」

 ほんの少し、小鳥遊の指が中に入ってきた。
 俺の脚がガクガク震えている。

「た……小鳥遊……、やめ……抜いて……」
「……」
「や、やっ、ダメ、ダメダメダメ……あぁぁ……っ」

 おい。指挿入はソフトタッチに入るのか? こいつ、がっつり指の付け根まで入れちゃいましたけど。

「動かすなよ……っ、今動かされたらヤバい……。な、小鳥遊……、落ち着け……?」
「はっ……。俺は、何を……」
「うん……理性飛んでたんだよな……分かる……分かるからとりあえず指を抜け……?」
「……」
「小鳥遊……? 抜け……?」
「……ああ」

 小鳥遊の指が妙にゆーっくり抜けていくのを感じたので、俺は安堵の吐息を漏らした。
 よかったー……。中グリグリされていたら絶対にイッていた……。

 しかし、半分くらい指を抜いたところで、小鳥遊は――

「んぁぁっ!?」

 ――俺のペニスの根元を指で締め上げてから、思いっきり前立腺を押し上げた。
 背筋にゾワッと電流が走り、下腹部が締め付けられる。絶頂の前触れに、俺は身を震わせた。

「あぁぁっ……! イッ……っ!、……」
「……」

 イ……ケない……!!
 小鳥遊が尿道を圧迫しているせいで……イケない……!!

 絶頂の波が押し戻される。全身が痺れているのに、全くスッキリしない。というかさっきよりもモヤモヤする。
 やっと与えられたと思った快感の前触れだけを感じさせられ、その先の解放感をごっそり奪われた。
 欲求不満の痛みがじんじんと俺の中に留まり続けている。

「小鳥遊~……」
「……」

 俺は上体を起こし、小鳥遊を睨みつけた。
 小鳥遊は虚無顔で意味の分からんところを眺めている。なんの顔だそれは。何を物語っているんだ。

「わざとだよな? なあ」
「……」
「なんか言えっ!」
「……明日が待ちきれないな」
「おいっ! お前がっ! 普通のポリネシアンセックスがしたいって言ったんだよな!? これはっ! 普通のポリネシアンセックスなのか!? おい!!」
「明日が待ちきれない」

 俺も俺だがこいつもこいつだ。
 なにが理性だ。お前は理性の皮を被った性欲の塊だよっ。
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