【完結】【R18BL】男泣かせの名器くん、犬猿の仲に泣かされる

ちゃっぷす

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想い

第三十八話

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 髪を乾かし寝室に戻ると、しかめっ面の小鳥遊が待っていた。さっきまでの優しい彼氏面はどこに行ったんだ。
 小鳥遊が、手に持っているコンドームの箱をちらつかせる。

「どうしてだろうなあ。新品だったはずのコレが残り一つになっている」
「ひょっ」

 風呂上がりで火照っていた頭から、一気に血の気が引いた。そんな俺を小鳥遊がぎろりと睨みつける。

「月見里。お前……他の男を家に上げたな?」
「うっ……」

 そこで先ほどの会話を思い出したのだろう。小鳥遊が「ほーう?」とわざとらしく首を傾げた。

「さっき言ってた〝いろいろ〟って、このことか」
「……」
「ああ……高校の元カレ……同窓会……」
「……」
「お前、元カレとここで寝たろ」

 察しが良すぎる。

「どうなんだ。はいかいいえで答えろ。それ以外の言葉はいらない」
「……はい」
「はぁ……」

 小鳥遊はコンドームの箱をゴミ箱に投げ捨てた。

「四つ減ってるが……四回もしたのか」
「……はい」
「生では?」
「してません……」

 おい。さっきまでの幸せな時間はどこにいった。どうしてもう危機が訪れている。誰のせいだ。俺のせいだよ。
 俺は床に正座して、ちょんと頭を下げる。

「ごめんなさい」
「……そのときは付き合ってなかった。だから謝ることじゃない」

 でも、怒ってんじゃん。

「もうしません」
「当たり前だ。二度と俺以外に抱かれるな」

 そう言って、小鳥遊は頬を赤らめた。

「……やっと言えた」

 んっ……。かわっ……。

「ずっと言いたかったのか……?」
「好きなヤツが他の男に抱かれて誰が嬉しいと思うんだ」

 好きなヤツ……。

 俺は立ち上がり、ベッドに腰掛けている小鳥遊をそっと押し倒した。

「小鳥遊」
「……」
「次は俺にさせて」
「あ……」

 俺はキスをしてから、小鳥遊のズボンと下着を下ろした。さっきまでそんな雰囲気ではなかったから、ペニスは柔らかいままだ。
 俺はそんなペニスに、ちゅ、と唇を添えた。

「いつから俺のこと好きだったんだ?」
「……分からん。俺もお前と同じで……気付かないようにしていたから」
「そっか」
「それより……お前が舐めてくれるのか……?」
「うん。今までずっと、俺ばっかり気持ちよくさせてもらってたから。今日は俺がお前を気持ちよくしてやる」
「……今までも俺はずっと気持ちよかったぞ」
「体の話じゃなくてさ、気持ちの話」

 お前はずっと、体を通じて優しさと気持ちをたくさん伝えてくれていただろう。今まで俺は、受けてばっかりで何も返していなかった。
 今日はちゃんと返すよ。返したいんだ。

「ん……」

 少し舐めたり咥えたりしただけで、またたくまに小鳥遊のペニスが膨らんだ。

「お前……上手いな……」
「まあね」
「はっ。経験豊富だもんな」
「おい。俺はアプリでマッチングした男のちんこなんてしゃぶったことねえぞ」
「そうなのか」

 小鳥遊の表情がふわっと緩んだ。くそ。かわっ……。

 小鳥遊のペニス、分かってはいたけど間近で見ると立派だな……。口の中におさまりきらない。こんなペニスで、俺はいつも中を……

「おい、月見里……。舐めながらそんな顔をするな……」
「えっ。俺どんな顔してた……?」
「物欲しそうな顔」
「だ、だって……」

 舐めているだけで、勃起はするし中は疼くしで体を持て余しているんだから、しょうがないだろう。

 小鳥遊も興奮してきたのか、ペニスから我慢汁が溢れてた。俺はそれを丁寧に舐めとってからペニスを咥える。喉の奥まで入れても、まだ根元まで届かない。

「うぇ……っ、でけぇ……っ」
「俺のちんこでえずいているお前も良いな……」
「まぁた変な性癖目覚めさせちゃったよ……」

 舐めている間、小鳥遊が俺の頭や耳を撫でた。くすぐったいが、どこか安心する。

「月見里……っ、もう、出そう……」
「ん」
「あっ……!!」

 それまでより激しく、口と手で小鳥遊のペニスを刺激する。小鳥遊の体がびくんと跳ね上がり、手足に力が入っていく。

「あ……んっ……、んっ、月見里っ、出るっ!! っ、っ……っ、」
「――……っ」

 ドロッとした苦い精液がペニスの先から飛び出した。味覚を通して小鳥遊の精液を感じたのは、これが初めてだ。
 不味いけど、ずっと口に含んでいたいと思ってしまうほどに愛しかった。

 俺は小鳥遊の腰にまたがり、尻を上げる。

「小鳥遊」
「ん……?」
「俺、もうお前以外に抱かれたくないから」
「……うん」
「だからお前も、俺以外抱くなよ」
「バカだな。俺はとっくにそのつもりだ」
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