むしょうのあい

池 尚穂

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10話「新しい生活の始まりと・・・」

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 次の日から、よっちゃんと私とユッキーの3人暮らしが始まった。

 「そろそろ仕事探したいんだけど、ユッキーを幼稚園に入れられそうにないし・・・」
 「ここいらは幼稚園も保育園も少ないからね。
 そう言えばサッチャン、子供の頃先生になりたがってたよね。
 あなたは頭がいいんだから、幼稚園や学校の先生になったら?」

 「あれは、よっちゃんと勉強するのが楽しかったからで、学校の先生は無理かなあ・・・
幼稚園の先生の資格をとったらユッキーを入れられるかな?」
 「じゃあ、資格取るためにお勉強したら?ユッキーちゃんの事は、初子さんと私で見とくよ」

 「でも、よっちゃん仕事は?」
 「あー歳のせいか仕事がきつくなってきて、お弁当屋さんは辞めようと思うの。
 漢字はまだ々だけど、サッチャンが教えてくれたお蔭で計算が出来るようになったから、
猫田運送の経理主任と掃除も指導係になったし」

 「なんか、よっちゃんすごいね。律儀の勝利?」
 「えっ?」
 「何でもない」
 「うん、初子さんもいるし、前よりは時間の余裕もあるから ユッキーちゃんの面倒みられるよ」

 その言葉に後押しされて、私は介護の仕事をしながら幼稚園教諭から始め、さらに福祉の勉強をしていた。
 ユッキーを寝かしつけた後の時間は、よっちゃんは漢字と数学、私は福祉を話し合い楽しみながら、
勉強していた。

 そんな日がしばらく続いていたある日、
 「よっちゃん、顔色悪いから今日は勉強お休みしたら?」
 と声を掛けたが、倒れ込んでいるよっちゃん・・・
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